犬がトイレトレーでしない原因と対処法|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬がトイレトレーでしない時は、まず「トレーに乗らない」のか、「乗るけれど外にはみ出す」のかを見てください。新しいトレーに替えてから使わなくなった場合は、以前との違いも確認します。
トレーに足を乗せることと、その上で排泄することは別です。おやつにつられて乗れたからといって、トイレの場所を覚えたとは限りません。足元の使いやすさと、排泄するタイミングを分けて見直しましょう。
なお、排尿姿勢を繰り返すのに尿が出ない、痛そうに鳴く、ぐったりしている時は、練習を続けず動物病院へ連絡してください。以前はできていたのに急に失敗が増えた場合も、しつけだけの問題と決めつけないでください。
この記事の目次
トレーでしない時、最初に見ておきたいこと
床の汚れだけでは、犬がトレーに乗らなかったのか、乗ってもはみ出したのかは分かりません。見守れる時に、近づき方と足・腰の位置を確認してください。トレーの手前で止まるのか、端で排泄するのかが分かると、足元と広さのどちらを見直すか決めやすくなります。
| 犬の様子 | まず確認すること |
|---|---|
| トレーの手前で止まる、足を乗せない | 段差、滑り、がたつき、メッシュの感触、周囲の音 |
| 前足は乗るが、尿や便が外へ出る | 腰の位置、トレーの内側の広さ、向きを変える余裕 |
| 買い替えてから使わなくなった | 以前と変わった高さ、足元、置き場所、シート |
| 床に置いたシートではできる | トレーの枠や足元を避けていないか |
| 以前はできたのに、急に失敗が増えた | 排尿・排便の変化、痛み、体調、生活環境の変化 |
同じようにトレーを避けていても、理由は犬によって違います。たとえばトレーの手前で止まる時も、足元が苦手なのか、そばにいる人が気になるのかで対応は変わります。まずはいつも失敗する場面を一つ見てみましょう。
急に使わなくなった時は、体調を先に確認する
何度も排尿姿勢を取る、少しずつしか出ない、血が混じる、排泄する時に鳴くなどの変化は、トレーの買い替えだけで様子を見続けないでください。いつから変わったのか、尿が出ているかを動物病院に伝えましょう。
何度もいきむのに尿が出ない場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。診療時間外なら救急対応の病院へ相談します。家庭でお腹を押したり、尿が出るまで閉じ込めたりしないでください。
足腰に痛みがある犬や、段差をまたぐのが難しくなった犬では、トイレまで歩くこと自体が負担になっている場合もあります。「年を取ったから忘れた」と決めず、移動や姿勢の変化も相談してください。
トレーに乗らない時は、足元と周囲を見直す
段差やがたつきがないか
トレーは平らで安定した場所に置きます。犬が足を乗せた時にずれたり、音がしたりしていないか確認してください。滑り止めの部品が外れていないか、枠が正しくはまっているかも見ておきましょう。
段差の手前で足が止まる場合は、低い入口の用品も選択肢です。ただし、新しい物を買えば必ずできるわけではありません。今の犬がどこで止まるのかを確認してから選ぶと、買い替えの判断がしやすくなります。
乗せるために足をつかんだり、体を押さえたりしないでください。犬が自分で近づける距離から始めます。用品が壊れている場合は、慣らす練習をせず使用をやめてください。
メッシュを付けた時だけ避けていないか
同じ場所、同じシートでも、メッシュ付きのトレーにすると足を乗せなくなる場合は、足元が変わった時の反応を見てください。爪が引っかかる、網がたわむ、汚れが残っているなど、使いにくい状態になっていないか確認します。
メーカーがメッシュなしでの使用を認めている製品なら、説明書で使い方を確かめたうえで、メッシュなしの状態を検討できます。ただし、シートを噛む、ちぎる、飲み込もうとする犬には、安易に外す方法を勧められません。見ていられない時間の安全まで含めて考えてください。
部品を外すと安全に使えなくなる製品もあります。別の用品の説明書をそのまま当てはめたり、壊した枠を使い続けたりしないでください。
人の動きや音が気になっていないか
通路のすぐ横、扉が大きく開閉する場所、家電の音がする場所では、犬がトレーへ近づいても途中で離れることがあります。誰かがじっと見つめている時だけできないなら、人の立ち位置も変えてみましょう。
置き場所は、犬が普段過ごす場所から無理なく行けるかを確認します。途中の扉が閉まっている、家具で入口が狭くなっている場合は、まず通り道を整えてください。トレーを動かす時も、何か所も一度に試すのではなく、以前できた場所との違いを見ます。
新しいトレーに替えてからしない時は、変更点を一つずつ見る
以前のトレーは使えるのに、新しいトレーだけを避けるなら、犬にとって何が変わったかを比べます。商品の大きさだけでなく、内側の面積、入口の高さ、足元の感触、シートの固定方法も確認してください。
トレー、シート、置き場所を一度に替えると、どの変化に戸惑っているのか分かりにくくなります。安全に使える以前の条件を残し、変更は一つずつ試しましょう。
たとえば置き場所を維持して用品だけを比べる、使い慣れたシートを新しいトレーに正しく取り付ける、といった確認ができます。嫌がっている犬を新しいトレーの上に長く留めたり、以前のトイレを急に撤去して我慢させたりしないでください。
新しいトレーへ近づいた時は、足を乗せたあとすぐに離れないかも見てください。おやつについて乗れることと、自分からその場所で排泄できることは別です。嫌がる様子がある時は、乗せようとする前に用品の高さや足元を確認します。
置き場所を変えたあとも、犬がトレーまで戻れているかを見ます。前の場所に行こうとする場合は、急に移しすぎていないか、通り道が分かりにくくなっていないかを確かめてください。
トレーに乗るのにはみ出す時は、足ではなく腰の位置を見る
前足がトレーに乗っていても、腰が外側にあれば尿や便は床へ出ます。この場合、犬がトイレを全く覚えていないとは限りません。何度も「トイレ」と声をかける前に、排泄する姿勢とトレーの広さを確認してください。
見るのは外寸ではなく、犬が実際に使える内側の面積です。太い枠がある製品では、見た目の大きさと使える広さが違います。犬が向きを変える余裕があるか、端で腰を下ろしていないかも見てください。
シートの端で出た尿は、トレーの外へ漏れることがあります。まずシートが説明書どおりに固定されているか確認し、必要ならトイレの面積や用品を見直します。紙やシートをむやみに重ねて、滑りや引っかかりを増やさないようにしてください。
足を上げて排尿する場合は、平らなトレーの面積を増やすだけでは壁への飛散に対応できないこともあります。安全に設置できる犬用の飛散防止用品などを検討します。段差や不安定な板を足して犬を囲い込む方法は避けてください。
防水マットなどで床を守ることと、決めた場所で排泄する練習は別です。床を保護できたかだけでなく、犬がどの位置で排泄したかを記録しましょう。
シートを選ぶ際は、商品の外寸だけでなく吸収面とトレーの適合サイズを確認してください。厚みや交換の判断も、排泄後の濡れ方から見直せます。
動画では、前足がトレーに乗っていても後ろ側がはみ出す場合に、入口の向きやトイレの面積を見直す考え方を解説しています。部品の追加や自作の段差をまねるのではなく、今の用品を安全に使えるかを先に確認してください。
シートだけならできる場合、トレーは必要?
トレーはシートを固定したり、床への漏れを抑えたりするための用品です。トレーに乗ること自体が、トイレトレーニングの最終目的ではありません。決めた安全な場所で排泄でき、犬と家族が無理なく管理できるかを考えます。
床に置いたシートではできるなら、トレーの枠、段差、足元が変わることを避けていないかを確認できます。ただし、シートがずれる、噛んで飲み込む、尿が床へ漏れるなどの問題があるなら、そのまま留守番させることはできません。
メッシュなしで使える製品や、入口が低い犬用トイレなど、使いやすさと安全を両立できる用品を検討しましょう。何かを外したり敷いたりする前に、その製品の説明書を確認してください。
シートを飲み込んだ疑いがある時は、トレーへ慣らす練習よりも動物病院への相談を優先します。家庭で無理に吐かせないでください。
トレーを使う練習は、排泄しやすい時に短く行う
足元や配置を整えたら、犬の排泄のタイミングに合わせて練習します。起きたあと、食事や活動のあとなど、普段いつ排泄するかを見ておきましょう。全ての犬を同じ間隔で連れていくのではなく、実際の様子に合わせます。
- 清潔で安定したトイレを用意する。シートや部品を正しく取り付け、犬が入れる広さを確保します。
- 排泄しそうな時に静かに案内する。近くへ行っても足を乗せない時は、引っ張ったり押さえたりせず、足元の見直しへ戻ります。
- 排泄中は大きな声で呼んだり、おやつで顔を動かしたりしないで、落ち着いて見守ります。
- 排泄が終わったら、その場で静かに褒める。食べ慣れたごほうびを使う場合は、食事量や体調にも合わせます。
- 出なければ、無理に続けず見守れる場所へ戻します。様子を見て次の機会を作り、尿が出ないなどの異常があれば練習をやめます。
おやつについてトレーへ乗れても、その場所で排泄できるとは限りません。乗る練習と排泄の練習は分けて考え、排泄しそうな時間に落ち着いてトレーを使えるかを見てください。
「ワンツー」などの合図も、声をかければすぐに出るものではありません。出ない時に何度も声をかけるより、普段の排泄のタイミングに合わせて、落ち着いて使える場所を用意しましょう。
出なかった時も犬の様子を見守り、次に排泄しそうな時に案内します。家族で合図と褒めるタイミングをそろえ、できた時の対応が人によって変わらないようにしてください。
足元と広さに問題がなく、案内しても排泄につながらない時は、誘導の途中でどこにつまずくかを確かめます。子犬の誘導を位置ごとに整理した記事も参考にしてください。
失敗したあとは叱らず、片付けて次の誘導に備える
床の排泄物を見つけても、犬を呼び戻して叱ったり、鼻を近づけたりしないでください。その場では片付けを済ませ、次に排泄しそうな時に見守れるよう準備します。
同じ場所へ繰り返し排泄する場合は、汚れとにおいが残っていないか確認してください。床材に合った清掃用品を説明書どおりに使い、犬が薬剤や汚れたシートに触れないようにします。トレーの手入れも、その用品に指定された方法で行いましょう。
汚れたシートを残せば必ず場所を覚えるとは限りません。犬が汚れた部分を避ける、踏んで足が濡れる、噛んでしまう場合は、清潔なシートへ交換してください。
床が濡れた時は、トレーの端から漏れたのか、犬が別の場所でしたのかを確かめます。その違いを記録して、次は広さを変えるのか、足元を見直すのか決めましょう。
うまくいかない時は、記録を持って相談する
用品を次々に買い替える前に、失敗した時とできた時の違いを残してみましょう。犬が近づくところから排泄が終わるまでを、離れた位置から短く撮れる場合は、トレーと全身が分かる映像も相談の助けになります。犬を驚かせたり、わざと失敗させたりする必要はありません。
| 記録すること | 書いておきたい内容 |
|---|---|
| いつから変わったか | 買い替え、移動、生活の変化との前後関係 |
| 排泄した時の様子 | 時刻、起床・食事・活動との関係、尿や便の変化 |
| トレーへの近づき方 | 手前で止まるか、足を乗せるか、すぐ離れるか |
| 足と排泄物の位置 | 前足と腰がどこにあり、どこへ出たか |
| 変更した条件 | 用品、シート、置き場所など、何を一つ変えたか |
体調の変化は動物病院へ、用品や配置、教え方の見直しはトレーナーへ相談します。体調面がまだ分からない時は、練習だけで解決しようとしないでください。
相談する時は、いつから変わったか、尿が出ているか、犬がトレーへ近づけるかを伝えます。体調の確認が必要かを確かめたうえで、用品や置き場所、案内の仕方を相談しましょう。家庭での練習を相談したい場合は、東京DOGSのしつけ相談窓口からお問い合わせいただけます。
トイレトレーでしない時によくある質問
トレーに乗れたら、毎回おやつをあげた方がいいですか?
トレーに慣れる練習では、落ち着いて近づけたことを褒める方法があります。ただし、排泄の練習でおやつを見せ続けると、食べ物ばかり追ってしまうこともあります。乗れることと排泄できることを分け、排泄した時は終わった直後に褒めましょう。
体の大きさに合ったトレーなのに、なぜはみ出すのですか?
商品の体重目安だけでは、犬が向きを変える時の広さや排泄姿勢までは分かりません。枠の内側で腰がどこにあるか、足を上げるか、シートの端に排泄していないかを見てください。トレーの外寸だけで判断しないようにします。
できるまでトレーから出さない方がいいですか?
出るまで押さえたり、長時間閉じ込めたりしないでください。乗るのを嫌がる、落ち着かない、離れようとする場合は、一度練習をやめて足元や配置を見直します。排泄したそうなのに尿が出ない時は、練習ではなく動物病院への連絡が必要です。
まず、トレーへの近づき方と排泄する位置を確かめる
トレーを避けているのか、乗ってもはみ出すのかで、見直す点は変わります。まずは近づき方と腰の位置を見て、直す点を一つ決めるところから始めてみましょう。
うまくいった時の条件も残しておくと、家族で同じ対応をしやすくなります。体調の変化や痛そうな様子がある時は、練習より動物病院への相談を優先してください。
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