2頭目を迎える前の準備と顔合わせ|警察犬ドッグトレーナーが多頭飼いを解説

犬のしつけ

もう一頭と暮らせたら、愛犬も楽しいだろうか。そう考えた時は、一緒に遊べる姿だけでなく、別々に食べたり眠ったりする毎日も想像してみてください。散歩先で犬と挨拶できても、同じ家で食事や寝床を分け合えるとは限りません。

2頭目を迎える準備では、仲良くさせることを急がず、それぞれが安心して過ごせる場所と世話の時間を用意します。この記事では、迎える前の確認から顔合わせ、家に着いてからの過ごし方までを紹介します。アイキャッチはイメージ写真です。

この記事の目次
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先住犬の困りごとを、2頭目で解決しようとしない

留守番中に鳴く、家族の後を離れずについてくる。そんな時に、犬の友達がいれば寂しくなくなるのでは、と考えることがあります。ただ、新しい犬が来ることで今の不安が減るとは限りません。相手の動きや声が、新たな負担になる場合もあります。

まずは、先住犬が普段どこで休み、食事や排泄、散歩をどう過ごしているかを確かめましょう。痛みや体調の心配、強い恐怖、他犬への攻撃がある場合は、迎える前に獣医師や行動の専門家へ相談します。

東京DOGSの短い公式解説では、複数の犬が同時に吠えたり引っ張ったりする時の対応の難しさを取り上げています。顔合わせの手順を示す動画ではありませんが、家族の人手や役割を考える際の参考になります。

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相性は、犬種や性別だけで決めない

同じ犬種だから合う、子犬なら受け入れてもらえる、と一つの条件で判断しないでください。遊び方、休みたい時間、他犬と過ごした経験、相手から離れたい時の反応も確認します。休む時間が長い犬にとって、子犬の繰り返す接触が負担になることもあります。

迎え先には「犬が好きですか」だけでなく、他の犬と同じ場所でどう過ごしていたかを聞きます。食事中や寝ている時に近づかれた反応、苦手な接し方など、分かっている範囲を共有してもらいましょう。確かめるために食器へ別の犬を近づけるなど、争いを起こす実験は必要ありません。

情報が足りない時は、相性がよいと決めつけず、迎え先や専門家と相談します。短い顔合わせが穏やかでも、その後の同居まで安全だと確定するものではありません。

迎える前に、別々で暮らせる場所と担当を用意する

食事は落ち着ける別々の場所で与え、食べ終えた食器も片づけます。寝床、水、トイレには、もう一頭に近づかなくても行ける動線を用意してください。一つのおもちゃやベッドを共有できるか、初日から試す必要はありません。

ゲートや扉を使う時は、飛び越え、押し倒し、隙間からの接触が起きないか確認します。柵越しでも相手を見続けて休めないなら、視線の通らない部屋を使うなど配置を見直しましょう。分けることは、長時間放置することではありません。それぞれに水、休息、排泄、活動、人と関わる時間が必要です。

顔合わせで一頭ずつ担当する大人がいるか、片方を病院へ連れていく間にもう片方を誰が世話するかも考えておきます。散歩も、最初から一人で2頭を連れる必要はありません。個別に世話をする時間と費用まで含めて、家族で無理なく続けられるか確かめてください。

顔合わせは、近づける前に場所と距離を選ぶ

双方の健康状態と必要な感染症対策を、迎え先や獣医師へ確認します。外へ出る条件が整っていない子犬を、相性を見るためだけに犬が集まる場所へ連れていきません。

成犬同士が安全に屋外を歩ける場合は、どちらかの生活場所を避け、広さがあり、距離を取れる落ち着いた場所を選びます。それぞれに担当者がつき、相手へ引き寄せず、離れて同じ方向へ歩く方法があります。狭い玄関で鉢合わせさせたり、鼻先を向かい合わせたりするところから始めないでください。

見るのは、接触できたかだけではありません。相手を見た後に視線を外せるか、周囲を調べられるか、離れる選択ができるかも確かめます。尾を振った、おやつを食べた、という一つの反応だけで安心とは判断しません。

固まる、逃げようとする、一方的に追う、凝視し続けるなどの変化があれば、距離を取り、接触を増やさず終えます。直接挨拶しない日があっても構いません。うまく会わせようと、その場で何度もやり直す必要はありません。

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家に着いたら、食事と休息を守ることから始める

移動と知らない部屋だけでも、新しく来た犬には大きな変化です。家族全員や先住犬が一度に近づかず、用意した場所で水や寝床を把握し、静かに休める時間を取ります。先住犬の寝床や普段の生活も、急に全部変えないようにしましょう。

食べ物やお気に入りのおもちゃは、それぞれが安心して楽しめる場所で使います。一つの物を間に置いて仲良くさせようとしないでください。家族のそばで張り合う場合も、同時に呼び寄せず、一頭ずつ関われる環境へ戻します。

一緒にいる時間を増やす前に、別々なら食べる、眠る、排泄する、人と過ごすことが普段どおりできているかを見ます。一方が通路を避けて水を飲めない、寝床で休めないなら、配置や接触の量を見直してください。体調の変化は、慣れるまでの我慢で済ませず獣医師へ相談します。

日数ではなく、双方の反応を見ながら進める

落ち着いて過ごせる場面が増えたら、同じ空間にいる時間や距離など、一つの条件だけを少し変えます。長さも距離も場所も同時に変えると、何が負担だったのか分かりにくくなります。難しくなったら、前に休めていた条件へ戻しましょう。

一週間、二週間といった日付は、一緒に留守番を始める期限ではありません。人がそばにいる短い時間に穏やかでも、人が離れた時は条件が変わります。安全性を判断できない間は、互いに接触できない環境で世話をし、必要に応じて専門家に確認してもらってください。

いつも寄り添って眠る関係だけが正解ではありません。互いに干渉せず、離れて休めることも大切です。近づいた時間の長さより、それぞれの生活が保たれているかを見ていきましょう。

唸る・追う・噛む場面では、再会を試す前に相談する

唸りを叱って止め、接近を続けないでください。その時の距離、食べ物や寝床、人の位置などを振り返り、まず接触を避けます。争っている犬の首輪や口元へ手を伸ばして分ける方法は危険です。家族が安全に接触を防げない場合は、家庭だけで再会を試さないでください。

咬傷、強い恐怖、一方が追われ続ける状態があれば、獣医師や実際の生活環境を見られる専門家へ早めに相談します。記録のために争いを再現せず、安全に分かった状況だけを伝えます。迎える前なら、迎え先とも今後の支援や迎える時期を相談しましょう。

多頭飼いの準備は、2頭を近づけることより、会わせない時間まで用意することから始まります。一頭ずつの食事と休息を守り、双方が無理なく過ごせる形を探してください。

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