飼い主さんが疲れていたり、イライラしていたりすると、犬のちょっとした落ち着きのなさにもムキーッとなってしまい、体罰的なしつけをしてしまった経験はありませんか?
犬への体罰は叩いたりつねるなど、暴力的な行為はもちろん、がみがみ怒鳴ったり大きな声を出すことも体罰のひとつだと考えられ、大切な愛犬に良くない影響を与えてしまう心配があるんです。
ここでは犬に体罰をするとどうなってしまうのか、意外にイメージできていなかった影響と、飼い主さんと愛犬が信頼し合った毎日を取り戻すための仲直りのコツを合わせてお話ししてみたいと思います。
目次
犬に体罰は絶対にダメ?体罰をすることでの愛犬への影響
愛犬にダメなことをダメだとしつけるシチュエーションでは、犬がなかなか飼い主さんの言うことを聞かず、イライラしてつい叩いたりつねったり、大きな声を出して怒鳴ることもあるでしょう。
愛犬への体罰に気づけずにこの対応を飼い主さんが繰り返してしまうと、犬へはもちろん飼い主さんも自己嫌悪に陥り、お互いの信頼関係にヒビが入る心配もあるんです。
犬への無闇な体罰を絶対にしない、そんな意識を早めに持っておくためにも、ここでは体罰による愛犬への影響について一緒に学んでみましょう。
飼い主さんが怖い存在だと思い、信頼関係が揺らいでしまう
怒鳴ったり大声を出して叱る、ときには強く叩いたりする行動は、今では体罰と受け取れると言っても過言ではありません。
飼い主さんが犬の気持ちに寄り添えず、自分に従わせようとして自分本位的(無闇な暴力的)なしつけや体罰を行ってしまうと、愛犬は徐々にココロを閉ざし、飼い主さんが恐怖の対象だと意識を変えてしまうリスクがあります。
また、これまで仲良く信頼関係を築いてきた飼い主さんと愛犬の理想的な関係性であっても、たった1回の無闇な体罰が愛犬にとって強烈な恐怖・大きなショック(トラウマ)となり、今までの信頼関係が崩れてしまうケースもあります。
人に対してトラウマや不信感を抱きやすくなる
飼い主さんにとって分身のような存在でもある大切な愛犬は、自分ばかりではなく周りの人にも愛される愛犬が理想的な姿なのではないでしょうか?
愛犬を叩くといった無闇な体罰を繰り返し、その悪いクセが治せないでいると、愛犬は飼い主さんばかりではなく人そのものに強い恐怖心を抱くようになり、深いトラウマとなってしまうことがあります。
犬の人に対するトラウマや不信感は、飼い主さんばかりではなくその他の人にも同じような思いを抱いてしまう可能性があるため、来客や散歩時に他の人に会ったシチュエーションなどでも噛みつく・吠えるなどの問題行動が起きやすくなってしまうのです。
攻撃的な性格に変わってしまう
犬は本来、とても従順で素直、人間が大好きな生き物でもあります。
ですが飼い主さんが頻繁に体罰をとってしまうと、犬は、
注意ポイント
- 「人間は怖いもの」
- 「体罰の危険から身を守らなければ」
- 「さまざまな環境に対する恐怖」
- 「ストレスに対する攻撃」
と意識が変わり、比較的穏やかな犬でも性格が変わって攻撃的もしくは、極度に萎縮してしまうことがあります。
犬が攻撃的になると、飼い主さんのケガのリスクが高まったり、体罰によって犬にケガをさせてしまうリスクが高まるなど、百害あって一利なしと言ってもよいほど無闇な体罰は絶対にしてはいけない行動なのです。
犬に体罰をしてしまったらすぐに反省!仲直りするためのコツを解説
これまでは、犬への体罰のボーダーラインが難しいと悩んでいた飼い主さんも、これまでにお伝えしてきた情報で、体罰だと判断できる問題行動が理解できたのではないでしょうか?
人間も感情のコントロールが難しくなるのはよくありますが、ここでは万が一無闇な体罰をしてしまった後、早めに愛犬と仲直りをするためのコツを解説。
体罰をしてしまったらまずはしっかりと反省し、仲直りのコツをクリアして愛犬との信頼関係を早めに取り戻してくださいね。
犬のニーズを満たすための環境整備、接し方を見直していく
愛犬が飼い主さんの言うことをなかなか聞かないのは、愛犬のニーズが満たされていないことも原因のひとつ。
ポイント
- フードの量が足りない、美味しいと感じていない(空腹状態、生理的欲求が満たされていない)
- ケージやハウスでリラックスできない(環境への不信感)
- 遊びや散歩の時間に満足できていない(運動不足、ストレスの発散不足)
- 愛犬の性格に合っていない、間違った接し方を慢性的にしてしまっている
といった原因を見つめなおしながら、犬が本能的に安心感を覚え、精神的、身体的に満足させるための環境の設備、コミュニケーションの時間を見直して改善していくようにしましょう。
褒め言葉をたくさんかけてあげること
犬は飼い主さんが思っている以上に、人間の言葉や行動に敏感で、褒められている時・怒られている時の判断ができる賢さがあります。
犬は飼い主さんに褒められることを何よりも求め、嬉しい行動だと感じているため、何かを教えるしつけのシチュエーションでは、
ポイント
- 犬が上手にできたことに対して思いっきり褒めてあげる
- 犬が間違った行動をした際は、過度なストレスにならないように端的に叱る
- 叱らなくてもいいような接し方、環境的な整備をしてあげる
という意識を持つようにしましょう。
褒め言葉を増やし、やわらかな口調を心がけるだけでも愛犬は安心し、良いこととダメなことを区別を学び、身につけるようになっていきます。
おわりに
犬への無闇な体罰を絶対にしてはいけない理由、痛感できる部分がいくつもあったのではないでしょうか?
犬のしつけはその内容にかかわらず、「褒める」(認める)ことが第一の条件になるため、愛犬と楽しい毎日を送り続けるためにも、体罰の影響と正しい接し方をもう一度復習しておいてくださいね。