なぜ音が訓練に効果的といえるのか?
犬同士でコミュニケーションをとる際、音は意思表示するために使われます。 例えば嬉しいとき、好意がある場合にピーピーと鼻で高い音を鳴らしたり、警戒しているときはウーといって低いうなり声をあげます。 また遠くにいる相手を呼ぶために遠吠えをする犬もいます。 犬のとって音は重要なコミュニケーションツールの1つです。 音は感情を伝えやすい方法ですので訓練方法として汎用性が高いと言えます。 犬は音の変化で相手の気持ちを察知する事が出来ます。 飼い主さんが褒める時は声のトーンが高く、怒られるときは声のトーンが低いと理解しているからです。 高い音で褒める、低い音で注意する、シンプルですが一番効果的な方法です。 音にも様々な種類がありますが、よく使うのは飼い主さんの『かけ声』です。 掛け声をしつけの合図にした場合ポイント
・声の大きさ
・声のトーン
・声のスピード
メリット①痛みを加えずに訓練出来る
音は体罰ではないので犬に痛みを加えることがありません。 現在でも犬が間違えたときに頭を叩いたり、体を蹴ったりして犬を従わせようとする人がいます。 そういった訓練方法もありますが恐怖で犬を支配することは良いことではありません。 犬を恐怖によって従わせた場合、与えられた指示に従っても犬は尻尾を振りません。 尻尾を隠しながら指示に従う犬がほとんどです。 そして痛みで訓練を受けた犬はハンドシャイになってしまいます。 ハンドシャイとは手を見たときに目を瞑ったり怯えた行動をすることです。 恐怖心がそういった行動をとらせてしまうのです。 音を使った訓練はハンドシャイになりません。 褒めて犬をしつけると尻尾を振りながら喜んで飼い主さんの指示に従うようになります。 警察犬の様子を見たことがあるでしょうか? 訓練士さんのポケットには大好きなおもちゃが入っています。 警察犬は訓練士さんに褒めてもらうために指示に従っています。 機会があれば尻尾にも注目して下さい。尻尾を振りながら訓練士の隣を歩きます。 理想の訓練方法です。メリット②犬が理解しやすい
犬の聴覚は人間の2倍、人に聞こえない音域も犬には聞こえています。 しかし長い文章は理解出来ないので、短い単語で指示を与える必要があります。 飼い主さんの気持ちを音域で理解してくれる点も音のメリットと言えるでしょう。 高い音、低い音で飼い主さんが褒めているのか、怒っているのか犬に伝わりやすいです。 音を使った訓練は距離があったり、犬が見えない場所にいたとしても指示を与える事が出来ます。 視覚を使った訓練では障害物でサインが見えなかったり、サインを見間違えることがありますが音は聞こえれば理解出来ます。 遠隔操作のようなイメージです。 例えば牧羊犬は羊飼いの声を聞いて、大きく旋回したり、右に行ったり、左に行ったりしながら羊を集めます。 羊飼いの声を牧羊犬が理解しているのでコントロール出来るという訳です。 羊飼いの掛け声はシンプルです。 大きさ、音質、スピードを上手に使い分けて犬をコントロールします。 道具が無くても声で訓練することは十分可能です。メリット③訓練するための道具も扱いやすい
最近ではクリッカーという道具が主流になっています。 もしかするとホームセンターやネットショップで見たことがあるかも知れません。 カチッ!と音が鳴るだけのシンプルな道具ですが訓練には非常に効果的です。ポイント
<クリッカーの使い方>
カチッと鳴らす→ご褒美。
これを繰り返すとクリッカーの音を鳴らすだけで『褒められた』と犬は理解します。