老犬がこれまでのように散歩に出たがらない、歩くだけの動きでも身体全体の鈍さを感じる…。
老犬のそんな状態はもしかすると、老化や運動不足によって後ろ足が弱くなっている可能性が考えられるかもしれません。
老犬の後ろ足の弱さは、体力低下や動きが鈍くなるなど、老犬にも飼い主さんにも心配な症状が出てしまうおそれが。
今回は老犬の後ろ足が弱くなってしまう理由と、丈夫な後ろ足を取り戻していくためのトレーニング法をわかりやすくお伝えしてみたいと思います。
目次
老犬の後ろ足が弱くなるのはどうして?主な原因を見ておこう
老犬の後ろ足が弱くなるのは、どんな原因があるのでしょうか?
ここでは老犬の後ろ足が弱くなる主な原因と足の役割や仕組み、さらには老犬の後ろ足の弱さを判断できるチェックポイントを見ておきましょう。
老犬の後ろ足が弱くなる理由や原因
ポイント
- 犬は後ろ足を動かそうと意識がなく、前足にばかり意識があるため
- 人間でいうと犬の後ろ足は利き手、利き足のような役割をしているため
- 老化によって後ろ足のダルさを感じているため
- 犬の重心は前足にかかり、後ろ足にかからないことで筋力が減っていくため
老犬の後ろ足が弱くなっていると判断できるチェックポイント
老犬の後ろ足が弱くなっているかどうかは、飼い主さんでもその判断の仕方がわからないと感じることもあるのではないでしょうか?
老犬の後ろ足を丈夫に整えていくトレーニングが必要なのかをしっかりと見極め、判断するために、老犬の後ろ足が弱いと判断できるチェックポイントを見ていきましょう。
老犬の姿勢をチェック
犬は4足歩行でも、
ポイント
- 前足に体重の7割
- 後ろ足に体重の3割
をかけて立っている状態が一般的で、この姿勢は犬が頭を支えるために前足に重心をかけた状態でもあります。
ただ、老犬の体勢を横から見た際、あまりにも不自然に前のめりな状態になっている場合は、前足にばかり体重がかかって後ろ足が使えなくなり、股関節まわりの病気につながってしまうことがあります。
老犬の歩き方を見てみよう
犬の正しい歩き方は、首が通常の位置に合って目線が真っ直ぐな状態を指します。
老犬の歩き方を見てこの状態に当てはまらない場合は、後ろ足の関節の状態が悪く、関節が固まっている状態と判断できるでしょう。
また首が通常の位置ではない、目線が真っ直ぐではない悪い体勢は、
ポイント
- 膝を曲げたままの歩行
- 階段の上り下りでジャンプになる
などの間違った歩き方となり、後ろ足ばかりではなく前足のダメージ、弱さにつながることがあります。
老犬の後ろ足を鍛える!効果的なトレーニングまとめ
老犬は子犬や成犬に比べると、落ち着いていておっとり、穏やかな振る舞いがいっそうに愛おしく感じるものですので、散歩の時間だけでも元気に、健やかなコンディションを維持させてあげたいと願うものですよね。
ここでは老犬の後ろ足の弱さを少しずつ改善、予防していくために、効果的なトレーニングをまとめてご紹介します。
足場の悪いところをあえて散歩してみる
砂場や草むらなど、足場の悪いところを選んであえてお散歩コースにすると、老犬はそれぞれの足を慎重に、気を使いながら動かすようになるため、自然に後ろ足の筋肉が鍛えられていきます。
老犬は子犬や成犬に比べると体力が落ちているものの、足場の悪いところでの散歩はゆっくりの歩調に自然に変わっていくため、老犬の後ろ足に負担をかけない手軽なトレーニング方法となっています。
ポールをまたぐトレーニング
細長い棒状のトレーニンググッズのことを言う「ポール」は、地面に置いて老犬にそれをまたがせるようにさせる後ろ足強化のトレーニングです。
老犬がポールをまたぐ際は、足を比較的高く上げるため、後ろ足の筋肉を鍛えることに効果的です。
確実に老犬がポールを跨げるように繰り返しトレーニングし、無事に成功できたらおやつやおもちゃを使って思いっきり褒めてあげてくださいね。
バランスボールやクッションの活用
自宅にあるものでも手軽に老犬の後ろ足トレーニングができるバランスボールやクッション。
このアイテムに老犬をそっとやさしく乗せ、そこでおすわりや立つコマンドを伝えると、老犬は後ろ足でバランスを取るように意識が働き、自然にさまざまな動きをするようになります。
丸い大きめのボールを転がらないように支えながら老犬に乗ってもらい、ある程度安定したら支えを離して様子を見るトレーニングもおすすめ。
飼い主さんがボールを支え、前後左右にゆっくりとボールを動かす方法も、老犬のすべての足の筋力強化にアプローチできます。
まとめ
今回のコラムでは、老犬の後ろ足が弱ってしまう理由やそれを判断するチェック方法、後ろ足の筋肉強化のトレーニングについてご紹介しました。
老犬の後ろ足を鍛えるトレーニング法は、忙しい毎日を過ごす飼い主さんでも手軽に実践でき、老犬の健康状態を見ておくきっかけにもなります。
今日からの老犬の後ろ足トレーニングをコツコツ積み重ねながら、老犬と楽しく健やかなトレーニング時間を過ごしてくださいね。