犬がしっぽを追いかける時は?警察犬ドッグトレーナーが対応と相談の目安を解説

犬が自分のしっぽを追い、くるくる回る。
名前を呼ぶといったん止まるので、遊んでいるだけだと思っていた。
でも、前より繰り返すようになった。
そんな時は、回る姿の面白さより、体の様子と、その後の暮らしに目を向けてください。
しっぽ追いという動きだけでは、遊び、生活上の負担、体の問題を見分けられません。
今起きている動きを力で止めることと、原因への対応も別です。
まずけがにつながる接触を減らし、急な変化や繰り返しは動物病院へ相談します。

回る姿に毎回声をかけたり、もう一度見ようと促したりする必要はありません。
止めるために追いかけるより、周囲を安全にして、いつもと違う様子がないかを見てください。
今、回っている犬のそばで何をするか
犬が回り始めると、家族が一斉に名前を呼ぶ、つかまえようと近づく、別の犬も寄ってくることがあります。
人や動物が集まるほど、ぶつかる場所や口元へ手が近づく場面も増えます。
最初に行うのは、犬を取り囲むことではなく、周りの人や犬が近づかないようにすることです。
子どもは犬から離れた場所へ大人が連れていきます。
同居犬も、回っている犬のそばを通さずに分けられるなら、別の場所で過ごさせます。
止める役を子どもへ任せたり、犬同士に任せたりしないでください。
目の前に物があるからと、動く犬の足元へ手を入れて片づけるのは危険です。
犬の動きを避けて安全を確保できない時は、家具を動かそうとせず、人が距離を取ります。
普段の片づけと、回っている最中の対応を混同しないようにしましょう。

大声で叱る、体を押さえ込む、回れないよう狭い場所へ無理に閉じ込める方法は勧めません。
無理に止めようとすると、犬や人がけがをするおそれがあります。
呼びかけに応じる時も、反応を試し続けない
普段の合図に落ち着いて応じ、自分で歩いて離れられる状態なら、慣れた場所へ移るなど、いつもの行動へ戻せることはあります。
ただし、反応を確かめるために何度も呼び直したり、食べ物を鼻先で振ったりする必要はありません。
呼んでも応じにくい、すぐ同じ動きを繰り返す、近づくと口が向く場合は、合図を強くして解決しようとしません。
体へ手を出さず、病院や専門家に状況を伝えてください。
一度止まったことだけを、問題がない証拠にはしません。
かむ・傷がある・急に始まった時は病院へ
しっぽやお尻をかむ、皮膚が赤い、出血する、触られるのを急に嫌がる場合は、動物病院へ連絡します。
以前はしていなかった動きが始まった時も、「退屈だから」と決めて運動を足す前に相談してください。
見た目に傷がなくても、人がしっぽを持ち上げたり曲げたりして、痛む場所を探さないようにします。
犬が自分でかんでいることと、人が安全に触れることは別です。
診察前に家庭で原因を突き止めなくても構いません。

出血や強い痛み、動きの異常がある場合は、撮影や練習より受診の相談を優先してください。
体を押さえてしっぽを確認するのが危険なら、無理に触らず、そのことも病院へ伝えます。
食事や睡眠を中断するほど続く、普段の活動へ戻りにくい、繰り返す場面が増えた場合も相談の対象です。
何回、何分という数だけで病気かどうかを判定せず、いつもの生活にどんな影響があるかを伝えます。
相談に必要な数字がそろうまで待つ必要はありません。

家族が回るきっかけを作らない
回るたびに笑う、家族を呼び集める、カメラを向けるために声をかける。
人には悪気がなくても、その場面を繰り返し作る関わりになっていることがあります。
まずは、家族が同じ動きを引き出す働きかけをやめます。
これは、つらそうな犬を無視しておけばよいという意味ではありません。
けがや体調の変化には対応し、必要な食事や休息も守ります。
やめるのは、面白がってもう一度回らせることや、大勢で興奮を高める関わりです。

一周回る芸として教えることと、自分のしっぽを追って回り続けることは分けて考えます。
困っている動きを、合図で続けさせる練習へ変える必要はありません。
止まった後は、必ず遊びを足すのではなく休めるかを見る
動きが止まるたびにボール遊びを始めればよい、と一律には決めません。
犬が自分から寝床へ戻るなら、家族がまた呼び出さず、そのまま過ごせるようにします。
人が触ると再び動きが大きくなる場合も、関わりを増やし続けないことです。
落ち着いた後にも、自分の体をかむ、同じ場所を気にし続ける、食事に戻れない様子があれば、止まったことで終わりにせず病院へ伝えます。
回転の芸へ置き換えて発散させることを、この悩みへの対処にはしないでください。
生活を見直すなら、休めない場所から変える
体の状態を相談したうえで家庭の環境を整える時は、散歩や遊びを増やす前に、犬がどこで休んでいるかを見ます。
寝床が廊下にあり家族が何度も通る、同居犬が横へ入り込む、窓の外を見るたび立ち上がる。
こうした場面では、活動の不足だけを考えても、休めない条件が残ります。

来客や物音、犬同士の接触が続いていないか。
寝床を家族が何度も通っていないか。
回る時だけでなく、その前後の過ごし方も振り返ります。
たとえば、家族の通路と寝床が重なっているなら、犬が休む時に人がまたがず通れる配置を考えます。
同居犬が何度も寝床へ来るなら、犬同士が自分で解決するのを待たず、休む範囲を分けます。
変えるのは、犬が回った瞬間ではなく、落ち着いている時の部屋の使い方です。
一度に寝床も散歩も遊び方も変えると、どこが過ごしやすくなったかがわからなくなります。
暮らしの中で負担になっていそうな一場面を選び、変更後に食べる、横になる、いつもの活動をする時間が保てるかを見てください。
回る動きだけを唯一の評価にせず、生活全体で考えます。
普段の散歩や遊びは体調に合う範囲で続けますが、疲れ切るまで走らせたり、休む間もなく課題を足したりしません。
環境を変えても繰り返す、体への接触が危険になる場合は、家庭の工夫だけで抱えないでください。
しっぽ以外も含めて普段との違いを見る方法は、全身のボディランゲージを扱う記事で説明しています。

相談では、回る前後に起きたことを伝える
病院へは、いつ頃から始まったか、しっぽや皮膚をかむか、食事や休み方にも変化があるかを伝えます。
普段はしないのに急に始まったのか、以前からある動きが増えたのかも、覚えている範囲で構いません。
安全に撮れた映像があれば見せられますが、撮影のために再現させないでください。
映像がない時も、「家族の帰宅後に見た」「食事を中断していた」など実際に見えたことから相談を始められます。
原因を推測した説明より、見えた動きと生活の変化を分けて伝える方が相談しやすくなります。
診療や投薬の指示があればトレーナーにも共有し、病院の指示を変えて練習しないようにします。

トレーナーには、家の環境や人との関わり、活動と休息について相談できます。
原因を一つに決めず、まず体の状態を確認し、必要な生活の調整を進めることが大切です。
食欲や歩き方など、日常の変化を受診時に伝える準備は、こちらの記事でも整理しています。
しっぽ追いを止められるか試すより、体を傷つけず、普段の生活へ戻れることを優先してください。
家族の働きかけをそろえ、体の確認と生活の調整を並行して進めましょう。
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