犬がおすわりできない時は?|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬のしつけ
座った犬の姿勢

初めておすわりを教えているのに、おやつへ跳びつく、後ろへ下がる、おやつだけを追いかける。

そんなときは、言葉を繰り返す前に、手の位置と動かし方を見直してみましょう。

この記事では、犬が自分で座る動きを引き出し、手の合図と言葉につなげる手順を中心に説明します。

お尻を押したり、顎を持ち上げたりして座らせる必要はありません。

犬が自分で座れるように、伝え方や練習する環境を見直していきましょう。

以前はできたのに急に嫌がる場合や、足腰に違和感がある場合は、練習より先に獣医師へ相談してください。

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おすわりができない時は、体調と練習する条件を確認する

おすわりをしないからといって、わがまま、飼い主を下に見ている、と決めつけません。

合図をまだ覚えていないのか、手の動きが分かりにくいのか、周りが気になるのか、座る姿勢がつらいのか。
考えられる理由を、一つずつ見ていきましょう。

急にできなくなった、座る姿勢を嫌がる場合

立つ時や座る時の動き、歩き方、普段の休み方に変化がないか、見てみてください。

痛そうにする、足をかばう、触られるのを急に嫌がるなどの変化があれば、練習をやめて動物病院へ相談しましょう。

原因を確かめるために腰を押したり、何度も座らせたりしないでください。

犬に負担をかけずに気になる様子を記録できれば、診察でも伝えやすくなります。

静かで滑りにくい場所を選ぶ

松尾 ゆうと

最初は、人や犬の出入りが少ない室内で練習します。

足元が滑る、周りのおもちゃが気になる、窓の外へ意識が向いてしまうなら、場所や配置を変えてください。

窓を閉める場合も室温や換気に配慮します。

眠い、疲れている、遊びで興奮しているときは無理に続けません。

「決まった時間は集中できるはず」と決めず、短く試して、できたところで褒めて休みましょう。

その犬が受け取りやすいご褒美を用意する

食べ物を使うなら、体調や食事量に合うものを少量用意します。

食事制限やアレルギーがあれば、使ってよいものを獣医師に確認してください。

食事を抜いて練習への意欲を高めようとしないでください。

穏やかな声や遊びが好きな犬もいますが、抱っこやハグ、頭をなでることがいつもご褒美になるとは限りません。

犬が避ける、体を固くするなどの変化があれば、接し方を変えましょう。

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お尻を押さずに、おすわりを教える手順

初めは、何度も言葉を聞かせるより、犬がどのように動けばよいか分かるように誘導しましょう。

首や背中を無理に反らせず、自分で座れたところを褒めていきましょう。

1.鼻先の近くで食べ物に気付いてもらう

犬が立った状態で、鼻先の近くへ食べ物を持った手を出します。

勢いよく手へ跳びつく場合は、いったん落ち着ける場所へ戻り、手を動かす速さや距離を調整してください。

2.手をゆっくり動かし、自分で座るのを待つ

鼻先が手を追える範囲で、手を少し上へ、犬の頭側へゆっくり動かします。

頭が上を向いたときに、お尻が下がる動きにつながれば、そのまま座るのを待ちましょう。

手を高く上げすぎたり、後ろへ大きく動かしたりすると、跳びついたり後ずさったりすることがあります。

座らなければ無理に続けず、いったん手を戻しましょう。
そこから、手を出す位置を見直してみてください。

顎や首を手で動かしたり、腰・お尻を押したりしません。

3.お尻が床に着いたところで褒める

自分で座れたら、その場で穏やかに褒めてご褒美を渡します。

立ち上がってから渡すのではなく、座れたことが伝わるようにタイミングを合わせましょう。

初めから長く座り続けてもらおうとしなくて大丈夫です。

短く座れたらいったん終わりにし、立って動いてよいことも伝えます。

長く待つ練習とは分けて進めてください。

4.手の誘導が分かってきたら、食べ物を見せずに試す

松尾 ゆうと

手の動きで座れるようになったら、食べ物を持っていない手で同じ合図を出してみます。

座れたら褒め、用意しておいたご褒美を渡してください。

できなければ手の動きを分かりやすくするなど、一つ前の練習へ戻します。

食べ物を見せないことと、ご褒美を急になくすことは別です。

5.「おすわり」の言葉を手の合図につなげる

手の合図で座る動きが分かってきたら、短く「おすわり」と伝えてから、いつもの手の合図を出します。

座れたところを褒め、慣れてきたら手の動きを少しずつ小さくしていきましょう。

使う言葉は、家族でそろえておきましょう。

一度に「座れ」「おすわり」「待て」を重ねず、何を教えているかを分かりやすくしてください。

手の合図なら座れるのに、言葉だけでは反応しない。
慣れた室内ならできても、外では難しい。
そんな時は、どこまで伝わっているのかを確かめながら教え直しましょう。

その見直し方は、次の記事で説明しています。

跳びつく・後ずさる・すぐ立つ時の見直し方

うまくいかない時は、声を強くしたり体を押さえたりする前に、直前の犬の動きと、手の位置を見てみましょう。

一度にあれもこれも変えず、どんな場所や手の位置で試したかを短く残しておくと、振り返りやすくなります。

犬の様子まず見直すこと
手へ跳びつく手を高く上げすぎていないか、動きが速くないか。興奮しているなら練習を休む
後ろへ下がる手を頭の後ろへ動かしすぎていないか、床が滑っていないか。追い詰めて座らせない
おやつだけを追い、座らない鼻先が追える距離とゆっくりした動きに戻す。難しい場合は無理に続けず相談する
座ってもすぐに立つまず短く座れたことを褒める。待つ時間を同時に長くしない
ご褒美に反応しない体調、眠気、周囲の刺激を確認する。食事を抜いたり無理に口へ入れたりしない
座るときに痛そうにする練習を中止し、獣医師へ相談する。姿勢を強制しない

家でできても、外では条件を戻して教える

室内で座れても、屋外の音やにおい、人や犬の動きが気になると難しくなります。

できていたはず、と何度も合図を繰り返さず、落ち着ける場所と距離を選び直しましょう。

屋外ではリードやハーネスなどで逸走を防ぎ、安全を確保します。

おすわりができれば飛び出しや噛みつきが必ず防げるわけではありません。

道路の近くや、他の犬が迫る場所で合図が効くか試さないでください。

怖がる犬をその場へ座らせ続けるより、距離を取る、静かな道へ移るなどの対応が必要なこともあります。

強い吠え・唸り・噛みがある場合は、合図だけで抑えようとせず、安全管理と専門家への相談を優先します。

よくある質問

子犬はいつから練習できますか?

月齢だけで一律に待つのではなく、健康状態とその場の様子に合わせて、室内で短く始められます。

迎えた直後は、食事・排泄・睡眠と安心して休める環境を先に整えましょう。

おすわりができるまで散歩へ行かない方がよいですか?

おすわりの完成だけを散歩開始の条件にはしません。

接種状況や地域の感染症、健康状態を診察している獣医師へ確認し、安全な外出方法を相談してください。

外では道具と人の管理で安全を確保し、合図の習得だけに頼らないでください。

何日で覚えますか?

犬の経験や体調、練習場所、教え方によって違うため、日数は約束できません。

難しい場面で繰り返すより、どんな場所や教え方なら座れるのかを確かめてみましょう。

進め方に迷う場合は、普段の様子と練習の記録を持ってトレーナーへ相談しましょう。

まとめ|座る動きを分かりやすくし、できたところを褒める

静かで滑りにくい場所を選び、鼻先が追える範囲で手をゆっくり動かします。

自分で座れたらその場で褒め、慣れたら手の合図と言葉につなげましょう。

うまくいかないときに、顎を持ち上げたり、お尻を押したりしないでください。

体調、床、手の位置、周囲の刺激を見直し、短く休みながら進めることが大切です。

しつけを始める時期や、迎えた日の準備を確認したい方はこちらをご覧ください。

おすわり以外の合図も含め、練習の進め方を整理したい方はこちらへ。

練習に使う食べ物の大きさや量で迷う場合は、こちらを参考にしてください。

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