犬を飼う際に、かわいそうな環境下で育った保護犬を迎え入れようと考えることはよくあるのではないでしょうか?
保護犬は保護されている環境面から、正しく適切なしつけがされていないことも多く、ペットショップなどで売られている犬に比べると、デリケートで新しい環境に馴染めない繊細さがあります。
ここではそんな保護犬を迎え入れた際に、愛犬と飼い主さんが安心して暮らすことができるよう、基本的なしつけの方法と注意点を合わせて解説!
デリケートだった保護犬が、徐々に犬らしい明るさと活発さを取り戻す、適切なしつけと注意点を一緒に学んでみましょう。
目次
保護犬を迎え入れた際の適切なしつけ【トイレ・おすわり・吠えグセのポイント】
保護犬を迎え入れた際は、飼い主さんと愛犬の信頼関係を育てつつ、保護犬が安心して暮らすために必要なしつけを早い段階でしておくことがポイントになります。
ここでは保護犬を迎え入れた際に、すぐに始めておくべきしつけの基本、トイレやおすわり、吠えグセがある際のしつけのやり方について解説してみたいと思います。
保護犬のトイレのしつけ
保護犬はこれまで野生の状態であり、外敵に自分の居場所を知られないために、寝床から離れた場所に排泄する習性があると考えられています。
保護犬を迎え入れた際のトイレのしつけは、野生の犬の習性に考慮して、寝床とトイレを離れた場所に置くようにしましょう。
また保護犬は、これまで長い期間ケージやハウスに閉じ込められた環境下にあったため、そのまわりに排泄物を垂れ流してしまう環境が日常だったと言えます。
保護犬に寝床とトイレが離れた場所でのしつけをしても、その習性が当てはまらないケースも少なくはないため、臨機応変にケージの中やハウスの近くにトイレを置くことも合わせて考慮しておくようにしましょう。
保護犬のおすわりのしつけ
保護犬のおすわりのしつけは、噛み癖や吠えグセ、落ち着くなく動き回って万が一の怪我などを防ぐために欠かせないしつけになります。
犬のしつけは意味付けがとても重要だと考えられているため、保護犬がおすわりを覚えると、良いこと・楽しいことがあるのだと認識させるよう、しつけを進めてみましょう。
おすわりを教える際には、
ポイント
- 愛犬が安心する環境を用意すること
- おすわりを教えながらおすわりしやすいよう、お尻の部分をやさしく撫ででしつけること
- 犬の顔を上にあげること(犬は頭が上がるとお尻が下がる体の構造になっているため)
がポイントになり、少しずつおすわりができるようになったら、おもちゃやおやつを与えて思いっきり褒めてあげましょう。
このしつけの繰り返しで保護犬は、お尻を床につけておすわりする態勢が、何か良いこと・楽しいことにつながると学びやすくなり、おすわりのコマンドにも上手に反応できるようになります。
保護犬の吠えグセのしつけ
デリケートになっている保護犬は、新しい環境に身を置かれると、本来引き出されやすい興味よりも、警戒や不安、恐怖の思いを強く抱くことがあります。
保護犬が不安感によって長時間吠え続けたり、特に何もしていないシチュエーションでも常に吠えるクセがある場合は、恐怖や不安から愛犬を守る環境を作って安心させることも重要。
保護犬が吠えてしまうのは、外の些細な雑音や生活する上での音、大きな家具などがあるため、それらの不安要素を取り除く声がけを合わせたしつけを根気よく続けてみましょう。
保護犬が成犬の場合に必要なしつけ
家族の一員として保護犬を迎え入れる際、その犬が成犬だった場合は、保護されている過程ですでにしつけができているケースもめずらしくはないんです。
ただそれでも、保護犬は新しい環境に興味よりも不安を覚えてしまう傾向にあるため、その成犬の性格をあらかじめヒアリングし、性格や嗜好に合わせたしつけの方法と対策を立てるようにしましょう。
成犬の保護犬ばかりではなく、家族の一員として迎え入れる際には、これまで保護されていた担当の人に、どんな性格・しつけがなされてきたのか、相談やヒアリングを取っておくことも今後のしつけに役立ちますよ。
保護犬のしつけで注意しておきたいこと
保護犬のしつけは、どれだけ人間の社会に適応できるかが、愛犬と飼い主さんに安心の環境と暮らしをもたらす最大のポイントになります。
良かれと思ってやっていた保護犬のしつけげ実は間違っていることも決して少なくはないため、しつけで注意しておきたいことを一緒に押さえておきましょう。
新しい環境に慣れさせることが第一優先
人間と同じように、保護犬も過去の経験やそれぞれの性格の違いがあるため、もともと順応力がある犬でも、すんなりと新しい環境に馴染めないケースがあります。
そのため、
ポイント
- 保護犬が不安に感じるのはどのような点なのか?
- 逆に安心してゆっくりくつろげるのはどんなシーン・場所なのか?
をじっくりと観察し、環境に馴染むまでの時間には個体差があるのだと、決して焦らずにコツコツとしつけを行うようにしましょう。
スキンシップと褒め言葉を
保護犬は孤独な環境に置かれていたことも多く、人間との触れ合いに慣れていない、恐怖を感じることもめずらしくはありません。
飼い主さんと一緒にいることが一番に安心だと愛犬に思ってもらうことができるよう、少しずつ愛犬と触れ合う時間を増やし、愛犬が心地よく目を細めたり、ため息のような呼吸をして安心しやすいカラダの部位を繰り返しやさしく撫で、スキンシップと褒める言葉をかけてのしつけを積み重ねてくださいね。
まとめ
捨てられたり虐待などの辛い経験をしてきた保護犬だからこそ、飼い主さんの深く揺るぎない愛情と褒めるしつけは、愛犬本来の素直さと好奇心旺盛さ、活発さを引き出すきっかけになることでしょう。