犬のしつけができない時は?|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬のしつけ
落ち着いた犬の表情

本や動画で調べて練習しているのに、犬が思うように動いてくれない。

「自分にはしつけができないのかも」と、悩んでしまうこともあるでしょう。

そんな時は、叱り方を強くしたり、練習量を増やしたりする前に、何を教えたいのか、どう伝えているのか、今の犬に難しすぎないかを確かめてみましょう。

できないことを、飼い主の根気や犬の性格だけで説明することはできません。

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最初に、体調と安全を確認する

急にできなくなった、触ると嫌がる、歩き方や排泄が変わったなどの場合は、練習の不足ではなく体調の問題が関わっていることもあります。

まず動物病院に相談してください。

噛まれるおそれがある、散歩で支え切れない、犬が震えたり逃げようとしたりする場面では、同じ状況を繰り返して練習しないでください。

接触を分ける、相手から離れるなどの安全確保を優先します。

体調や危険の心配がなければ、次の3点から練習の進め方を見直してみましょう。

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1.「ダメ」だけで、してほしいことを伝えていない

犬に何かをやめてほしい時、「ノー」「ダメ」と言うだけになっていませんか。

犬にとっては、どの行動をやめ、次に何をすればよいのか分からない場合があります。

声を低くすれば伝わる、高い声だと必ず褒められたと思う、と単純には決まりません。

声の響きで抑えようとするのではなく、暮らしの中で何をしてほしいのか、具体的に決めましょう。

やめさせたい行動を、別の行動に置き換える

松尾 ゆうと

例えば家具をかじるなら、触れられないよう片付けや柵で管理し、かじってよい玩具を用意します。

人のそばで飛びつくなら、まず落ち着ける距離を取り、足が床に付いている様子を褒めます。

これは考え方の例であり、噛む危険がある場面を再現して試すものではありません。

困った行動の後だけでなく、普段から望ましい行動が出た時に褒めることも大切です。

何も困ったことが起きていない時にも、どう関わっているか振り返ってみてください。

2.合図や家族の対応が、毎回違っている

同じ動作にいくつもの言葉を使ったり、昨日はよかったことを今日は叱ったりすると、犬が手掛かりをつかみにくくなります。

家族で使う合図と、できた時の対応をそろえましょう。

一方で、生活のルールを一度決めたら変えてはいけないわけではありません。

暮らしに合わなくなったら、まず家族で新しいルールを共有しましょう。
犬にも、そのルールを改めて教えていきます。

短い合図を、一度伝えて反応を見る

松尾 ゆうと

「おすわり、おすわり」と連呼するのではなく、落ち着いた場所で、教えた合図を一度伝えます。

反応がない時は、聞こえていない、周囲が気になる、まだその場所では分からないなど、条件を確かめてください。

できた瞬間に褒め、その犬が喜ぶ報酬を渡します。

食べ物を使う場合も、目の前に見せ続けなければ動けない状態から、少しずつ合図を手掛かりにできるよう進めます。

詳しい順番は、下の関連記事でも紹介しています。

3.練習の量より、難しさが合っていない

家ではできるのに外ではできない、静かな時は向くのに来客中は難しい。

場所が変わっても同じ行動ができるよう、まだ練習している途中なのかもしれません。

松尾 ゆうと

うまくいかないからといって、その場で何度も繰り返さず、刺激が少ない場所、相手から離れた距離、短い動作へ戻します。

一度に難しくする条件を増やさないようにしましょう。

困っていること まず見直すこと
家ではできるが外ではできない 静かな場所へ戻し、人や犬との距離を取る
合図を何度も言ってしまう 合図がまだ分かっていない可能性を考え、教えた段階を戻す
途中から手に飛びつく、落ち着かない 興奮や疲れがないか確認し、いったん休む
急にできなくなった 痛みや体調、生活環境の変化を確認する

眠い時や疲れた時まで続ける必要はありません。

短い練習でも、何ができて、どんな時に難しかったかが分かれば、次の練習に役立ちます。

まとめ|うまくいかない場面は、記録して相談する

相談する時は、その行動の直前・最中・直後に何があったか、分かる範囲で教えてください。

「言うことを聞かない」だけでなく、相手との距離、周りの音、使った合図、褒めた時点などが分かると、手順を見直しやすくなります。

普段の様子を安全に撮れた映像があれば役立ちますが、撮影のために怖がらせたり、噛む場面を再現したりはしないでください。

分からない点は分からないまま伝えて構いません。

教室や個別指導を利用する時も、犬を預けて直してもらうだけでなく、家族が家で何を続けるかまで相談しましょう。

東京DOGSへの相談では、できないことだけでなく、普段うまくいく場面もお伝えください。

しつけが進まない時に必要なのは、犬や飼い主を責めることではありません。

安全と体調を確かめたうえで、教えたい行動、伝え方、練習する場所や状況を、ひとつずつ見直していきましょう。

生活に必要なしつけを、どの順に進めるかはこちらへ。

犬のしつけの順番と最初にすること|警察犬ドッグトレーナーが解説

自分で続けるか、教室の力を借りるか迷っている方はこちらへ。

犬のしつけは自分で?教室で?|警察犬ドッグトレーナーが解説

 

相談先を選ぶ時は、担当者の説明と家庭での指導も確認してください。

ドッグトレーナーの選び方|警察犬ドッグトレーナーが解説

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