犬がうんちだけトイレでしない時は?警察犬ドッグトレーナーが環境と教え方を解説

犬のしつけ
屋外で赤い首輪を着けたピットブルタイプの犬(イメージ写真)

おしっこはトイレでできるのに、うんちは別の場所でしてしまう。そんな時は、おしっこに成功した条件だけで判断せず、うんちをする時の動きと場所を見直してみてください。

トイレに入るものの腰が外へ出ているのか、尿で濡れたシートを避けているのか、そもそも別の場所で排便しているのか。はみ出すなら広さと体の向きを、濡れたシートを避けるなら交換後の動きを見ます。

まずはうんちの前後を見て、失敗した場所を記録するところから始めましょう。何度もいきむのに便が出ない、痛そうにするなどの変化があれば、練習より動物病院への相談を優先してください。

松尾 ゆうと

うんちだけトイレでできない時に見直したい環境と、教え方を動画でお話ししています。

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「別の場所でする」と「便が出ない」を分けて確認する

トイレでうんちができないという悩みには、排便する場所の問題と、排便そのものが難しい状態が含まれます。便が出ているか、出す時に苦しそうではないかを先に確かめましょう。

実際に見られる様子 最初に確認すること
別の場所では、いつもと同じように排便する いつ、どこでしているか。トイレの広さ・汚れ・足元・置き場所を比べる。
トイレに入るが、便が外へ落ちる 足だけでなく、腰の位置と向きを変える時の余裕を見る。
おしっこの後だけ別の場所へ行く 濡れた所を踏んでいないか。清潔なシートへ替えた時の様子を見る。
何度もいきむが便がほとんど出ない、排便時に鳴く トイレの練習を進めず、動物病院へ連絡する。
急に失敗が増えた、便の状態や元気が変わった 変わった時期と体調を伝えて動物病院へ相談する。

何度も排便を試みる、便に血が混じる、嘔吐する、食欲や元気が落ちている時は、その時点で動物病院へ連絡するようにしてください。便秘と決めつけて、家庭で下剤や浣腸を使わないでください。便が出にくい時の症状と受診については、PDSAの獣医療チームの案内にも説明があります。

排便と排尿の姿勢は、見た目だけでは区別しづらいこともあります。どちらが出ていないか分からない場合も、そのまま病院へ伝えてください。何度も排尿姿勢を取るのに尿が出ない時は、すぐに動物病院へ連絡します。排尿できない場合の緊急性は、ACVSの飼い主向け案内でも説明されています。この記事の環境づくりは、便や尿が出ない時の治療に代わるものではありません。

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おしっこはできるのにうんちを外す時の環境チェック

トイレの広さ、シートの汚れ、足元、置き場所を順に見ます。うんちに失敗した場所だけでなく、トイレへ入る時の動きも見てください。

足は乗っていても、腰が外へ出ていないか

トイレに前足が乗っているだけでは、体全体が収まっているとは限りません。排便の姿勢をとった時に腰が外へ出ていると、便も外へ落ちます。犬がトイレに入っているかと、便が収まるかは別に見てください。

向きを変える時に縁へぶつかる、シートから足が出る、同じ端に便が落ちる場合は、使える面積を確かめます。犬種名や商品のサイズ名だけではなく、実際の動きに対して余裕があるかを見ます。

松尾 ゆうと

トイレに入るのにはみ出す場合は、体格に対してトイレが小さくないか見てください。

変更するなら、向きを変えても腰が収まる広さを確保します。新しいトレーを置いた時も、足元が滑らず、シートが正しく固定されているか確認してください。

排便が始まってから体を持ち上げて位置を直すのではなく、次の排便に向けて広さを整えます。外へ落ちた便を見せて叱っても、犬に使いやすいトイレの大きさは伝わりません。

おしっこで濡れたシートを避けていないか

おしっこをした後、同じシートに足を乗せず別の場所へ行くなら、まず濡れたシートを清潔なものへ交換するようにします。交換した後にトイレへ戻るかを見てください。比較のために汚れを残す必要はありません。

「犬は必ず尿と便を別々にする」「すべての犬が汚れを嫌がる」と決める必要はありません。自分の犬が、どの状態のシートなら使うかを確かめます。トイレを覚えさせようとして、汚れたシートや便を置き続けないようにしてください。

松尾 ゆうと

おしっこをした場所を踏みたがらない子には、トイレをもう一つ用意する方法もあります。

清潔にしても尿の場所と便の場所が分かれるなら、補助のトイレを用意することも選択肢です。置いた後は、どちらを使ったかを記録します。二つ置けば必ず解決するわけではないので、使われない理由を見ずに増やし続けないようにしましょう。

足元が滑る、沈む、ずれることはないか

足を乗せるとシートがずれる、トレーが動く、メッシュが沈む。こうした使いにくさがないかを、犬が近づいて足を乗せる時に見てください。

排便の場所を変える前に、用品が説明書どおりに組まれているか、破損や危険な隙間がないかも確認します。壊れた用品に慣れさせる練習はしません。

松尾 ゆうと

足を乗せた時に滑ったり沈んだりするなら、トイレの素材や安定性も見直してみてください。

用品を替える時は、場所やシートまで一度に変えず、足元の変更だけで犬の動きがどう変わるか見ます。トイレへ近づくものの足を止めるのか、乗った直後に離れるのかを記録すると、相談する時にも状況を伝えやすくなります。

シートを噛む、破片を飲み込もうとする場合は、露出したシートを広く敷くだけの方法は使えません。安全な固定方法と排泄場所を確保し、飲み込んだ可能性があれば動物病院へ連絡してください。

音や人の出入りで落ち着かない場所ではないか

排便しようとするたびに人が横を通る、テレビの音が近い、掃除機が動いている。そうした場面でトイレを離れるなら、周囲の条件も確認します。排便を始める前と、離れる直前の違いを見るのが手がかりになります。

松尾 ゆうと

トイレの近くで音がしたり落ち着けなかったりするなら、置き場所も見直してみましょう。

最初にできるのは、排便しそうな時に音や人の出入りを減らすことです。人がのぞき込み続ける、何度も声をかけるといった関わり方も控え、少し離れて見守ります。

トイレを移す場合は、犬が普段いる場所から行けるか、扉で遮られていないかも確かめてください。静かでも、犬が自分で行けない場所では使えません。配置を変えた後は、以前と同じように案内して場所を伝えます。

トレーに乗ること自体を避けている場合は、トレーの縁や出入りのしやすさも確かめてください。こちらの記事では、トレーを使わない時の見直し方を紹介しています。

犬がトイレトレーでしない原因と対処法|警察犬ドッグトレーナーが解説

うんちをするタイミングに合わせて教える

うんちをする時刻は、おしっこと同じとは限りません。普段うんちをした前後の行動を見て、排便しやすい場面で案内しましょう。

排便の回数を増やすのではなく、できた時を見逃さないようにします。練習のために食事を増やしたり、便が出るまで運動を続けたりする必要はありません。

まず、いつどこでしているかを記録する

食後、起きた後、遊んだ後、散歩の前後など、普段うんちをした時の直前の行動を書きます。決まった時間が見つからなくても、前回の排便から何があったかが分かると、見守る場面を絞りやすくなります。

記録する項目 書き残す内容
直前の行動 食事・睡眠・遊び・散歩など。排便の時刻と併せて残す。
場所と姿勢 トイレ内、端、離れた床など。腰がどこにあったか。
シートと周囲 清潔か、濡れていたか。音や人の出入りがあったか。
便と犬の様子 普段との違い、いきみ、痛そうな様子、食欲や元気の変化。
その後の対応 褒めたか、何を変えたか。うまくいった時も同じ項目を残す。

失敗だけでなく、トイレでできた時も記録してください。成功した時の条件が、次の練習の手がかりになります。排便の機会を待つために、水を減らしたり、必要な排泄を我慢させたりしないでください。

松尾 ゆうと

犬によってしやすいタイミングが違います。普段の様子を見ながら、トイレへ案内してあげてください。

しそうな様子が見えたら、落ち着いて案内する

床のにおいを嗅ぐ、向きを変える、いつもの排便場所へ移動するなど、その犬に繰り返し見られる様子を確認します。ただし、その動きだけで必ず便意があるとは言えません。

排便前に気づいたら、清潔で使いやすいトイレへ早めに案内するようにします。遊びに誘って興奮させたり、何度も呼んで歩き回らせたりせず、犬が落ち着けるように見守ります。

排便中に位置を直そうとして追いかけないでください。もう便が出始めている場合は驚かせず、次の機会に備えて環境や案内のタイミングを見直します。

終わった直後に、犬が喜ぶご褒美を渡す

うんちが出ている途中に声を張り上げたり、おやつで顔を動かしたりすると、排便を中断させてしまうことがあります。排便が終わった直後に褒めるようにしましょう。

松尾 ゆうと

うんちに成功した時の褒め方にも注目してください。回数を増やすより、できた時を大事にしましょう。

犬が喜んで受け取れるご褒美を用意し、その場で渡します。大声を出すことが「しっかり褒める」ことではありません。静かな声で短く褒め、食べ慣れたご褒美を少量渡します。触られるのが苦手な犬に、抱きしめたり頭をなでたりする必要はありません。

排便の後で別の部屋へ連れていき、時間がたってから渡すよりも、その場で伝えられるよう準備しておきましょう。食事制限やアレルギーなどでおやつを選ぶ必要がある犬は、普段の獣医師の指示に合わせてください。

出なかったら、閉じ込めて待ち続けない

トイレへ案内しても出ない時は、便が出るまで閉じ込める方法に切り替えないでください。落ち着かず離れようとする、怖がる、苦しそうにするなら練習を区切ります。

見守れる安全な場所へ戻し、次にしそうな様子が出た時に案内し直すようにします。長時間出ない、何度もいきむなどの変化がある時は、練習を繰り返す前に病院へ相談してください。

家族で見守る場合は、使うトイレ、案内する場面、排便後の褒め方をそろえます。担当が変わった時だけ叱る、場所を変えるなど、対応がばらばらにならないようにしておきましょう。

同じ失敗が続く時は、起こる場面を絞って見る

人が見ていない場所でしてしまう

隠れた場所でしているからといって、「悪いことだと分かっている」とは判断できません。失敗した便を見せて叱らないようにします。叱られる経験が、人の前で排泄しにくくなることにつながる場合もあります。

後から見つけた便は、犬が踏んだり食べたりしないよう落ち着いて片づけます。汚れた場所は、その床材に合うペット用洗浄剤を説明書どおりに使い、犬が触れてよい状態になってから戻します。

失敗をかまってほしい行動と決めつけないこと、叱らず片づけることについては、Dogs Trustの排泄トラブルの案内でも説明されています。見守り方とトイレへ行ける環境を見直しましょう。

散歩中だけうんちをする

外ではいつもと同じように排便できるなら、散歩のどの場面で出るかを見ておきます。室内にも、すぐに使える清潔なトイレを用意します。

室内でできるようにしたいからといって、散歩や排泄の機会を急に取り上げないでください。普段の排便機会を保ちながら、家の中でしそうな様子があればトイレへ案内します。

「室内で出るまで散歩に行かない」と一律に決めるのではなく、犬の体調やこれまでの習慣を踏まえて進めます。移行の仕方が分からない場合は、室内外の排便記録を持って相談しましょう。

留守番の時だけ失敗する

在宅中はできるのに留守番中だけ失敗するなら、トイレへ行けるか、シートが途中で汚れていないか、留守番の長さに無理がないかを確認します。留守番中の鳴き声や落ち着かない動きも、分かる範囲で記録してください。

排便の失敗だけで分離不安と診断することはできません。失敗した場所だけでなく、留守番中の犬の動きも見て相談してください。失敗をなくすために、狭い場所へ長時間閉じ込める対処は避けてください。

留守番中にシートが汚れる場合は、交換する時間だけでなく、シートの大きさや使える面積も見直します。選び方と衛生管理は、こちらの記事にまとめています。

犬のトイレシートの選び方と交換の目安|警察犬ドッグトレーナーが解説

うんちのトイレ練習でよくある疑問

おしっこができるトイレを撤去してもいいですか

うんちの失敗を直すために、今使えている排泄場所を急に撤去する必要はありません。清潔な補助トイレや広さの調整を試し、どちらで何をしたか確認します。できている習慣を残したまま、うんちの条件を見直しましょう。

トイレへ行っただけでも、同じようにご褒美をあげますか

用品に慣れる練習と、そこで排便する練習は分けて考えます。トイレに近づけたことを褒める場合でも、排便できた時のご褒美を渡し忘れないようにしてください。何を伝える練習かを家族でそろえておきます。

何日でできるようになりますか

年齢や体調、今までの排便場所、練習を見守れる時間によって違うため、日数は約束できません。日数だけで判断せず、使えた条件が見つかったか、失敗する場面が変わったかを見ます。体調の変化があれば、経過を待たず病院へ相談してください。

次の排便に向けて、一つだけ変えてみる

うんちだけトイレを外す時は、まず体調の変化がないかを確認し、広さ・汚れ・足元・置き場所の中から気になる点を選びます。一つ変えた後の排便も記録すると、どの条件で使いやすくなったかを比べられます。

広さや置き場所を見直しても続く時は、排便前からの動きと、変えた条件をトレーナーへ伝えてください。痛みや便の異常がある場合は、記録がそろうのを待たずに動物病院へ相談します。

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