【プロ解説】子犬の甘噛みを劇的に改善するしつけ法!甘噛みの原因と対策をドッグトレーナーが解説!

好奇心旺盛で何にでも興味が沸く子犬ですので、多少の甘噛みなら自然な行動と受け取れますが、あまりにも頻繁に甘噛みされると、イライラモヤモヤ、ケガや信頼関係に影響が出るのではと悩んでしまいますよね。
子犬にとっての甘噛みは成長過程における自然な行動・性質ですが、ちょっとの工夫やアイディアでコントロールし、無理なく抑制できる対策がいくつもあるんです。
今回は子犬の甘噛みに悩む飼い主さんに向けて、そもそもの原因や対策をプロドッグトレーナーが徹底解説!
子犬の甘噛み対策に長年向き合い、解決してきたプロ目線の情報をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧になってくださいね。

動画でも実践しつけ法をかんたん解説しています!
目次
子犬が甘噛みする原因。甘噛み=悪ではないことも理解しておこう!
子犬の成長は本当にあっという間なので、はじめはそうでもなかった甘噛みが強くなると、強い痛みを感じてケガやストレスにつながるのではないかと不安ですよね。
では、どうして子犬は頻繁に甘噛みをしてしまうのでしょうか?
ここでは子犬が甘噛みするよくある原因、甘噛みが決して悪ではない理由も合わせてチェックしてみましょう。
子犬が甘噛みする原因
子犬が頻繁に甘噛みをするのは、以下のような原因・理由があるからなんです。
子犬ならではの習性 | 犬本来の性質、自然な行動 |
歯の生え代わりで口内がむず痒い | 口内のむず痒さを噛むことでカバーしている |
ヒマつぶし | ヒマを感じて本来の性質の甘噛みが頻繁に起こる |
感情表現 | 怒り、嬉しい、楽しい、大好きなどの感情によるもの |
遊び | 噛むことで楽しさ、喜びを感じる、好奇心や欲求を満たす |
コミュニケーション | 飼い主さんと信頼関係を深めるための行動 |
愛情表現 | 飼い主さんへの愛情を本来の性質・噛むことでアピール |
学習 | 噛んでいるものが何なのかを学習、認識する |
飼い主さんへの構ってほしいアピール | 孤独やヒマを感じ、飼い主さんに構ってほしい、遊んでほしいための甘噛みアピール |
子犬の甘噛み=悪ではない
子犬の甘噛みというと、不安やストレスを感じている飼い主さんにとっては、マイナスな行動でしかイメージがないかもしれません。
ただ、子犬の甘噛みの原因を前項にて詳しく見て見ると、決して悪ではなく「子犬が健やかに成長するための目的、過程、月齢における自然な行動」であることが理解できるのではないでしょうか?
月齢による自然な行動、学習や愛情表現のひとつでもあるため、決して頭ごなしに叱りつけたり噛むことを無理にやめさせようと行動を制限するのは、
- 子犬の性格がゆがんでしまう
- 信頼関係が崩れる
- ストレスが溜まる
- 健康面、メンタル的な問題の原因になる
- 攻撃的、または過度に憶病な性格に変わってしまう
という影響が否定できないため、決してきつく叱ったりしないように注意しましょう。
子犬の甘噛みを無理なく自然にセーブ!おすすめの対策【4選】
子犬の甘噛みはもともとの性質、成長過程によるものなど納得できる原因・理由があるので、具体的な対策はハードルが高いのではないかと不安になっていませんか?
子犬の甘噛みは、いつもの日常生活を過ごす上で、ほんのちょっとの工夫とアイディア、考え方ですぐに解決・緩和・予防できます。
ここでは子犬の甘噛みを無理なく自然にセーブでき、実際に成果を実感している方も多い、おすすめの対策4選をわかりやすくご紹介します。
子犬の甘噛み対策おすすめ①環境を整える
子犬の甘噛み対策、はじめにしておいてほしいおすすめの対策ひとつ目は、「環境を整える」ということ。
これは、ワンちゃんが噛んでいいモノ・噛んではいけないものをきっちりと明確にし、噛んではダメなものをワンちゃんのわかる場所・目につく場所に置かないという対策です。
子犬が噛んではいけないもの |
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子犬が噛んでも問題ないモノ |
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上記のように、噛んで良い・NGなものをリストアップして、室内を整理し、環境を整えるところから始めてみましょう。
好奇心旺盛な子犬は、もともとの噛む習性もあって目についたもの何にでも興味を示し、口に含んでしまいます。
ワンちゃんが噛んではいけないものには重大な事故につながるおそれのあるアイテムもたくさんのため、まずはリストアップをして室内の環境を見直し、整えていくようにしましょう。
子犬の甘噛み対策おすすめ②運動の時間を増やして発散させる
子犬の甘噛み対策、2番目にご紹介するポイントが、「運動発散を十分に取らせてあげること」です。
成犬に比べて好奇心旺盛、常に動いてエネルギーを発散させるのが子犬ならではの性質で楽しみでもあるため、運動不足になるとストレスやフラストレーションが溜まり、噛んで発散させようとしてしまいます。
ストレスや退屈による甘噛みは、意外にチカラが強いためケガの原因になることが…!
このような悪影響を避けるためにも、以下のようなメリットがある運動発散の時間を確保してみるようにしましょう。
十分な広さのある庭、広場での運動発散 |
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ボール投げの遊びによる運動発散 |
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おもちゃの引っ張り合い |
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相性の良い他のワンちゃんと遊ばせる |
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子犬の甘噛みの上記のような対策は、甘噛みの原因となるストレスを発散させることはもちろん、子犬の健康的な成長に欠かせない恩恵、社会性を育むメリットがあるため、早めの実践がおすすめですよ。
子犬の甘噛み対策おすすめ③適度に、一時的に距離を取ってみよう
甘噛みのクセがなかなか治らない子犬には、「一時的に、適度に子犬と距離を取ってみること」という対策も効果的です。
甘噛みをやめない子犬には、びっしりついて訓練・しつけをするイメージが強いですが、実は距離を取ることが甘噛みの改善・予防につながることがあります。
この理由は、子犬が甘噛みをしたタイミングで一時的に離れ、適度に距離を取ることで、
「噛んだら遊んでもらえなくなった」「噛んだら大好きな飼い主さんがいなくなってしまった」とマイナスの学びを得て甘噛みの改善・減少につながるためです。
甘噛みをされて大きな声を出したりオーバーなリアクションをしてしまうと、子犬は飼い主さんが喜んでいる・遊んでくれていると勘違いし、甘噛みがエスカレートしてしまいます。
上記のような影響を避けるためにも、甘噛みをされたら一時的に離れたりサークル・ゲージに入れて落ち着かせるなどの対処を繰り返してみましょう。
子犬の甘噛み対策その④噛む欲求を満たすおもちゃ、おやつで対処
子犬の甘噛み対策、最後4つ目にご紹介する対策が、噛むタイプのおやつやおもちゃを有効に使うということ。
トレーナーの個人的なおすすめは「コング」と「ジャーキー」で、
- コングのおすすめポイント:弾力、噛み応えがあることで噛みたい欲求を時短で解消できる
- ジャーキーのおすすめポイント:細かにちぎって与えられてコスパが良い、噛む時間が長くなり嚙みたい欲求を満たす
というそれぞれのメリットがあるので、常備しておくととても便利ですよ。
子犬が噛んだものを離さない…!すぐにできる解決策
子犬が興奮状態にあったり、興奮につながるような環境にいると、噛んでいるものを離さずにいてしまうケースが少なくはありません。
噛んではいけないものを噛み続け、誤飲などのトラブルを避けるためにも、以下のようなしつけや対処で子犬の意識を飼い主さん側に向けてみましょう。
- 愛犬の好きなおもちゃ、おやつを使って気を引いてみる
- 口から噛んだものを離さない場合は犬歯の後ろ側の口を開けさせてみる
何かを噛み続け離さない子犬でも、好きなおもちゃや好物のおやつで気を引くと、自然に今口に含んでいるものを離し事故や誤飲予防につながります。
子犬が噛んではいけないものを噛み続け、口から離した際は思いっきり褒めてあげることも今後の予防対策に効果的です。
それでも子犬が興奮状態にあり、噛んでいるものを口から離さない場合は、犬歯の後ろ側の口を開けさせて取り出すようにしましょう。
この際も決して叱らず、「口の中のものを出してえらいね」と繰り返し褒めてみましょう。
子犬は大好きな飼い主さんに褒められることで、しても良いこと・してはいけないことの区別を学ぶようになるため、しつけは叱らず褒めるが基本ですよ。
プロドッグトレーナーから見た子犬の甘噛みについて【経験と見解編】
本コラムの筆者となるドッグトレーナーは、15年という指導経験の中で繰り返し子犬の甘噛み問題に向き合い、改善・予防のためのトレーニングを指導してきました。
そのような経験から見ると、
- 甘噛みは成犬になると落ち着く
- 子犬の頃からの甘噛みが過度だった7~8割程度が成犬にて落ち着いている
ということが現実。
子犬の甘噛みは成長過程において自然な行動なのだと大らかに受け入れて、必要なしつけや対策をコツコツと積み重ねていく内、月齢による落ち着きが見られることがほとんどといえますよ。
おわりに
子犬の甘噛みは決してマイナスな意味ではなく、本来の性質や成長における自然な行動なんですね。
頭ごなしに子犬の甘噛みをストップさせてしまっては、大切な愛犬のストレスが溜まり、心身の不調や飼い主さんとの信頼関係が崩れるなど良くない影響が出てしまいます。
「子犬の甘噛みは自然な行動」とおおらかに受け入れつつ、甘噛みが自然になくなる環境づくり、遊びの工夫で安心のドッグライフを目指してくださいね!

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