散歩の拾い食いを防ぐ練習|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬のしつけ
コーイケルホンディエ(デコピン本人ではありません)

家では名前を呼ぶと振り向くのに、散歩へ出ると地面ばかり気にする。落ちている物を見つけた時に、合図が通らなくなることもあります。

散歩中の拾い食い対策は、落ち着いた場所で教えた行動を、無理のない段階で外へ広げることが大切です。危険物を口にしてから練習を始めず、経路や距離の管理と並行して進めましょう。

ここでは、歩く練習、呼びかけへの反応、放す合図、本番の前の準備という4つの点を解説します。室内も含む全般の管理や用具の選び方は、下の関連記事にまとめています。

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散歩の前に、危険物へ届かない準備をする

食べ物やたばこ、ごみの多い経路を避け、明るく路面を確認しやすい場所を選びます。首輪やハーネス、リードの傷み・緩み・抜けやすさも点検してください。

進行方向の少し先を見て、危険物を見つけたら、犬が届く前に安全に進路を変えます。犬と地面だけを見て、車、自転車、他の人や犬への注意を失わないようにしましょう。

合図ができる犬でも、拾い食いの事故を完全に防げるわけではありません。練習の成果を確かめるために、落ちている物へわざと近づけないでください。

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1.一緒に歩く練習は、短い距離から

静かな場所で、飼い主が動いた時に犬も無理なく一緒に進み、リードが緩んでいる様子を褒めます。初めから長い距離を求めず、一緒に動ける小さな機会から始めましょう。

「ついて」「あとへ」などの言葉は、犬がその動作を理解する手掛かりとして教えるものです。人の左を歩くことや、主従関係を作ることが、拾い食い予防の条件ではありません。周囲の安全に合う位置で、落ち着いて移動できることを目標にします。

犬が止まる、怖がる、歩き方が変わる時は、引きずって進めないでください。痛みや体調、周りの刺激を確認し、必要なら練習を中断して相談します。

2.呼びかけへ顔を向けた時に褒める

慣れた室内で名前を一度呼び、顔を向けた瞬間に褒めて報酬を渡します。食べ物を使うなら、あらかじめ用意し、犬が反応した後で探し始めないようにしましょう。

外で試す時も、まずは静かな場所で、落ち着いて受け取れるかを確認します。反応がない時に大声で連呼せず、刺激から離れる、前にできていた場所へ戻るなど、条件を下げてください。

ずっと人の顔を見続けさせることが目的ではありません。安全ににおいを嗅ぐ時間も取り、人が進路を確かめながら、必要な時に呼びかけや移動につなげます。首を引き上げて地面から顔を遠ざける方法には頼らないでください。

3.放す合図は、安全なおもちゃ遊びで教える

「出して」「ちょうだい」は、人が近づいても落ち着いていられる犬の、普段のおもちゃ遊びで練習します。扱いやすいおもちゃを自分から放したところを褒め、報酬や次の遊びにつなげましょう。

交換を使う場合も、犬が安心して放せる条件が必要です。体を固くする、物を守る、唸る、手へ口を向ける場合は、その場で交換を試さず、子どもや他の動物を離して専門家へ相談してください。

口にした物を力ずくで取り上げたり、口の奥へ指を入れたりはしません。犬が急いで飲み込む、噛むといった危険があります。放す合図ができても、危険物を口にしてよいわけではありません。

4.いきなり散歩の本番から始めない

室内でできるようになったら、玄関の内側、静かで安全な建物の前、危険物の少ない道などへ、少しずつ場所を変えます。すべての段階を同じ日に進める必要はありません。

場所 確かめること 難しい時の戻り方
慣れた室内 名前に顔を向ける、一緒に少し動く 静かな時間と場所に変え、短く区切る
玄関の内側・建物の前 周りを気にしながらも、無理なく反応できる 刺激から離れ、室内へ戻る
危険物の少ない散歩道 人が進路を確認し、必要な時に一緒に移動できる 経路や時間帯、相手との距離を見直す

たばこや石、包装などをわざと置き、我慢できるか試す練習はしないでください。家でできたことを、誘惑の多い道で急に同じように求めず、反応できる条件を少しずつ広げます。

散歩中の拾い食いについては、こちらの動画でも解説しています。合図ができても油断せず、危険物に近づく前の予防を続けましょう。

何かを飲み込んだ疑いがある時は、練習をやめる

危険な物や正体の分からない物を飲み込んだ、またはその疑いがあれば、症状がなくても動物病院へ連絡します。何を、いつ、どのくらい口にした可能性があるか、分かる範囲で伝えてください。

呼吸が苦しい、意識がおかしい、けいれん、繰り返す嘔吐や強い痛みがある場合は、救急受診を優先します。自己判断で吐かせたり、塩水や薬、食べ物を与えたりせず、獣医師の指示に従いましょう。

また、食べ物以外を繰り返し飲み込む、急に頻度が増えた、体重や食欲・便にも変化がある時は、日常の練習を増やす前に体の状態を確認してください。

歩けた距離より、安全に避けられた場面を確認する

どの場所で何を口にしそうになったか、届く前に避けられたか、どこなら呼びかけに反応できたかをメモします。家族が交代して散歩する場合も、合図や報酬の渡し方、避ける経路を共有しましょう。

拾い食いを止めるために、犬の頭や体を強く制御し続ける必要はありません。危険物へ届かない管理を続けながら、犬が無理なく反応できる場所から練習することが基本です。

家庭だけでは安全に歩けない、何を変えればよいか分からない時は、使っている用具や散歩道、うまくいく場面と難しい場面を整理して相談してください。

室内の管理や補助用具を含めた、拾い食い全般の対策はこちらへ。

一緒に歩く練習でリードが張る場合は、距離と環境も見直します。

呼びかけへ顔を向ける練習は、長く見つめることを強制せず進めましょう。

放す合図を、安全なおもちゃ遊びで教える方法はこちらへ。

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