犬と子どもが暮らす家庭のルール|警察犬ドッグトレーナーが安全な見守りを解説

子どもと犬が一緒にくつろぐ姿を見たい。
そのために先に用意したいのは、触れ合いの練習よりも、大人が見守れる時間と、離れて過ごせる場所です。
普段穏やかな犬でも、幼い子どもと二人きりにはしません。
犬が我慢できるか、子どもが約束を守れるかだけに、安全を任せないでください。
家族の一日を思い浮かべ、料理、電話、来客などで大人の注意が外れる時の分け方から考えます。

「優しい犬だから大丈夫」で任せず、大人が見守ってください。
料理や電話で目を離す時は、その前に場所を分けます。
犬にも子どもにも、我慢だけで安全を守ってもらわないようにしましょう。
窓の外を通る子どもの姿や声に反応する時の、環境調整を扱う短い動画です。
犬と子どもを近づける練習を勧めるものではありません。
公式動画|子どもの声に反応する時の環境づくりサムネイルをタップしてYouTubeで見る
見守る人を決め、離れる前に引き継ぐ
同じ部屋に大人がいても、仕事や家事に集中していれば、犬が顔をそらしたことや、子どもが寝床へ近づいたことを見落とす場合があります。
見守りは、必要な時に関わりを止められる大人が、接触へ注意を向けている状態です。
家族で過ごす時も、誰かが見ているだろうと曖昧にしません。
担当が電話へ出るなら、別の大人へ声をかけ、引き受けてもらってから離れます。
引き継げない時は、その前に犬と子どもが接触できない場所へ分けます。
たとえば料理を始める前に、子どもが遊ぶ場所と犬が休む場所を分け、どちらにも必要な物を用意します。
火を使ってから、犬を抱きながら子どもへ注意する流れにならないようにするためです。
犬を分ける時も、水や休息が保てる場所を用意し、罰として閉じ込める扱いにはしません。

ゲートを使う場合も、子どもが開ける、犬が越える、隙間から手を入れるといったことが起きないかを確認します。
説明だけで守れると考えず、扉や家具の配置も使って防ぎましょう。
ゲートの向こうへ子どもが手を入れるなら、見える境界があるだけで接触防止にはなっていません。
子どもが開けられる扉、犬が越えられる柵、足場になる家具も含め、大人が設備を見直します。
犬や子どもを近づけて耐えられるか試す方法は避けてください。
「優しくして」ではなく、実際の動きで伝える
犬を大切にしたい気持ちがあっても、幼い子どもには、どの動きが負担になるのかわからないことがあります。
「寝床へ入ったら追わない」「口に物がある時は近づかない」「触る時は大人と一緒」と、場面ごとの言葉にします。
説明したら守れる、とも決めません。
子どもが犬を追いかけそうな時は、大人がその動きを止めます。
犬にも、逃げるために子どもの前を走り抜けなくて済む場所を残します。

大人も、犬が逃げた後に追いかけて触ることをしないでください。
子どもへ言うだけでなく、同じ接し方を見せることが必要です。
犬が近くに来ても、顔を近づけない
においを嗅ぎに来たことと、抱きつかれたいことは別です。
顔をのぞく、上から抱きつく、背中へ乗る、耳やしっぽを引く行動は、大人が止めてください。
愛情表現だからと、犬に受け入れさせる必要はありません。
大人が見守りながら触れ合う時も、触り続けずいったん手を止め、犬が離れられるようにします。
体を引く、顔をそらす、固まる様子があれば接触を終えます。
近くに残ったからと、すぐ触り直して反応を試しません。

動かないことだけを、喜んでいる証拠にはしません。
犬が嫌がるまで続けて、その限界を子どもに覚えさせる必要はありません。
しっぽや表情だけに頼らず全身を見る方法は、ボディランゲージの記事で紹介しています。
ただし、サインを学んだことが、大人の見守りを省く理由にはなりません。

食事と寝床は、子どもが関わらない時間を作る
食事、おやつ、ガム、おもちゃを使う時は、犬と子どもを分けて過ごさせます。
子どもが器の横を通れる配置で「触らないで」と繰り返すより、食べ物へ近づけない場所を大人が先に整えます。
器を置く、回収する、床の食べ物を片づけるといった役も、大人が犬の状態を見て行います。
犬の口から物を取らせたり、食器を取り上げさせたりして慣らす方法は使いません。
子どもが落とした物に犬が近づいた場合も、取り返す役を子どもへ任せないでください。
犬が寝床へ戻ったら、子どもが続いて入らないようにします。
寝床を、触られるのを避けて休める場所として扱いましょう。
犬を呼び出して遊ばせるのではなく、子どもの遊ぶ場所を別に用意します。
食事や物へ近づくと犬が体を固める場合は、取り上げて試さず、安全な管理を相談してください。
食器を守る場面は、こちらの記事で詳しく解説しています。
世話を手伝いたい気持ちは、犬へ触れない仕事に生かす
子どもがお世話をしたがる時、犬を従わせる役にする必要はありません。
犬が別の場所にいる間に用品を準備する、使う道具を大人へ渡す、犬のいない場所の玩具を片づけるなど、その子の年齢に合う手伝いを選べます。
犬がいる寝床の交換、嫌がる体を押さえる、口にある物を取るといった仕事は任せません。
「世話をしたから触ってもよい」という交換条件にもせず、手伝うことと接触の安全を分けて考えます。
引っ張る犬のリードを子どもだけに持たせないでください。
転倒したり、手を離してしまったりする危険があります。
散歩を手伝う場合も、犬の反応と場所を踏まえ、大人が管理責任を持ちます。
子どもと犬の上下関係を作ることを目標にしないようにしましょう。
帰宅して走る時や、友だちが来る日は先に分ける
帰宅直後の子どもが走り出す、友だちと声を上げて遊ぶ。
犬にとっては、家族と静かに過ごす時とは違う状況です。
走る子を追う様子があるなら、実際に走らせて慣らそうとせず、最初から接触できない範囲で過ごさせます。
友だちが遊びに来る日も、全員と挨拶させる予定にしません。
犬が別室で休めるようにし、子どもたちが勝手に扉を開けないよう、大人が出入りを管理します。
家のルールを知らない来客がいる時ほど、「うちの子は慣れているから」という判断は使えません。
外を通る子どもの姿や声で吠えるなら、窓際で見続ける配置を変え、カーテンなどで外の姿が見えにくい条件を作る方法があります。
室内で子どもが遊ぶ時も、犬が休む場所をそのすぐ隣にせず、落ち着いて過ごせる位置へ分けます。
静かになったことだけを理由に、子どもへ近づけて反応を試さないでください。

赤ちゃんを迎える準備は、世話の担当と部屋の使い方から
ベビーベッドを置く場所だけでなく、犬の休息場所、散歩や食事の担当、赤ちゃんの世話で手が離せない時の分け方を前もって考えます。
犬の用品を動かす必要がある場合も、どこで眠り、水を飲めるかを残します。

反応を見るために赤ちゃんを犬へ近づけたり、床で横に寝かせたりしないでください。
泣き声などに慣れても、実際の接触の安全が保証されるわけではありません。
赤ちゃんと犬を二人きりにせず、大人が注意を向けられない時は接触を防ぎます。
犬が静かにしていることや、泣き声を聞いた経験だけで、顔を近づける安全が確かめられたとは考えないでください。
唸る・口を向ける反応があったら、仲直りの接触をさせない

子どもへ唸る、口を向ける、走る子を追いかける様子がある場合は、接触を防げる管理へ戻します。
犬を押さえつけたり、子どもに叱らせたりしないでください。
まず大人が安全に分け、同じ場面を繰り返さない管理を続けます。
子どもからおやつを渡させる、もう一度触らせて平気だと教える、子どもに犬を叱らせることはしません。
相談時は、子どもが何をしていたか、犬がどこにいたか、大人がどう分けたかを、実際に起きた範囲で伝えます。
映像を撮るために再現させないでください。
急な反応の変化や痛みが疑われる場合は、動物病院にも相談します。
仲よく触れ合う時間の長さより、互いの食事・休息・遊びが邪魔されない暮らしを目指しましょう。
接触をしない時間を作ることも、家族が安全を守るための世話です。
窓の外を通る子どもの姿や声に反応する時の、環境調整を扱う短い動画です。
犬と子どもを近づける練習を勧めるものではありません。
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