バーニーズマウンテンドッグの室内飼育準備|警察犬ドッグトレーナーが動線と世話を解説

犬のしつけ
バーニーズマウンテンドッグの子犬

バーニーズマウンテンドッグと室内で暮らすなら、犬が横になる場所だけでなく、家族とすれ違う場所、散歩から帰って体を拭く場所までつなげて考えておきましょう。

子犬の時には気にならない狭さも、体が大きくなると毎日の出入りを難しくすることがあります。

例えば雨の日。

リードを持ったまま靴を脱ぎ、荷物を置き、濡れた足を拭こうとすると、狭い玄関で人と犬が動けなくなります。

そこで犬を押さえる練習を増やすより、帰宅後に犬がどこへ進み、人が何を先に片づけるかを決める方が、世話を始めやすくなります。

ここでは、成犬の体格を見越した部屋の使い方と、帰宅後の足拭きを中心に、家庭で準備したいことを説明します。

どのバーニーズにも同じ広さや練習量が合うとは限りません。

今の体の動きと、家族が続けられる世話を基準に整えていきます。

松尾 ゆうと

大きい犬では、玄関を出る、車へ乗る、体を拭くといった日常の動きが大切になります。

困ってから力で動かすより、落ち着ける場所で少しずつ教えておく方が、家族も犬も取り組みやすくなります。

犬種共通の内容です。

足拭きの前にも大切な、短い接触から慣らす考え方を紹介しています。

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帰宅した犬を、玄関の狭い場所で止め続けない

まず、扉の開く範囲、家族が靴を脱ぐ位置、犬が立つ位置を分けてみてください。

人が荷物を持ってかがむ場所と犬の通り道が重なると、足を踏む、リードが家具に引っかかる、外へ戻ろうとする犬を体で止める、といったことが起きやすくなります。

足を拭く道具は、帰宅してから取りに行かずに済む所へ。

ただし、犬がくわえて持ち出せる床や、扉を閉める邪魔になる位置には置きません。

汚れた布をいったん置く場所も決めておくと、犬の前で物を何度も拾う動きを減らせます。

足拭きをする場所は、必ずしも玄関のたたきでなくて構いません。

外へ抜け出せず、犬が滑らずに立ち、人が横へ回れる場所を家の中で探します。

敷物を使う場合は、犬が乗った時にずれず、濡れた後にも手入れできるかを確かめましょう。

一度に家族が集まると、犬が人の間を抜けたり、触る手を避けて動いたりすることもあります。

帰宅時の担当を絞り、ほかの人は通り道を空けます。

子どもに犬を抱き止めさせて、大人が足を拭くような分担にはしないでください。

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寝床は、犬が横になった後の家族の動きで選ぶ

部屋の空き面積が大きくても、寝床が廊下や扉の前をふさいでしまうと、犬は何度も動かされることになります。

寝床を置く予定の場所から、水を飲む場所、玄関へ向かう道まで、人が荷物を持って通れるかを見てみましょう。

犬が立ち上がる、向きを変える、寝る姿勢を変えるための余裕も必要です。

家具に体を当てて方向を変える、立つたびに敷物が滑るといった様子があれば、寝床そのものだけでなく、周囲の物の位置を変えてください。

新しい寝床へ来ない時は、手で引いて乗せたり、抱えて置き続けたりする前に、場所を見直します。

家族の通行が多い、玄関が見える、敷物の感触が違うなど、以前と変わった条件がないでしょうか。

元の落ち着ける場所も使えるようにしながら、犬が自分で近づける配置を探します。

階段や段差のある住まいでは、寝床から日常の世話へ移るたびに上り下りが必要にならないかも考えます。

体の動かしにくさがある場合は、家具の配置だけで解決しようとせず、移動や介助の方法を獣医師へ相談してください。

家族が毎回抱き上げる前提で決めないことが大切です。

足拭きは「その場所に来る」ところから分けて教える

帰宅するたびに捕まえて全ての足を拭く方法では、犬が足拭きの場所へ来ること自体を嫌がる場合があります。

慣らしの練習は、雨で急いでいる時とは別の、犬も人も落ち着いている時間に行います。

  1. 道具を持たず、その場所で過ごす。犬が自分から来られることを先に確かめます。食べ物をごほうびに使う場合も、奥へ誘い込んでから捕まえる流れにはしません。
  2. 布を近くに用意し、触らずに終える。布が見えた時点で離れるなら、体へ使う段階へ進めません。離れた所へ置くなど、犬が普段のように動ける状態へ戻します。
  3. 触られて平気な所へ短く手を添え、離す。いきなり足先を握らず、犬が受け入れられる接触を探します。顔をそらす、足を引く、体を固める時は手を止めます。
  4. 足先への短い接触から、布で触れる段階へ進む。体の平気な部位から足先へ進む時も、まず手で短く触れて離します。足を持ち上げる動きは別の段階にし、触れられた直後に全部拭こうとしません。手では平気でも布では難しい場合は、押さえる力を増やさず、布を近づける前の段階へ戻してください。

進める目安は、犬が動けなくなったことではありません。

足を引かずに短い接触を受け、その後も人から離れたり近づいたりできるかを見ます。

今日は一か所に触れて手を離せた、という終わり方でも構いません。

足を上げたまま我慢させ、全足を一度で仕上げることだけを目標にしないでください。

実際に汚れを落とす必要がある時は、練習が完成するまで放置するという意味ではありません。

家庭では安全に扱えない汚れや傷がある、必要な世話ができない場合は、その状態と嫌がる接触を動物病院やトリマーへ伝え、対応を相談します。

松尾 ゆうと

触れると強く嫌がる、口を向ける、急に痛がる時は、家族だけで押さえて作業を続けないでください。

体調の確認と、安全に世話をする方法を相談します。

手を止める判断に迷う時は、足だけを見ず、顔や体の動きも合わせて確かめます。

触られる前後の変化を見る基本は、こちらで説明しています。

犬のボディランゲージの読み方|警察犬ドッグトレーナーが五つの観察を解説

被毛の手入れは、家で受け持つ作業をはっきりさせる

バーニーズは体が大きく、豊かな被毛を持つ犬種です。

被毛をきれいにすることと、犬が世話を受け入れる準備は、同時に全て完成させようとしない方が進めやすくなります。

トリマーへは、家で使う道具、毛を分ける方法、確認したい部位を教わります。

表面をなでて終えるだけになっていないか、逆に一度で全身を仕上げようとして長い接触になっていないかも相談してください。

毛玉や痛みがある所を、家庭で強く引いてとかし切る必要はありません。

家で行う慣らしは、犬が立つ場所へ来る、平気な部位に触れる、道具を近づけるなど、一つの段階に絞ります。

足拭きができた直後にブラシや爪の世話まで重ねると、犬にとっては長い作業になります。

必要な処置と練習を分け、担当と順番を考えましょう。

家庭で洗う予定なら、洗える設備があることだけで判断せず、その後の乾燥まで犬と家族が無理なく対応できるかを相談します。

家でできない部分は最初からサロンへ頼んでも構いません。

押さえ込めば全部できる、という計画にしないことが、毎日の世話を続ける準備になります。

一人の力で犬を止められることを、家の安全対策にしない

二人いる日は世話ができても、普段の担当者が不在の日に同じ方法を使えるでしょうか。

玄関の扉を開ける人と犬を見る人を分けられない時も、犬が外へ直接出られない仕切りと待つ場所が必要です。

家族の誰かが体で押さえることだけに頼らず、設備と動く順番で接触を防ぎます。

別の人が担当する場合は、いきなり雨の帰宅や混雑した散歩を任せず、家の中の落ち着いた場面で、同じ場所へ来る合図や道具の扱いをそろえます。

犬が強く嫌がる作業を、担当を交代させながら繰り返すことはしないでください。

松尾 ゆうと

受診や緊急時に使う車や搬送方法も、迎える前から確かめておきます。

普段の移動を短く練習し、家族一人が不在でも世話が続けられる体制を考えましょう。

自分から移動できる時の練習と、体調不良で歩けない時の搬送は別の備えです。

受診先へ体格に対応できる方法を聞き、誰へ連絡し、誰が同行できるかも決めておきます。

安全に世話を担える大人がいない時は、家族だけで解決しようとせず、必要な排泄や受診を含めた管理から相談してください。

室内で休める場所と、外で過ごす時間を両方用意する

松尾 ゆうと

庭があっても、そこで過ごすだけで世話や運動が全て足りるわけではありません。

室内で休める環境と、気候や体調に合う散歩を両方用意しましょう。

庭で動けることは、散歩で家族と安全に歩けることと同じではありません。

首輪やハーネス、リードの適合と傷みを確かめ、家族が無理なく歩けるコースを選びます。

引かれるたびに腕力で耐える、手首へリードを巻いて持つ方法を、日常の前提にしないでください。

散歩で困っている場合は、バーニーズだから力が強いという説明だけで終えず、どこへ向かう時に難しいか、距離を取れる道があるかから考えます。

大型犬の引っ張りについて、出発前の準備と練習の考え方はこちらにまとめています。

大型犬の散歩の引っ張り対策|警察犬ドッグトレーナーが準備と練習を解説

室内の準備は、大きな用品を買いそろえることだけではありません。

犬が自分で移動でき、人が横へ回って世話をし、終わったら邪魔されず休めること。

まずは帰宅後の一連の動きから、ぶつかる場所や押さえ込みが必要になっている所を見直してみてください。

犬種共通の内容です。

足拭きの前にも大切な、短い接触から慣らす考え方を紹介しています。

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