犬の社会化トレーニングというしつけはよく見聞きしますが、実際にどんな目的・やり方があるのか、まだまだ疑問に思う飼い主さんも少なくはないでしょう。
愛犬をいろいろな場所や音、他の人や犬に慣れさせるしつけのことをいう社会化トレーニングについて、今回は必要性や目的、具体的な手順を詳しくお伝えしてみたいと思います。
この記事の内容はスクールでも実際にお客様にご案内しているものになりますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
犬の社会化トレーニングとは?目的や必要性をチェック!
犬の社会化トレーニングは、「愛犬が社会に順応するチカラを養う」という必要性や目的があります。
犬の社会化トレーニングをしておくと、人間や他の犬との触れ合い、社会の中で頻繁に見聞きする音やモノに順応でき、犬本来の好奇心や従順さを育てていくことができます。
逆に犬の社会化トレーニングを怠ってしまうと、他の犬や人とコミュニケーションがうまくできずに問題行動を起こしたり、慣れない音やモノに敏感になり過ぎて、引きこもりのようなトラブルが生じてしまう心配があります。
そして犬の社会化は、生後2~3ヶ月頃の社会化期といわれる時期にとりくむことが重要です。
この社会化期に良い経験と体験を積むことが成犬になってからの社会性に大きく関わってきます。
犬の社会化トレーニング!しつけの流れや手順を押さえておこう
犬の社会化トレーニングは、人やモノ、他の犬との触れ合いをさせながら社会に順応させていく重要な目的があります。
では、犬の社会化トレーニングは具体的にどんなしつけが必要になるのでしょうか?
ここではしつけの方法とそれぞれの目的、注意点を合わせて解説してみたいと思います。
人との触れ合いに慣れさせていこう
社会化トレーニングで愛犬に初めに教えておきたいポイントは、人とのふれあい。
飼い主やご家族以外の第三者が抱っこ、愛撫をしたり、おもちゃやおやつを使って遊ばせる社会化トレーニングは、愛犬に「人との触れ合いが楽しい」と学んでもらうための必要性・目的があります。
飼い主さんとの触れ合いに馴染んできたら、次は他の人とのふれあいもスムーズになるよう、お散歩やドックカフェ、動物病院などに出向いて、他の人との良いコミュニケーションを積極的に取ってみましょう。
この時期の愛犬の社会化が、どんなタイプの人に警戒心を抱くのかの判断もできるようになります。
取り組む際の注意点としては、子犬の緊張や恐怖が強すぎるとマイナスな「恐怖体験」で終わってしまい良くない社会化になってしまう可能性があります。
なので「ちょっと緊張するけど大丈夫!」という刺激の強度で愛犬に社会化の機会を与えてあげましょう!
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お部屋の中のモノ、音に慣れさせる社会化トレーニング
犬は飼い主さんが思っている以上に敏感で繊細な性質を持つため、見慣れないもの、聞き慣れない大きな音を聞くと、とてもびっくりして本来の好奇心が活かされなくなってしまいます。
おうちの中は愛犬が長く過ごす場所でもあり、さまざまな音やモノに慣れていないと、そこがストレスの場となってリラックスできず、問題行動や重大な病気、ケガの原因になることもめずらしくはありません。
お部屋の中のモノ、生活していく中で発せられる音に愛犬を慣れさせる社会化トレーニングは、
ポイント
- はじめは小さい音を出して慣れさせていく
- 音にびっくりして遊びや食事を中断したら、敏感で繊細な性質と判断できる
ため、音やモノの社会化トレーニングをした際の愛犬の反応を見逃さないように確認しておくようにしましょう。
犬の性質や犬種によっては、ものや音に怖がらない、逆にちょっとの音でも過度に反応するタイプがあるため、今後のしつけの方向性を判断するためにも音やモノでの社会化トレーニングは早い段階で行うことがおすすめです。
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犬同士の遊び、触れ合いに慣れてもらう社会化トレーニング
愛犬とお散歩やドッグカフェ、動物病院に出向いた際は、必ずと言っていいほど他の犬や飼い主さんとの出会いがあります。
他の犬や飼い主さんと触れ合う社会化トレーニングが十分でないと、怖がって威嚇したり、飛びつきや噛みつき、無駄吠えなどの問題行動が繰り返されてしまいます。
他の犬や飼い主さんにも愛される順応力のある愛犬を目指すために、ドッグカフェや動物病院、お散歩時の遊びや触れ合いを積極的に作るようにしましょう。
ただ、犬にも相性の良い他の犬、飼い主さんのタイプがあるので、いつもは見られないような過剰な行動が出た場合は様子を見て決して無理をさせないよう気を付けてくださいね。
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外の世界に慣れてもらう社会化トレーニング
犬は基本的に外の世界に興味が強く、飼い主さんと外の世界でお散歩するひとときを楽しみに感じる部分があります。
ただ、外の世界は行きかう車や電車、踏み切り、人ごみなど愛犬が見たことのない世界が広がっているため、
ポイント
- はじめのうちは抱っこをして外を歩く
- お散歩は短い距離にとどめる
ようにすると、愛犬に刺激や恐怖心を与えずに慣れさせ、少しずつ外の世界の楽しさを認識するようになります。
外の世界に慣れてもらう社会化トレーニングは、生後2~3ヶ月程度を目安に始めることがおすすめです。
さいごに:プロトレーナーのぶっちゃけ
ここまで読んでいただいた方はワンちゃんの「社会化」の重要性がご理解頂けたはず。
職業柄お客様のワンちゃんでも幼少期の頃に良い社会体験ができずに「問題行動」に発展してしまう事例を数多くみてきました。
成犬になってからの問題行動修正(しつけやトレーニング)は幼少期にくらべて余計に「時間」や「労力」がかかってくる傾向にあります。
なので、飼い主さんのできる範囲で構いませんので幼少期の頃に社会化のしつけを取り組んでいくことをおすすめします!
おわりに
人やモノ、他との犬に慣れさせていく犬の社会化トレーニングは、飼い主さんと愛犬が豊かに健康的に暮らしていくために必要不可欠なしつけになります。
生後12~13週が社会化トレーニングに順応しやすいタイミングとなるため、この時期にさっそくしつけをスタートして、愛犬本来の精神面の豊かさをどんどん引き出してあげてくださいね!