犬が散歩で引っ張る時の練習|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬のしつけ
屋外で待つ犬

散歩へ出ると、愛犬が前へ前へと進み、リードが張ってしまう。

ゆっくり歩きたいのに追いつくことで精いっぱいになると、散歩そのものが負担になりますよね。

歩く練習では、引っ張ったときの注意だけでなく、リードがゆるんで一緒に動けた瞬間を褒めます。

最初から長く歩かせず、安全で静かな場所の一歩から教えていきましょう。

この記事では、練習前の準備と5つの手順を紹介します。

基本を試しても変わらない時は、末尾の関連記事で、練習場所や褒め方なども見直してみてください。

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練習してよい状態か、最初に確かめる

引っ張る理由は、行きたい場所への期待だけではありません。

怖い音や犬から離れたい、装具が気になる、体調に変化がある場合も考えます。

引っ張った直前に何が起きたか、どちらへ進もうとしたかを見てください。

急に歩き方が変わった、足をかばう、咳が出る、装具を着けるのを急に嫌がる場合は、練習をやめて獣医師へ相談します。

呼吸が苦しそう、ふらつくなどの異変があるときは、速やかに動物病院へ連絡してください。

突進や飛び出しがあり、飼い主が安全に保持できない場合も、一人で歩行練習を続けないでください。

実際の犬と飼い主の動きを見られる専門家に、道具の選び方と、どこをどう歩くかを相談しましょう。

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歩く前の準備|道具と出発の流れを整える

体に合い、傷みのない装具を使う

首輪・ハーネスは製品の説明に沿って装着し、擦れや緩み、留め具の傷みを確認します。

犬の健康状態や体格によって合うものは違うため、首輪とハーネスの優劣を一律に決めないでください。

痛みや締めつけで引っ張りを止める道具を、練習の代わりにしません。

リードの長さも、短く張り続けるのではなく、周囲へ届かない安全な範囲でゆるみを作れるよう調整します。

手や指にリードを巻きつけず、保持に不安があれば対面で扱い方を確認してください。

車道や人通りのある場所で、伸縮リードを長く伸ばしたまま練習しないようにします。

玄関からの飛び出しを試さない

松尾 ゆうと

道具を見ただけで走り回る場合は、装着、玄関へ向かう、外へ出る流れを分けます。

落ち着いた室内で短く装具に慣れる練習もできますが、嫌がる犬を追いかけて着ける方法は避けましょう。

扉を開けたまま待てるかを試すのではなく、犬が扉へ届かない区画を用意し、装具と周囲の安全を確認して出発します。

集合住宅の共用部では練習を長引かせず、通行を優先してください。

引っ張らずに歩く練習の5ステップ

1.静かで安全に立ち止まれる場所を選ぶ

まずは、室内など落ち着いて過ごせる場所で始めましょう。

屋外へ移るときも、広さより、人や犬が次々に近づかず、安全に距離を取れることを優先してください。

周りを見た後にこちらも気にかけられるか、体が固まったり逃げようとしたりしていないかを見てみましょう。

食べ物を食べられることだけで安心と判断せず、全体の様子を確かめます。

2.自分から近くへ来たところを褒める

犬が無理なく立てる位置で、飼い主も近くに立ちます。

自分からそばへ来てくれたら、穏やかに声をかけたり、好きなご褒美を渡したりして伝えましょう。

松尾 ゆうと

まだ合図を知らないうちから、何度も「ついて」と呼ぶ必要はありません。

まず近くにいる行動を教えます。

体の向きや立つ位置は、犬の体格と、飼い主が安全に動ける形に合わせましょう。

3.一歩動き、リードがゆるんでいたら褒める

人が一歩動き、犬も一緒に動いてリードがゆるんでいたら、その場で短く褒めます。

最初の目標は、公園まで横について歩くことではありません。

食べ物を渡す場合は、安全に止まってから、犬が首を無理にひねったり飛びついたりしない位置で渡します。

食事制限のある犬は使えるものを獣医師に確認し、ご褒美の量も普段の食事全体に含めて考えてください。

鼻先に食べ物を見せたまま長く歩かせるより、一歩一緒に動けた時に褒めて伝えましょう。

難しければ、歩く前の「近くに立つ」段階へ戻してかまいません。

4.短い区間を歩き、休憩や探索へ切り替える

一緒に動けたら、無理のない短い区間へ少しずつ広げます。

練習の終わりには、落ち着いて休む、安全な場所で匂いを嗅ぐなどの時間を取ってください。

散歩中ずっと飼い主を見続ける必要はありません。

必要な探索や排泄を、うまく歩けたときだけのご褒美にしないようにします。

5.場所か距離の、どちらか一方を変える

松尾 ゆうと

静かな道で短く歩けたら、その場所で距離を少し延ばすか、別の静かな場所で短く試すかを選びます。

人通りと距離を同時に増やさないでください。

昨日できたことでも、犬や自転車が増えれば難しくなる場合があります。

うまくいかないときは叱らず、前にできた条件へ戻しましょう。

取り返そうとして練習を長引かせる必要はありません。

リードが張ったときは、安全な場所かを先に見る

リードを急に強く引いたり、首へ衝撃を与えたりしないでください。

まず周囲と、飼い主が安定して立てるかを確認します。

その場の状態 優先する対応
静かで安全に止まれる いったん足を止め、近くへ戻れるよう案内する。ゆるんだところから短く再開する
人・犬・車が接近している 練習を続けず、進路を空けて安全な方向へ離れる
怖がって逃げる・固まる 刺激へ近づけず距離を取る。強い反応が続くなら相談する
人が保持できない・転びそうになる 自己流の練習を中止し、対面で支援を受ける

止まってもすぐ強く引くなら、何度も繰り返す前に、距離を短くしたり、周りが静かな場所へ戻ったりしましょう。

「引っ張ったら必ずその場を動かない」を、どんな状況にも当てはめないでください。

犬を見たときだけ引っ張る場合

相手へ近づくことを、必ずしもご褒美にしません。

相手にも距離が必要な場合があり、犬同士の挨拶は毎回必要ではありません。

相手に気づいてもこちらへ顔を戻せる距離で、落ち着いた行動を褒めます。

接近してから何度も合図を出すより、早めに別の道へ移る、通り過ぎるなどの経路を選んでください。

吠える、突進する、体が固まるところまで近づいたら、その距離で反応を繰り返させません。

相手を無断で練習に使わず、安全な距離を取り、必要に応じて専門家と進めましょう。

練習を続けるために、家族で共有したいこと

どの合図を使うか、何をしたら褒めるか、危ない時にどう離れるかを家族でそろえましょう。

「今日は公園の入口に犬が集まっていたので、手前で曲がった」といった一言があると、次の担当者も準備しやすくなります。

散歩中にスマートフォンへ入力せず、歩いている間は安全に集中しましょう。
残したいことは帰宅後に書けば大丈夫です。

映像が必要な相談でも、犬を制御する人が一人で撮影しようとしないでください。

無理に撮らず、どの場所で難しかったかを伝えるだけでも役立ちます。

道具の適合や首・背中への負担は、映像だけでは判断できません。

動画で見た細かなリード操作や速い方向転換を、そのまままねることは避け、必要な部分は対面で確認しましょう。

散歩の引っ張り練習でよくある質問

おやつがないと歩けなくなりませんか?

教え始めに報酬を使うこと自体が問題なのではありません。

意味が分かってきたら、見せ続けて案内する形から、できた一歩の後に取り出す形へ少しずつ移します。

急に全部なくして試す必要はありません。

犬をずっと横につけなければいけませんか?

散歩全体で同じ位置を求める必要はありません。

道を移動する場面と、安全に探索する場面を分けます。

目指すのは、必要なときに無理なく一緒に動ける歩き方です。

散歩前に走らせてから練習したほうがよいですか?

疲れさせれば必ず引っ張らなくなるわけではありません。

活動や休息は年齢・体調・天候に合わせます。

暑い日や疲れの残る状態で、練習のために運動を追加しないでください。

まとめ|ゆるんだ一歩を伝え、少しずつ広げる

安全な道具と場所を用意し、近くに来る、一歩動く、短い区間を歩くという順で教えます。

リードが張ったときだけでなく、一緒に歩けているときにも褒めることが大切です。

怖さや交通の危険がある場面で、教え切ろうとする必要はありません。

距離を取り、できる場所から再開しましょう。

続けても変化が分からない時は、練習場所や接し方を見直し、対面での相談も考えてみましょう。

基本を試しても変わらないときは、練習場所や褒め方などを再点検しましょう。

犬の引っ張りが治らない原因|警察犬ドッグトレーナーが解説

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