【プロ解説】犬に「痛み」を与えるしつけの心配な影響と正しい向き合い方。

愛犬のしつけが上手くいかずにイライラしたり、愛犬の急な問題行動にカリカリして、つい叱ってばかりになってしまったり、叩いてしまった経験はありませんか?

愛犬を叩いたり、痛みを与えるしつけは、愛犬の心のトラウマになってしまったり、強い心理的なストレスが原因で問題行動に発展してしまうことがあります。

今回は愛犬を叩いたり、痛みを与えるしつけにどんな影響があるのか、正しいしつけ策を状況別に解説。

犬の問題行動を正しいしつけでひとつひとつクリアしていくためのポイントを、ぜひ最後までご覧になってくださいね。

ゆうと
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愛犬を叩いて痛みを与えるしつけはNG!?その影響とは?

飼い主さんが忙しい毎日を過ごしながらの犬の正しいしつけは、両立が難しいと感じることもあるでしょう。

ですがしつけが上手くいかない・愛犬の突発的な問題行動にいつもイライラ・カリカリして犬を雑に扱ってしまったり、痛みを与えるしつけをしてしまうと、次のような心配な影響が出やすくなるんです。

ここでは愛犬を叩いて痛みを与えるしつけの影響、してはいけない理由を一緒に見ていきましょう。

身体・精神的な負担を与えてしまう

愛犬を叩いたり、痛みを伴ってしつけることが習慣になっていると、それが当たり前になって人も徐々に加減がわからなくなり愛犬のケガの原因になることがあります。

叩かれたことで愛犬がケガをすると、

ポイント

  • 「飼い主さんは怖い人」
  • 「叩かれないようにもっと警戒しておこう」
  • 「もうこんなことはされたくないから反撃してやる!」

という犬の心理的な面にも影響し、お互いの信頼関係が築けなくなってしまいます。

叩かれた恐怖心や、ケガをした痛みは愛犬にとってショック・怖い出来事になるため、飼い主さんにココロを開かなくなってしつけの基本となるコミュニケーションが取れなくなる心配もあるんですよ。

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無気力、攻撃的な性格に変わってしまう

愛犬を叩いたり、痛みを与えるしつけは、無気力(過度に萎縮)や攻撃的な性格に変わってしまう心配があります。

その理由は、愛犬はなぜ叩かれているのかがわからない状態でいるため、ひとつひとつの行動が委縮し、飼い主さんの顔色を窺うようにおどおど・ビクビクとしてしまいます。

すると、飼い主さんに叩かれて痛みを感じないお留守番の際に、恐怖やショックの気持ちを解消しようとしてモノを壊したり、トイレ以外の場所で排せつしてしまうこともあります。

また叩かれるしつけで痛みから自身を守ろうとするあまり、噛みグセや吠えグセなど、これまでとは違った攻撃的な一面が顕著になることもあるのです。

痛みを与えるしつけはNG!状況別に見る思いやりのしつけ法

愛犬を叩いて痛みを与えるしつけは、イメージしていた以上に飼い主さん側にも不安な影響を与えてしまうんですね。

愛犬に対して思いやりのあるしつけをマスターしていくために、ここでは状況別に見る正しい向き合い方をまとめてみました。

トイレの失敗に気づいたときの正しいしつけ

飼い主さんが愛犬を思わず叩いてしまうのは、トイレの失敗がよくあるケースではないでしょうか?

愛犬がトイレを失敗してしまうのは、

ポイント

  • そもそものトイレの場所がわからない
  • トイレの場所に恐怖や居心地の悪さを感じる
  • トイレが汚い
  • 排泄自体が恐怖になっていて隠れてしようとする

という原因があります。

この原因を見直し改善して、初めから愛犬にトイレの場所を繰り返し教えていくしつけをすると、失敗がなくなっていきます。

愛犬がトイレに行きたいタイミングと様子をじっくり観察して、慣れるまではトイレに誘導するしつけを繰り返してみてくださいね。

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お家のモノを壊した時の正しいしつけ

愛犬が室内で落ち着きなく動き回り、モノを壊しているのに気付いた際にも、つい叩いて痛みを与えてしまったことがあるのではないでしょうか?

愛犬がお家のモノを壊したり、室内で落ち着きなく動き回るのは、

ポイント

  • 遊びやお散歩の時間が足りないと感じている
  • 動き回ることで飼い主さんに注目してもらいたい
  • 今のおもちゃに飽きてしまっている
  • イタズラが起こりやすい環境になってしまっている

という、運動発散不足とさみしさ、環境が原因と言えます。

愛犬がいつも落ち着いた状態で過ごすことができるよう、この原因に着目してお散歩時間や室内でのコミュニケーションを取る時間を調整してみましょう。

また壊されて困るようなものは、愛犬の目につく場所に置かないこともポイント。

犬はおもちゃに対して飽きっぽい部分がある子もいるため、いろいろな遊びができるおもちゃの種類を揃えておくこともおすすめですよ。

モチベーショナルトレーニングのすすめ

愛犬をつい叩きそうになるクセがついている飼い主さんに試してみてほしいしつけが、モチベーショナルトレーニングです。

ポイント

  • 愛犬が喜ぶ遊び・おもちゃ・おやつをしつけに組み入れていくこと
  • 愛犬を褒めていくしつけのこと

という目的があり、モチベーショナルトレーニングを行うと褒めるという意識が高まることで叩いて痛みを与える接し方の予防にアプローチできますよ。

おわりに

愛犬の問題行動にカリカリ、飼い主さん自身の上手くいかないしつけにイライラしてしまったら、まずは痛みを与えるしつけの心配な影響を思い出すようにしましょう。

飼い主さんの安定した気持ちと思いやりのある接し方が、愛犬本来の従順さを育てるのだと意識してみてくださいね。

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松尾ゆうと

□日本警察犬協会公認ドッグトレーナー □家庭で今すぐ使える"しつけ情報"を発信中! ◎ダメ飼い主→修行10年→資格取得→独立→□しつけ教室を運営中!

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