犬の基本しつけ3選|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬のしつけ

犬のしつけを始めようとして、何を教えればよいか迷っていませんか。ここでは、人へ注意を向けるアイコンタクト、人の手や危険な物を噛ませないための対応、トイレの三つを取り上げます。

どの犬もこの順番で、同じ日数で覚えなければならないわけではありません。迎えたばかりなら、食べる・眠る・排泄する場所を先に整えます。そのうえで、今の生活に必要な練習を一つずつ始めましょう。

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三つのしつけで、何を教える?

取り組むこと暮らしの中での目的初めの一歩
アイコンタクト人の声や合図へ注意を戻すきっかけを作る。静かな場所で、自分からこちらを見た瞬間を褒める。
噛む行動への対応人や危険物を噛む機会を減らし、安全に遊べるようにする。手でじゃらす遊びをやめ、危険物を片付ける。
トイレ無理なく排泄できる場所と習慣を作る。排泄しやすい時間を観察し、トイレへ行きやすい配置にする。

目が合えば事故を防げる、噛み方を教えれば絶対に噛まない、トイレを覚えれば病気の心配がなくなる、ということではありません。リードや柵による安全管理、健康観察は、練習とは別に続けてください。

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アイコンタクトは、短くこちらを見るところから

初めは、ほかの犬や大きな音などが気にならない場所を選びます。犬が自分からこちらへ顔を向けたら、すぐに短く褒め、その犬が喜ぶごほうびを渡します。目を長く見つめさせる必要はありません。

松尾 ゆうと

こちらを見ることが増えてきたら、名前を一度呼び、振り向いたときに褒めます。呼んでも反応しない場合は、声を大きくしたり連呼したりせず、距離や周囲の刺激を見直しましょう。

顔を手で固定する、正面からじっと見続ける、おやつを顔に押しつけて視線を上げさせる方法は避けます。近づくと離れる、体がこわばるときは、無理に目を合わせず休ませてください。

散歩中は、犬が前を見て歩くことも必要です。こちらを見続けさせるより、安全な距離を保って歩けることを優先します。怖い相手に近づけたままアイコンタクトだけを求めないでください。

噛む行動は、遊びと危険な場面を分ける

子犬は、口を使って物を確かめたり遊んだりします。一方、人が近づくと唸る、触ると噛む、物を守って噛むなどの場面を、すべて同じ「噛みグセ」として扱うことはできません。

遊びの中で手を追う場合は、指や服をおもちゃ代わりにする遊びをやめます。犬に合う大きさ・硬さのおもちゃを用意し、破損や飲み込みがないかを見守りながら遊びましょう。

人へ歯が向いて危ないときは、遊びを区切り、安全に距離を取ります。噛んだ犬を抱えてケージへ押し込む、口を押さえる、叩く、わざと手を近づけて慣らす、といった対応は避けてください。人が離れられる柵や動線を、遊ぶ前から準備します。

強く噛む、人の傷が増える、日常のお世話が怖くてできない場合は、成長を待たずに相談しましょう。急に噛むようになった場合や、特定の場所を触ると嫌がる場合は、まず獣医師へ。出血する傷を負った人は医療機関へ相談してください。

遊びや散歩だけでなく、眠れているか、構われずに休める時間があるかも確認します。疲れさせれば噛まなくなる、と運動量を増やし続けないことが大切です。

トイレは、行きやすい場所と褒めるタイミングをそろえる

松尾 ゆうと

トイレは、犬が足を乗せて向きを変えやすく、落ち着いて使える場所へ置きます。寝床や水を飲む場所から無理なく行き来できるか、足元が滑らないか、使った後に汚れたままになっていないかも見てください。

起きた後、食事や遊びの後など、その犬が排泄しやすい時間を観察します。次の機会には、慌てずにトイレへ案内し、排泄が終わった直後、その場所で穏やかに褒めてごほうびを渡します。

失敗したら、叱らずに片付けます。排泄物を見せて叱ったり、音で驚かせたりしても、使ってほしい場所は伝わりません。間に合わなかったのか、場所がわかりにくかったのかなど、直前の条件を見直しましょう。

広さや留守番の長さだけで失敗の理由を決めつけず、排泄の回数、量、時間、場所を記録します。急な失敗、痛そうな排泄、いつもと違う尿や便などがあれば、しつけを強める前に動物病院へ相談してください。

うまくいかない日は、練習を簡単にする

松尾 ゆうと

一度できたことでも、場所や人が変わると難しくなる場合があります。できないたびに合図を増やすより、静かな場所に戻す、取り組む時間を短くするなど、成功しやすい条件へ戻してみてください。

  • 体調や眠気、空腹などに無理がないか。
  • 人や音、おもちゃなど、気になるものが近すぎないか。
  • できた直後に褒められているか。
  • 家族によって合図や対応が大きく違っていないか。

一度に三つ全部を進める必要はありません。危険な場面への対応を先にし、無理なくできることから取り組みます。犬を怖がらせずに進められないときは、家庭だけで抱え込まず相談してください。

基本の練習は、暮らしを助けるために

アイコンタクト、噛む行動への対応、トイレは、それぞれ教える目的が違います。できた技の数を増やすことより、安全に過ごせる場面が増えているかを見ていきましょう。

東京DOGSへ相談する際は、今できること、困る場面、犬が苦手そうなことをお知らせください。年齢や暮らしに合わせて、家庭で先に取り組む内容を整理します。

アイコンタクトの細かな手順と、反応しないときの見直しはこちら。

子犬の甘噛みで傷が増える、遊びを区切れないときはこちら。

トイレの用品・置き場所と練習の詳しい説明はこちら。

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