ヨークシャーテリアの暮らしとしつけ|警察犬ドッグトレーナーが散歩・手入れ・遊びを解説

ヨークシャーテリアは小さいから、困ったら抱き上げればよい。
そう考えていても、散歩の支度で逃げる、家具の下へ入り込む、遊んでいる物を取り返せないといった場面には戸惑うものです。
小さな体に合わせて家を整えながら、犬が自分で近づく、歩く、休みに戻るという動きを、毎日の中で増やしていきましょう。
人が全部を代わりに行うのではなく、安全な条件でできることを選んでいきます。
この記事では、床や出入りの準備から散歩へ出るまで、帰宅後の手入れ、遊びの終え方へと、暮らしの流れに沿って説明します。
テリアだから必ず吠える、追いかける、と性格を一律に決めるためのものではありません。
犬種共通のブラッシングの解説です。
使う道具やとかし方は、実際の被毛を見てもらいながらトリマーへ確認してください。
公式動画|家でブラッシングを始めるコツサムネイルをタップしてYouTubeで見る
まず、犬が使う通り道を低い位置から見る
人が立って見ると片づいていても、ソファの下に包装の切れ端や髪留めがある、扉の下に体が入りそうな隙間があるなど、小さな犬の目線では違う問題が見つかります。
寝床から水やトイレへ行く道、家族が椅子を動かす場所も見ておきましょう。
物を口にしそうな時、飼い主が毎回先回りして取り返すより、拾える物を減らす方が始めやすくなります。
家具の奥へ入った犬を追って手で引き出す流れにならないよう、入ってほしくない隙間は、犬が通る前に安全にふさぎます。
仕切りは高さだけで選ばず、下や横を抜けられないか、扉を開ける時に犬が直接玄関へ出られないかを確認します。
犬をわざと勢いよく向かわせて強さを試す必要はありません。
設置方法や適合条件が分からない設備は、仕様を確かめてから使ってください。

室内の足元は、走る時や方向を変える時に滑らないかを確かめます。
家具からの飛び降りを遊びにするより、安全に移動できる配置を選びます。
滑りやすい床を走らせる代わりに敷物を使う時も、端をかんでめくったり、敷物ごとずれたりしないかを見ます。
犬の動きや成長、家具の置き方が変われば、前に安全だった場所も確認し直しましょう。
人へ近づくことを、捕まる合図にしない
散歩の前や手入れの時だけ名前を呼び、来たらすぐ抱いて長い作業をする。
そんな流れでは、犬が近くへ来ても、手が伸びたところで離れる場合があります。
名前へ反応して近づいたら穏やかに応じ、そのまま自分の場所へ戻れる場面も用意します。

小さな犬の練習では、人が見やすい位置へ犬を乗せるより、人の方が姿勢を変えてあげてください。
ごほうびも鼻先へ届く高さで。
飛び上がらなくても受け取れるようにしましょう。
食べ物を使う時は、その日に与える分に含めて少量を用意します。
犬が鼻先を上げ続けたり、立ち上がったりしなくても届く位置で渡しましょう。
四本の足が床についている時に渡したいなら、人もその瞬間に応じられる姿勢を取ります。
手へ飛びつき始めたら、もっと高く持って待たせるのでなく、いったん動きを止めます。
次は、人が立つ位置、手の高さ、周りのにぎやかさのうち、難しかった条件を一つ戻します。
小さな体を練習しやすい高い台へ乗せる必要はありません。
近づくことへ慣れる練習と、今必要な移動は分けて考えます。
危険を避けるために抱いて移動する必要がある時は、安全に体を支える方法を選びます。
嫌がって口を向けるなど、家族だけで扱うのが難しい場合は、追い詰めて捕まえる前に相談してください。
散歩の支度は、玄関を開ける前に落ち着ける場所で
リードを持つと玄関へ走り、犬を追いながらハーネスを着ける。
支度の段階で勢いがつくなら、玄関へ直接進めない仕切りと、装具を着ける場所を決めておきます。
家族が入れ替わっても、扉を開ける前に犬がどこにいるかを確かめられるようにしましょう。
首輪やハーネスは、見た目の小ささだけで選びません。
製品の着用方法に沿い、毛を挟んでいないか、留め具が閉じているか、立つ・歩く動きの中でずれや当たりがないかを見ます。
抜けるかどうかを確かめるために、犬を無理に後ろへ引かないでください。
ヨークシャーテリアの細く長い被毛は、毛を伸ばすか短く整えるかでも見え方が変わります。
カットや成長の後も、以前と同じ穴や調整位置で合うと思い込まず、迷う場合は装着した状態を専門家へ見てもらいます。
外では、においを嗅ぐ場所と安全に通る場所を分ける
外へ出る時期や場所は、犬の体調と予防の状況に合わせて選びます。
子犬や療養中の犬など、始め方に迷う場合は獣医師へ相談し、無理に長く歩かせないようにしてください。
車や自転車が近くを通る所、人が多くすれ違う道で、リードを自由に伸ばす必要はありません。
安全に管理できる場所へ移ってから、周りを見たりにおいを嗅いだりする余裕を作ります。

においを嗅ぐ時間は作りつつ、口に入りそうな物が多い場所は避けます。
拾った物を取り返すために口をこじ開けたり、地面へわざと食べ物を置いて試したりしないでください。
拾い食いが続く場合は、取り上げる技術だけを増やすのでなく、口に入る物が多い道や飼い主が離れすぎる条件を見直します。
飲み込んだ疑いがある時は動物病院へ連絡してください。
予防と対処の詳しい考え方は、こちらで確認できます。
散歩中の犬へ吠える時は、挨拶より距離を
相手へ近づけば慣れるはずと、抱き上げて犬同士の顔を近づけないでください。
自分の足で周囲を見ていられる距離を選び、立ち止まって見続けるより別の道へ移れる余地を残します。
相手が離れた後も強く興奮する、家族が安全に管理できない時は、その場で同じすれ違いを繰り返しません。
散歩中に犬や人へ吠える場面への対応は、次の記事で説明しています。
帰宅後の手入れは、抱いて全部終えることだけを目標にしない
足を拭く、被毛についた物を見る、ブラシを使う。
必要な世話が続く時も、同じ姿勢で長く抱き続ければよいとは考えません。
家族が扱える道具を手元にそろえ、犬が滑らない低い場所で受けられる範囲を選びます。
手は添えられるのに布を見ると避けるなら、次の練習では布を近づけず、見せるだけの段階へ戻します。
布は平気でも足を持つと体が硬くなるなら、握って保持するところから始めません。
平気な部位への短い接触を、必要な処置とは別の機会に教えていきましょう。
毛玉や痛みのありそうな場所を、引っ張ってほどこうとしないでください。
顔や足へ触れると急に嫌がる、口を向けるなどの変化がある時は、慣れの問題とせず相談します。
ブラシの選択と使い方、家庭で行う部位は、被毛の状態を見てもらいながらトリマーへ教わります。
小さいおもちゃをたくさん用意するより、安全に使える一つから
体が小さい犬でも、小さいおもちゃほど合うとは限りません。
口へすっぽり入るもの、かみ取って飲み込みそうな部品があるものは避けます。
最初は大人が見ている中で、くわえて運ぶのか、端を細かくかむのか、使い方まで確かめてください。
人の手足を追わせる代わりに、安全な道具で短くやり取りし、興奮が上がり続ける前に区切ります。
犬が放したらすぐ奪って隠すばかりでなく、落ち着いた別の場面で、放した後にもよいことがあると教えていきましょう。
物を守って唸る、体を固める、手へ口を向ける場合は、反応を確かめようと取り上げないでください。
体が小さくても、押さえつけて続ける対応はしません。
安全に距離を取り、扱い方から相談します。
物を守る反応がなく、おもちゃを放す練習をしたい時の進め方は、こちらの記事で確認できます。

愛犬に合う遊びと休息を選び、小さい体に合う道具と接し方を整えましょう。
人が全部動かすのではなく、犬が無理なくできる行動を増やしていきます。
暮らしを一度に変える必要はありません。
床に口へ入りそうな物があるなら、まず片づける。
散歩の支度で追いかけ合いになるなら、出入りの配置から変える。
まず安全を整えたい場面から、一つずつ取り組むことで、犬が自分でできることも、家族が安心して任せられることも増やしていきましょう。
犬種共通のブラッシングの解説です。
使う道具やとかし方は、実際の被毛を見てもらいながらトリマーへ確認してください。
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