犬が唸る・噛むときの対処法|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬のしつけ
犬が噛んだ時に避けたい対応|東京DOGS公式動画のサムネイル

犬が唸ったり噛もうとしたりしたら、叱って止めようとする前に、その場の接触をやめてください。

松尾 ゆうと

安全に離れられる時は、人が距離を取り、設置済みの扉やゲートで空間を分けます。

犬を抱き上げる、口元へ手を出す、首輪をつかんで移動させるといった動きは避けます。

唸る声だけでは、遊びなのか、触られたくないのか、物を守っているのかは分かりません。

食事中だったのか、休んでいるところに触ったのか。

直前の出来事を振り返り、同じ場面でまた噛まれないように接し方を見直します。

すでに噛まれたことがある場合は、家庭で試す練習を増やさず、噛む行動に対応できる専門家へ相談してください。

急に触られるのを嫌がるなど、普段と違う変化があれば、獣医師にも伝えます。

噛む場面で避けたい対応と、日常の環境・接し方を紹介する東京DOGSの動画です。

すでに噛まれたことがある場合は、家庭で接触を試さず、専門家と対応を決めてください。

この記事の目次
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犬が唸る原因は、直前の状況から考える

「近づいただけで唸った」と感じても、犬は寝ていたかもしれません。

そばに食器があった、おもちゃをくわえていた、抱っこするために手を伸ばした。

こうした違いで対応が変わります。

反応を確かめるために、同じ場面をもう一度つくらないでください。

思い出せる範囲で、場所、相手、触ろうとした部位、犬が持っていた物をメモします。

唸った場面 振り返ること 当面の対応
人や犬が近づいた 相手との距離、逃げられる場所があったか 近づけず、距離を取る
食器やおもちゃに手を伸ばした 何を持っていたか、誰が近づいたか 取り上げたり、口から引き抜いたりしない
寝ている時や、触ろうとした時 休んでいたか、普段と違う様子がないか 接触をやめる。急な変化は獣医師へ伝える
引っ張りっこなどの遊び中 物を守る反応や、人の手への噛みつきが混ざっていないか 声だけで決めず、遊びを続けるか見直す

一度噛まなかったことだけで、その後も安全とは判断できません。

声が出ていなくても、体が固い、口元を向ける、離れようとする反応があれば、接触を続けないでください。

接触練習は、犬の状態と家での生活を確認した専門家と進めます。

一度噛まなかったことを、その後も噛まないという保証にしないでください。

警戒して唸る時は、相手や音との距離を変える

散歩で人や犬を見て唸るなら、そのまま近づいて慣らそうとせず、すれ違う場所や時間、コースを見直します。

犬が逃げ場を失う狭い通路で立ち止まり、相手が通るまで我慢させる必要はありません。

家では、窓の外を見るたびに反応するのか、工事の音が聞こえる時なのかを分けて考えます。

窓際から休む場所を移す、カーテンを閉めるなど、反応するきっかけを減らす方法があります。

距離を取って声が止まっても、それだけで苦手意識がなくなったとは判断しません。

体が固い、相手をじっと見続ける、動かなくなるといった様子があれば、そこで近づける練習はやめます。

唸るまで待たず、次はその状況になる前に距離を取れるようにしておきましょう。

遊び中の唸りは、興奮と物を守る反応を分けて見る

松尾 ゆうと

引っ張りっこで声が出ることと、人が近づくとおもちゃを守って唸ることは、同じではありません。

遊びを続けたがっているように見えても、手を近づけると体を固くする、口元を向けてくる場合は、取り上げて確かめないでください。

手を噛む、衣服を引っ張るなど、遊び方が激しくなっている時は、さらに盛り上げず休憩に切り替えます。

眠る時間を確保できているか、遊ぶ時間が長くなりすぎていないかも振り返ります。

遊びや散歩の時間を見直すのは、日常を整える一つの方法です。

ただ、唸る・噛む原因をすべて運動不足と決めつけることはできません。

触られるのが苦手な犬に運動を増やしても、接触への不安や体の不調への対応にはなりません。

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犬が噛む場面に合わせて、接し方を見直す

子犬が遊びの中で手を口に入れること、休んでいる犬に触って噛まれること、食器に近づいて噛まれること。

それぞれ、見直す場面が違います。

「噛む犬のしつけ」とひとまとめにして、同じ方法を当てはめないでください。

次のような場合は、接触の練習を家庭だけで進めず、噛む行動の相談に対応する専門家へ状況を伝えます。

  • すでに人に傷がつく噛みつきがある
  • 手を近づけるだけで唸る、口を向ける
  • 首輪やハーネスを着け外しできない
  • 子どもや家族に噛む危険がある

急に噛むようになった、いつもできていた抱っこやお手入れを嫌がるようになった場合は、体の不調も含めて獣医師へ伝えてください。

痛む場所を探そうとして、嫌がる部位を触って確認しないでください。

眠っている時や、触られたくない時に無理に構わない

寝ている犬を急に抱き上げる、顔を近づける、おもちゃをくわえている口元に手を出す。

飼い主にとって何気ない動きでも、犬が嫌がる場面があります。

休む場所では触らずに過ごせるようにし、子どもが入り込まない配置や仕切りを考えます。

犬を追いかけてケージに押し込むのではなく、普段から休める場所を用意しておきます。

子どもに唸る・噛む様子がある場合は、同じ場所で触れ合わせないようにします。

大人がそばにいるだけで安全とは決めず、専門家と今後の接し方を相談してください。

すでに手に噛みつく犬へ、おやつを持った手を近づけたり、食べている間に触ったりする練習を自己判断で始めないでください。

必要なお手入れをできず困っている時も、無理に押さえて済ませず、獣医師や専門家に状況を伝えます。

叱って止めるより、噛まずに過ごせる状況をつくる

強く叱る、叩く、体を押さえつける方法は避けてください。

声が止まっても、嫌がっていた理由までなくなったとは限りません。

唸る反応だけを抑えようとすると、噛む危険を見落とすことがあります。

噛む前に、必ず唸るとは限りません。

「唸っていないから触っても大丈夫」と決めず、すでに噛まれた場面では接触を避けてください。

噛まずに過ごせる状況を整えたうえで、犬ができた行動を褒めます。

例えば、刺激の少ない場所で合図に応じられた時や、自分から休む場所へ戻れた時です。

苦手なもののそばで我慢を続けさせる練習とは分けてください。

食事中に近づかない、休んでいる時に触らない。

家族のうち一人だけが避けるのではなく、触らない場面を共有しておきます。

来客にも、犬に手を出したり顔を近づけたりしないよう、先に伝えてください。

噛まれないためにその場を離れることと、何も対策せず同じ状況を繰り返すことは別です。

「引いたら負け」と考えて接触を続ける必要はありません。

噛まれた時は、合図を出すより安全確保を優先する

噛まれた瞬間にリードを引く、叱る、おすわり・まてを繰り返す対応は勧めません。

興奮が高い時や、触られることを嫌がっている時に、合図だけで止めようとしないでください。

口元へさらに手を出したり、犬を抱えて移動させたりせず、人と犬が近づかない状態を確保します。

人と犬を安全に分けてから、傷への対応を優先します。

皮膚が破れた場合は、傷を流水でよく洗い、速やかに医療機関へ相談してください。

傷が深い・大きい、出血が多い場合は、すぐに受診します。

日本創傷外科学会の咬傷の案内でも、洗浄と早めの受診を勧めています。

落ち着いた後も、その日のうちに同じ場面を試して改善を確認する必要はありません。

犬に近づかずに過ごせる環境を先に整えます。

相談するときは、「突然噛んだ」だけでなく、分かる範囲で次のことを伝えてください。

  • 直前にしていたこと:食事、休息、首輪の着け外し、お手入れなど
  • 人が近づいた位置や動き:そばを通った、手を伸ばした、抱こうとしたなど
  • 噛む前と後の犬の様子:体が固くなった、口を向けた、離れた後の様子など
  • 噛まれたことがあるか、人に傷がついたか
  • いつから起きているか、体調や生活に変化があったか
  • 近づかずにできる世話と、できずに困っている世話

覚えていない部分は「分からない」で構いません。

動画を撮るために同じ場面を再現せず、すでにある記録があれば相談先に見せます。

おすわり・まては、落ち着いた状況で教える基本の練習です。

噛みつきを止めるために、その場で強制する合図とは分けて考えてください。

唸る・噛む行動が起きる前の環境を見直す

松尾 ゆうと

唸る声を消すことだけを目標にすると、犬が嫌がる場面は変わらないままです。

休む場所に人が入らないようにする、食事中の接触を避ける、散歩のすれ違い方を変える。

直前に何が起きていたかに合わせて、生活の中で変えられる点を探します。

まず、噛まれた場面を家族で共有し、同じ接触を繰り返さないようにしてください。

人の傷は医療機関へ、急な行動の変化は獣医師へ相談します。

接触の練習を始める前に、噛む行動に対応する専門家と進め方を決めましょう。

すでに人が噛まれた場合は、飼い犬に噛まれた直後の手当てと相談先を確認してください。

傷の対応は、行動の原因探しや当社への相談より先です。

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