愛犬を亡くしたつらさを一人で抱えないために|警察犬ドッグトレーナーが伝えたいこと

犬のしつけ
犬と静かに過ごす人

食器を出す時間になると、いつもの場所を見てしまう。

散歩の支度がいらなくなったことに、急に寂しくなる。

愛犬を亡くした後は、暮らしの中の何気ない場面がつらく感じられることがあります。

家族は写真を飾りたいと言うけれど、自分はまだ見られない。

話をしたいのに、励まされると苦しくなる。

悲しみ方を周りに合わせることも、今すぐ気持ちを整理することも、求められるものではありません。

この記事では、その日の負担を減らし、助けが必要な時に一人で抱えないための関わり方を考えます。

松尾 ゆうと

愛犬との時間は、それぞれのご家庭にしかないものです。

周りの人と比べて、早く立ち直らなければと急がないでください。

話したい時に話せる相手がいることも、大切な支えになります。

見られそうな方へ、愛犬との別れについて話す公式動画を添えています。

再生することは必須ではありません。

今は文章だけ読みたい方は、そのまま読み進めてください。

愛犬との別れについて、ゆうと先生が話す公式動画のサムネイル愛犬との別れについて、ゆうと先生が話す公式動画サムネイルをタップしてYouTubeで見る

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いつもの世話の時間が空いてしまった時

食事や散歩のために動いていた時間が急に空くと、何をしたらよいかわからなくなることがあります。

その時間を、すぐ別の用事で埋めなくても構いません。

外へ出たい日は出る、写真を見るのがつらい日は見ないなど、その日に受け入れられる過ごし方を選んでください。

何かを始める時も、愛犬のための意味を見つけたり、前向きな目標に結びつけたりしなくて大丈夫です。

家事を一つだけ済ませる、誰かと食事をするなど、生活の中で必要なことを支えてもらう選び方もあります。

つらさを説明する力が出ない時は、全部の経緯を話してから助けを頼む必要はありません。

たとえば「買い物を頼みたい」「今日は夕食を一緒に取ってほしい」と、手伝ってほしい用事だけを伝えることもできます。

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家族と違う反応をしていても、愛情の違いにしない

同じ犬と暮らした家族でも、よく話す人、言葉が出ない人、普段の用事を先にする人がいます。

泣いていないから平気、写真を見ないから大切にしていなかった、とは決めないようにしましょう。

自分と違う反応を見ること自体がつらい場合は、同じ行動を求めるより、共有する場所で何をするかを相談します。

写真を飾る場所、話題にするタイミングなど、今の負担に関係することから決められます。

松尾 ゆうと

周囲から「いつまでも悲しんでいては」と言われても、その言葉に合わせて無理に振る舞う必要はありません。

自分が今、何を受け止められるかを大切にしてください。

食器や寝床は、勝手に片づけず相談する

片づけたい人には、目に入るたび苦しくなる事情があるかもしれません。

残したい人にも、まだそのまま置いておきたい気持ちがあります。

どちらかが正しいと決め、確認なしに捨てたり譲ったりしないでください。

すべてを一度に決めず、共有の場所から一時的に移す、判断できない物は保管するなど、今できる範囲を話し合えます。

「今日はまだ触らないでほしい」「この物だけは自分で決めたい」と伝えても構いません。

片づけた数を、立ち直った度合いにしないことです。

室内に立つ茶色のプードル

話したい時は、聞いてほしいのか、助けてほしいのかを伝える

相談したら「元気を出して」と言われ、かえって話せなくなることがあります。

相手は励ますつもりでも、今求めているものと違うのかもしれません。

言えそうであれば、「今日は思い出を聞いてほしい」「答えを出さず、少し一緒にいてほしい」と、してほしいことを伝えます。

反対に、詳しく聞かれるのが負担な日は、「今はその話をするのがつらい」と区切ってよいのです。

一度話し始めたから最後まで説明しなければならない、ということもありません。

話す内容と、今日は話さない内容を、自分で選べます。

身近な人に話しにくい時は、かかりつけの動物病院へ相談先を尋ねる方法もあります。

病気や最期の経過にわからない点が残る場合も、説明を聞けるか相談できます。

経過について説明を聞くことと、つらさを支えてもらうことは、別々に相談してもかまいません。

相談サービスは、誰が何をしてくれる場所かで選ぶ

話を聞く支援と、診断や治療を行う医療では役割が異なります。

申し込む前に、担当者の専門領域や資格、扱う相談内容、費用、対面かオンラインかを見ます。

秘密の扱いや、途中で利用をやめたい時の条件も、気になるなら尋ねて構いません。

「ここへ行けば必ず気持ちが変わる」という期待だけで決めず、今困っていることを扱う相手かを確かめてください。

話すことが負担になっている時は、どこまで説明するかから相談できます。

松尾 ゆうと

話したくないことまで、最初から全部説明する必要はありません。

相談してみて合わないと感じたら、別の相手や方法を探してもよいでしょう。

支える人は、元気にする言葉より相手の希望を聞く

家族や友人を励ましたくても、「また飼えばいい」「十分長生きした」と結論を先に渡すことは避けましょう。

相手が思い出を話した時も、自分の経験へ話を移したり、すぐ助言に変えたりせず、その話を聞きます。

何が必要かわからなければ、「話を聞くのと、用事を手伝うのと、今はどちらがよい?」と尋ねる方法があります。

相手が答えられない時は、急いで選ばせず、また連絡してよいかなど、受け入れられる関わり方を相談します。

食事の準備や必要な連絡を手伝う場合も、どこまでしてよいかを先に聞きます。

よかれと思って愛犬の物を処分する、写真を整理する、新しい犬を贈るといった行為は、相手の判断を奪うことになります。

子どもの言葉も、大人の答えへ急がせない

子どもが同じ質問をしたり、急に思い出を話したりした時も、今はその話をしたいのだと受け取ります。

大人がつらくて答えられない時は、別の家族に聞いてもらうなど、支える側も一人で引き受けなくて構いません。

松尾 ゆうと

子どもが悲しんでいる時も、質問や思い出話を急いで終わらせないようにします。

大人と同じ反応を求めず、家族で受け止められる時間を作ってください。

ポメラニアンの顔のアップ

後悔や、次の犬を迎えるかという迷いがある時

「もっと早く気づけば」「別の選択をしていれば」と考えても、今ここで良い結論を出す必要はありません。

思い出を感謝の言葉にまとめることや、毎日何かを書くことが負担なら、取り組まなくて大丈夫です。

次の犬を迎える話も、悲しさを消すための解決策として急がないようにします。

自分は会いに行きたいけれど家族はまだ考えられない、という時は、今決めることと、後で話せることを分けます。

世話を続けられる生活の準備も、気持ちとは別に考える必要があります。

松尾 ゆうと

次の犬を迎えることも、すぐに決める必要はありません。

寂しさを埋めるために急がず、家族の気持ちと、世話を続けられる生活を改めて考えましょう。

食事や睡眠、仕事などに支障がある時は医療にも相談する

眠れない、食べられない、仕事や生活を続けられないほどつらい時は、一人で耐え続けず、人の医療機関などへ相談してください。

犬を亡くしたことで相談してよいのかと、遠慮する必要はありません。

しつけ教室は、悲しみの診断や治療をする場所ではありません。

周囲に話せたことだけで専門的な支援は不要と決めず、今の生活への影響を伝え、その状態に合う助けを求めてください。

現在シニア犬と暮らしていて、これからの生活環境や日々の世話を知りたい方には、ケアを扱う記事もあります。

今のつらさの解決や、別れへの準備を強制するものではありません。

シニア犬の暮らしとケア|警察犬ドッグトレーナーが環境と接し方を解説

松尾 ゆうと

早く元気になることを目標にせず、今日のつらさを一人で抱えないことから。

愛犬を大切に思う気持ちと、ご自身の生活の両方を大切にしてください。

動画を見たいと思えた時には、こちらから開けます。

今は再生せず、読むことを終えても構いません。

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