犬を飼っている飼い主さんなら頻繁に見聞きすることが多い”犬の幼稚園”。
子どもが幼稚園に通うのと同じようなイメージで、犬の幼稚園は通うことで成長や健康、人間社会で幸せに暮らしていくためのしつけを学ぶことができます。
今回は「犬の幼稚園って何するの?どんなところ?」と興味を惹かれている飼い主さんに向けて、仕組みや流れ、学びの内容、メリットまでを解説していきます!
また、この記事の内容は実際に犬の幼稚園を運営している事業者側(プロ)の視点と現場のお客様の声も含まれた有益な内容になりますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
犬の幼稚園って何するの?基本の仕組みや内容を解説!
ドッグスクールやしつけ教室に比べると、犬の幼稚園はネーミングフレーズからイメージできるように親しみややさしさを感じられるのではないでしょうか?
犬の幼稚園は子どもが幼稚園に通うのと同じように、しつけ教室やドッグスクールには見られない長期的なカリキュラムで学び・しつけ・コミュニケーション力を高められる強みがあります。
ここではさらに詳しく、犬の幼稚園でできることをまとめてみました。
犬同士のコミュニティで遊びや学びを得る
犬の幼稚園は人間の子どもが通う幼稚園と同じように、たくさんの犬が通う仕組みになっています。
ドッグスクールやしつけ教室とはしつけスタイルが異なり、他の犬との交流が多くとれるというのが最大の違いです。
なので犬の幼稚園は、他の登園犬との触れ合いの中から正しいコミュニケーションの取り方を学べるため、社会性向上が期待できます。
犬自身に正しい社会性が身につくと「社会性不足」からくる問題行動の改善につながります。
社会性が向上すると普段のしつけのお悩みが改善できる場合があります。
実際うちのお客様でも犬の幼稚園に通いはじめてから「警戒吠えが減った」「他の犬への攻撃行動が減った」などのお声も頂きます。
基本的なしつけを学べる
犬の幼稚園とドッグスクール、しつけ教室との共通点が、基本的なしつけを学ぶということ。
ポイント
- 「基本コマンド」といわれる生活をする上での最低限のしつけ
- 「お手入れのしつけ」で普段のケアをスムーズにおこなうこと
- 「生活トレーニング」といわれる人間社会の様々な刺激に慣らしていくしつけ
- 「トリック(芸)」といわれる犬の個性にあわせた芸のコマンド
などなど、犬の幼稚園では基本的なしつけを学べることによって飼い主さん側の負担をなくしたり、自宅にいる際にも落ち着いて過ごすためのしつけ・ケアができるのです。
また犬の幼稚園で基本的なしつけを学んでおくと、犬によく見られる噛み癖・吠え癖・飛びつき・威嚇、粗相といった犬のしつけにおける問題行動の解決にもつながります。
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ブラッシング、歯磨きなどのお手入れ
犬の幼稚園は、社会化トレーニングや基本的なしつけ、他の犬との遊びやコミュニティ内での学びを得るといったイメージがありますが、ブラッシングや歯磨きなどのお手入れも受けることができます。
ポイント
- ”ブラッシング”毛の汚れを落とし清潔な状態に整える
- ”歯磨き”口腔内の健康と安全を守る
- ”耳そうじ”耳腔内の健康状態を保つ
- ”目ヤニ拭き”眼病予防、涙やけの予防
などの犬のお手入れにはそれぞれに目的・必要性があり、犬が健康で快適に過ごすための重要な要素になります。
そしてお手入れを通して犬が触られると嫌なところ・嬉しいところを把握でき、それを飼い主さんが理解することで自宅で行うコミュニケーションやしつけ、お手入れの方向性が明確になっていきます。
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十分な運動発散で性格の安定化を促進
犬の幼稚園に通うことで、十分な運動発散をとることが出来ます。
他の犬との遊びやドッグトレーナーとのしつけを通して効率の良いエネルギー消費がおこなわれるため十分な運動発散が可能です。
犬にとって「十分な運動と発散」はとても大切なものです。
みなさまが思っている以上に大切なものです。
「犬の唯一の娯楽は運動である。」
という言葉があるくらいに犬にとって運動と発散はなくてはならないものです。
十分な運動発散をしてあげることで、犬の性格の安定化につながり問題行動の予防や改善につながる場合があります。
運動不足やフラストレーションが溜まっていると「過剰な興奮癖」「過剰な吠え癖」「過剰な噛み癖」などがでるケースがあります。
実際に現場で見ていても感じるところです。
うちのお客様でも「吠え癖」「トイレの失敗」「噛み癖」などのお悩みを抱えている方が愛犬に運動発散を十分にとらせてあげることで改善される事例を多く見てきました。
つまりは「十分な運動発散」は重要ということです。
そしてこの十分な運動と発散が犬の幼稚園で楽しくとれるということ。
もうこれはやるしかない。
そういうことです。
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犬の幼稚園ってどんなところ?一日のスケジュールをプロが解説!
見学や体験などは気軽にできることが多い犬の幼稚園。
これから愛犬を犬の幼稚園に通わせたいと考えている飼い主さんに向けて、知っておくと安心の犬の幼稚園での1日スケジュールを詳しくお伝えします。
それぞれのポイントや目的もさっそくチェックしてみましょう!
*下記に記載しているものは、あくまでも一例であり、犬の幼稚園によって実際の内容やタイムスケジュールは異なります。
step①飼い主さんと登園
犬の幼稚園のファーストステップ、飼い主さんと登園したら、
ポイント
- 先生と触れ合う、挨拶を交わす
- 愛犬に変化、異状がないかを簡単にヒアリング
してもらうことができるので、飼い主さんも不安なく愛犬を預け飼い主さん自身の時間を過ごすことができます。
step②健康チェック
実際の動作や状態を観察して犬の健康にがないかをチェックします。
心配な不備が見つかった際は飼い主さんへの対処法、ケア方法も細かに伝えてもらえるため、早期発見・回復につながるでしょう。
step③遊び、しつけ、お昼寝
犬同士を自由に遊ばせたり、前項でお伝えしたしつけをひととおり行ったらお昼寝タイムになります。
遊びからしつけ、お手入れからお昼寝までの流れがルーティンになり、とても規則正しいことで愛犬にも良い影響・体内時計の安定にアプローチできます。
step④お散歩レッスン
幼稚園内から屋外に出るお散歩レッスンは、リアルなお散歩時間に起こりやすい飛びつき・飛び出し・吠え癖・威嚇の解消・予防につながります。
幼稚園内とは違った環境でのお散歩になるため、犬にとってのストレス解消にも役立つでしょう。
step⑤お迎え
飼い主さんがお迎えしてひととおりの幼稚園時間が終了します。
お迎えの際はトレーナーによって1日の愛犬の様子を聞くことも可能なので帰宅後のしつけやコミュニケーションの方向性が掴みやすくなりますよ。
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プロトレーナーのぶっちゃけ
ここまで色々説明させて頂きましたが、犬の幼稚園を運営している僕の個人的な見解で「犬の幼稚園」というサービスへの分析です。
まず、おすすめな方は
ポイント
- 予算に余裕がある
- 犬のしつけ、社会性の向上を真剣に考えている
- 軽度の問題行動の改善を目指している
- 日中仕事や家事でなかなかかまってあげられない
- 都心部に住んでいてしつけが難しい
- 都心部に住んでいて犬の運動量の確保が難しい
- 日中ワンちゃんと離れるのが苦痛ではない
上記の方におすすめです。
犬の幼稚園を利用する際の注意ポイントは
注意ポイント
- 犬の幼稚園の”しつけの質”を精査する必要がある
- 運営者の経歴や資格など信憑性
- しつけ方針がオーナー様と合うかどうか
- ドッグトレーナーとのフィーリング
- サービスの継続利用に伴う予算の問題
などが判断材料になってきます。
犬のしつけの成果は継続的な利用が必要になってくることや予算の問題などオーナー様自身の現状を考えて利用を検討してみて下さい!
おわりに
愛犬、飼い主さんにとって有意義な時間を過ごせる犬の幼稚園。
今回のコラムをきっかけにぜひ犬の幼稚園を利用し、問題行動やしつけの悩みを早めに解決してください!