ボーダーコリーのしつけと育て方|警察犬ドッグトレーナーが運動・遊び・休息を解説

犬のしつけ
ボーダーコリーと松尾邑仁が写る東京DOGS公式犬種解説のサムネイル

ボール遊びの後も家の中を動き回る。窓の外の人や車を見つけると、急に気持ちがそちらへ向く。ボーダーコリーとの暮らしで困った時は、「もっと運動が必要なのか」だけでなく、何を見て、どんな遊びをして、その後に休めているかまで振り返ってみましょう。

賢い犬と聞くと、すぐに何でも覚えてくれそうに思えます。ただ、学ぶ力があることと、人が望む暮らし方を初めから知っていることは別です。活動を楽しむ時間と、安全に生活するための準備を一緒に考えます。

この記事の目次
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牧羊犬の背景を、家庭の準備につなげる

ボーダー・コリーはイギリス原産の牧羊犬です。JKCの犬種紹介でも、作業能力を重視してきた背景や、鋭敏で注意深い性質が説明されています。周囲の小さな動きへ注意を向ける姿も、まずはその犬の興味や反応として見てみてください。

その一方で、車を追う、音へ吠えるといった行動の理由を、すべて牧羊犬の本能だけで決めることはできません。起きた場面、相手との距離、体調、これまでの経験も関係します。「犬種だから仕方ない」と、危険な場面を繰り返さないようにしましょう。

東京DOGSの公式動画では、ボーダーコリーの魅力と、動くものへの反応など現場で相談される悩みを紹介しています。一頭ずつ違うことを前提に、家庭で何を準備するか考えるきっかけとしてご覧ください。

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追いかける反応は、試すより先に起きる場面を減らす

車、自転車、走る人が近くを通る道で、追わずに待てるかを試すことはしません。反応が出てから何度も合図を出すより、交通量の少ない時間を選ぶ、手前の道へ曲がるなど、安全に距離を取る予定を立てます。

家の中では、窓越しに通行人を見続ける配置になっていないか確認します。見え方を変える、窓から離れた側に寝床を置くなど、人が変えられるところから始めましょう。目隠しをしても別の場所へ移って吠え続けるなら、それだけで対策が済んだとは判断しません。

子どもやほかの動物を追う場合も、相手を練習に付き合わせず、大人がゲートや扉で接触を防ぎます。人が安全に制御できない、噛む危険がある時は、家庭だけで接近練習を始めないでください。今起きている場面と住環境を、対面で支援できる専門家へ伝えます。

考える遊びも、分かるところから短く始める

ボーダーコリーだからと、難しい課題を次々に用意する必要はありません。名前を呼ぶと顔を向ける、人のそばへ戻る、決めた場所へ自分から向かう。日常で使う小さな行動を、静かな場所で一つずつ教えます。

できた瞬間に穏やかに褒め、その犬が喜ぶごほうびを渡します。食べ物を使う時は日々の食事量に含め、食事制限があれば獣医師に確認してください。合図を何度も強く言うより、周囲の刺激や求めた時間が難しすぎなかったかを見直します。

おもちゃを使う遊びでは、滑る床、家具の角、急な跳び上がりに注意します。ボールを投げ続けて疲れさせるだけにせず、短く遊んで終える、においを調べる、穏やかに人と過ごすなど、活動の種類も変えてみてください。動きが激しくなり、人の手や服へ歯が当たる時は、そのまま盛り上げず安全に中断します。

活動だけで一日を埋めず、休める時間を残す

散歩や練習が終わっても、家族が次々に声をかけたり、おもちゃを見せたりしていないでしょうか。犬が寝床へ戻ったらそっとしておくなど、家族の接し方にも区切りをつけます。休んでいる犬を起こして、練習の回数をそろえる必要はありません。

静かに過ごせる場所は、人がまたがずに通れる位置へ用意します。マットを使う場合も、そこへ乗ることと、本当に休めることは別です。伏せたまま人の手を見続けているなら、姿勢を保てたことだけで落ち着いたとは決めません。

休ませるために、嫌がる犬を長くつないだり、慣れていない囲いへ押し込んだりしないでください。家庭でマットを使う時の始め方は、次の記事で説明しています。

関連記事犬のマットトレーニングの教え方|警察犬ドッグトレーナーが家で休む練習を解説記事を読む →

社会化は、たくさん近づけることではない

知らない人や犬へ必ず挨拶させる、大きな音を我慢させる、といった目標にしません。離れた位置から見て通り過ぎる、短く経験した後に休むことも、暮らしに必要な練習です。

慣らす時は、近さ、音の大きさ、過ごす時間を一度に増やさないようにします。顔を戻せる、周りのにおいを調べるなど、普段の行動も見ながら進めましょう。食べ物を受け取れたという一点だけで、平気だとは判断しません。

怖がって離れようとする、固まる、吠え続ける場合は、そのまま待って慣らそうとせず距離を取ります。子犬の外出範囲は、接種状況や地域の感染症リスクも含めて獣医師へ確認してください。人・犬・音ごとの考え方は、こちらで詳しく紹介しています。

関連記事犬の社会化の進め方|警察犬ドッグトレーナーが解説記事を読む →

迎える前に、忙しい日にもできる世話を考える

休日にたくさん遊べるかだけでなく、仕事のある日に散歩や排泄、食事、お手入れを誰が担当するかまで考えます。犬が落ち着けない日や、担当者が不在の日に、頼れる人や相談先があることも大切です。

迎え先には、普段の活動内容、休む場所、人や音への反応、食べ物や玩具の扱い、お手入れで嫌がる場面を聞きます。見学中に元気だった、短く静かにできた、という一場面だけで家での暮らしを決めないようにしましょう。

毛の手入れや足先への接触も、受け入れやすいところから短く行います。急に触られるのを嫌がる、歩き方が変わるなどの時は、しつけや性格の問題とせず、体調について獣医師へ相談してください。

運動時間や飼育経験だけで、向き不向きを決めない

毎日何時間動かせばよいかは、犬種名だけでは決められません。年齢、健康状態、その日の気温、活動の内容で変わります。長く走らせても休めないなら、量を足す前に、刺激の多さや休息の邪魔をしていないかを見直してください。

初めて犬を飼う場合も、「初心者だから無理」「賢いから簡単」という二択ではなく、必要な世話を続けられるかを具体的に確かめます。迎える前から専門家へ生活の予定を相談しても構いません。

今日の見直しは、何度も反応する場面を一つ減らし、遊びを短く終えて休む時間を作ることから。うまくいかなかった場面を犬の性格だけで説明せず、何を変えられるかを家族で考えてみてください。

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