子犬の要求吠えの原因と対処法|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬のしつけ
カーペットの上で休む2頭の犬

子犬が吠えたら、まずトイレ、食事、休息、体調を確認しましょう。すべての鳴き声を「要求吠え」と決めて無視するのは避けます。

世話を済ませても遊びやサークルから出る時に吠えるなら、普段の対応を振り返ってみてください。吠えた時だけ構うのではなく、静かにそばへ来た時にも応えます。遊びたい時に人のそばで待つなど、吠える以外の伝え方を少しずつ教えましょう。

目指すのは、吠えずに伝えられる行動を増やすことです。人のそばで待てたら遊びを始める、マットで休んでいる時はそっとしておく。日常の場面で、今の子犬ができることから始めます。

まずは最近吠えた場面を振り返り、食事・排泄・休息に無理がなかったか確かめてください。必要なお世話を先に済ませ、吠える前の準備を見直しましょう。

この記事の目次
当コンテンツの運営、執筆は東京DOGSが行っています。 詳細は、コンテンツ制作ポリシー、プライバシポリシーを参照ください。

吠えたら、まず排泄・食事・休息・体調を確認する

似た鳴き声でも、トイレに行きたい、空腹、眠い、怖い、痛い、遊びたいなど、理由によって対応は変わります。声だけを聞いて要求吠えと決めず、直前の出来事と身体の様子を見てください。

確認すること 見える様子 先に行うこと
トイレ 床のにおいを嗅ぐ、落ち着かない、起床後・食後 静かに排泄場所へ連れて行く
空腹・水分 食事時刻、飲水量、成長期の食事回数 決めた計画に沿って与える。量は自己判断で急に変えない
休息 遊びの後に走り回る、甘噛みが増える、眠れない 刺激を減らし、静かな寝床へ移す
不安・恐怖 身体を低くする、震える、逃げる、呼吸が速い 距離を取り、安心できる環境へ戻す
痛み・体調 急に鳴き続ける、触ると嫌がる、食欲や排泄が変わる トレーニングを止め、獣医師へ相談する
人への要求 吠えた後に、人が近づく・遊びが始まる流れが繰り返される 必要な世話は先に済ませ、静かに近づいた時にも遊びや接触へ応える

必要な世話は、鳴きやむまで待たずに行います。排泄へ連れて行く時も、声を掛け続けたり遊びへ切り替えたりせず、必要なことだけを落ち着いて行います。

松尾 ゆうと

子犬では、合図を増やす前に生活の予定を整えます。起きた後に排泄へ案内できたか、遊びの後に休めたかを家族で共有し、長く待たせなくて済む流れを探してください。

プロのトレーナーに無料で相談

店舗見学・初回カウンセリング無料

要求吠えかどうかは、声ではなく前後の流れで見ます

要求吠えとは、犬が欲しい結果を得るために使う行動の一つです。たとえば、ケージで吠えた直後に外へ出る、食事の準備中に吠えた直後に器が置かれる、吠えるたびに人が近づく流れが続くと、同じ行動が起こりやすくなります。

ただし、子犬が人を呼んでいるように見えても、排泄の失敗を避けたい、初めての場所が怖い、ひとりで眠れないなど、別の理由が重なっていることがあります。

同じ場面で繰り返すか、食事や排泄の後に何が変わるか、人が戻っても緊張が続くかを見ます。一つの反応だけで原因を決めないでください。

要求による学習も考えられる場面

  • 人が食事を作り始めると吠え、器が置かれるとすぐ食べ始める
  • 人を見ながら吠え、近づくと遊びへ切り替わる
  • サークルから出すと、すぐ人やおもちゃへ向かう
  • 家族の一人がいる時だけ、同じ結果を求めて吠える

要求と決めずに再確認したい流れ

  • 排泄前後、食後、起床直後に鳴く
  • 人が離れると、よだれ、破壊、排泄、長い呼吸の乱れが出る
  • 触れる、抱く、歩く時に急に鳴く
  • 夜間に落ち着けず、嘔吐、下痢、食欲低下などもある

何かを与えると鳴きやんでも、それだけで要求吠えとは決まりません。食事や排泄の時刻、直前の出来事と合わせて考えてください。

子犬によくある5つの場面と、先に整えること

1.ごはんの前に吠える

食事の準備音や飼い主の動きが毎日の合図になると、子犬は器が出る前から興奮します。食事時刻を大きくずらして混乱させるより、準備中にいられる場所と、器が置かれる前の短い行動を決めます。

成長期の食事回数や量は、要求吠え対策のために自己判断で減らしたり長時間遅らせたりしません。健康状態、月齢、フードの指示に合う計画を優先します。

2.ケージやサークルから出してほしくて吠える

中へ入れる時だけ扉を閉め、長くひとりにすると、場所そのものが不安の合図になりやすくなります。日中、扉が開いている時にも自分から入れて、休めるかを見ます。怖がる状態で扉を閉め、鳴きやむまで待つ練習にはしません。

排泄や体調、不安が関係していないかを確認します。練習中は吠え始める前に終えられる条件へ戻します。苦手な場所に閉じ込めて、静かになるのを待たせないでください。

3.遊んでほしくて吠える

松尾 ゆうと

遊びの回数を減らすのではなく、人が始める合図と終える合図を作ります。吠えた直後におもちゃを投げず、四本の足が床につく、人を見る、マットへ行くなど、子犬ができる短い行動を挟みます。

4.抱っこや接触を求めて吠える

人との接触は子犬に必要ですが、吠えるたびに抱く流れだけになると、静かに近づく方法を学ぶ機会が減ります。静かにそばへ来た時、伏せた時、目が合った時にも撫でたり声を掛けたりします。

5.朝方や夜に吠える

起床時刻だけでなく、最後の排泄、就寝前の興奮、室温、寝床の場所、外の音を記録します。夜間の長い吠えを「要求」と決め、排泄や体調を見ずに待ち続けることは避けます。

家庭で対応をそろえるための手順

手順1.必要な世話と安全を確認する

最後の排泄、食事と飲水、休息、室温、身体の変化を確認します。新しく迎えた直後は、生活リズム自体がまだ分からないため、記録を取ってから要求と判断します。

手順2.吠えが起きる前の準備を変える

遊びを始める、おもちゃを投げるといった対応が、毎回吠えた直後になっていないか見直します。

遊びの時間や落ち着いて待てる場所を先に用意し、吠える前に応えられるようにしてください。食事・水分・排泄や安心できる接触を、しつけのために我慢させる手順ではありません。

人が対応を止めるだけでは、子犬に何をすればよいかは伝わりません。次の手順で、静かにできる行動を用意します。

手順3.普段の静かな行動も褒める

吠えてから鳴きやんだ時だけでなく、遊ぶ前に人のそばで待つ、四本の足を床につける、マットへ乗るといった動きも落ち着いて褒めます。息を継いで声が途切れたことだけを、落ち着いた証拠にしないでください。

吠え始める前にできている行動を、見逃さずに褒めてください。長く待たせるより、子犬ができる簡単な動きから始めます。

手順4.家族で対応を共有し、様子を見直す

松尾 ゆうと

トイレへ連れて行く時、遊びを始める時、食事を出す時に、家族がどう動くかを話しておきます。必要な世話は待たせず、静かに近づいた時にも応えることを共有しましょう。

一時的に吠えが強くなった時の判断

これまで吠えるとすぐ望みがかなっていた子犬は、家族の対応を変えた直後に、声が大きくなる、長くなる、柵へ手を掛けるなどの変化を見せることがあります。

声が大きくなった理由を、対応を変えたことだけで説明しないでください。排泄、空腹、痛み、不安、寝床の不快さを確認し直します。柵へ体をぶつける、よだれや呼吸の乱れ、嘔吐・下痢、噛みがある場合は、練習を中止して必要な対応や相談を優先します。

無視を試しても変わらず、どこを見直すか迷う場合は、要求吠えへの対応を試しても変わらない時の確認手順へ進んでください。長く鳴かせる練習を始めず、世話や準備、休む場所を先に調整します。

声が強くなったら耐え続けず、子犬が落ち着ける条件を見直すことが安全な進め方です。

犬の要求吠えを無視しても治らない時は?|警察犬ドッグトレーナーが解説

要求吠えで避けたい8つの対応

1.すべての鳴き声を無視する

排泄、痛み、不安、空腹まで無視すると、子犬の安全と信頼を損ないます。先にトイレ、食事、休息、体調を確認しましょう。

2.大声で叱る、物音で驚かせる

一時的に声が止まっても、怖さや興奮が小さくなったとは限りません。大声、物を投げる、水を掛ける、ケージを叩く方法は使いません。

3.吠えるたびに「静かに」を連呼する

言葉を増やしても、子犬が次にする行動が分からなければ続きません。短い合図を一度使い、できる行動を褒めます。

4.長く鳴かせて疲れさせる

疲れて止まったことと、落ち着く方法を学んだことは同じではありません。子犬が落ち着いて過ごせる条件に戻し、吠え始める前に練習を終えます。

5.食事を大きく遅らせる、減らす

成長期の栄養計画を要求吠え対策だけで変えません。食事前の短い行動と、準備の合図を整えます。

6.興奮させる遊びだけを増やす

活動の後に休めない子犬は、甘噛みや吠えが増えることがあります。探索、噛める物、短い練習、睡眠を組み合わせます。

7.家族ごとに違う対応をする

吠えた時だけ抱く人がいると、その人に吠えて呼びかけることが繰り返される場合があります。静かにそばへ来た時の対応も、家族で共有しましょう。

8.吠えた直後に身体を押さえ込む

恐怖や痛みがある子犬を押さえ込むと、逃げや噛みが強くなることがあります。首輪をつかむ、仰向けにする、口を押さえる方法は家庭で行いません。

吠えた時に避けたい対応も確認できます。物音で驚かせたり力で押さえたりせず、怖いものから離れて休める環境を優先してください。

記録を見ながら、続けるか休むかを判断する

松尾 ゆうと

吠えた時刻と直前の出来事、排泄・食事・眠れた時間、家族が行った対応を残します。比べるために子犬をわざとひとりにしたり、吠えるまで食事を待たせたりする必要はありません。

記録した様子 先に行うこと 次に見たい変化
排泄前や起床後に鳴く 排泄へ連れて行ける予定を見直す 鳴く前に世話ができたか
食事準備や遊びの前に吠える 準備を短くし、静かな行動に先に応える 待つ場所で無理なく過ごせたか
人が離れると緊張が続く 無視する練習を止め、離れ方や環境を見直す 人がいる状態で休めるか
声の変化と食欲・排泄・動きの変化が重なる 家庭の練習を止め、獣医師へ相談する 普段との違いを伝えられるか

回数だけでなく、その後に食事や休息へ戻れたかも記録します。声が止まっても柵を見つめ続ける、体が硬い状態が続くなら、落ち着ける条件を見直してください。

決まった日数で進めず、子犬の様子に合わせて休む・戻す・相談する判断をします。

人と離れる時に鳴く場合は、不安も確認する

人が見えなくなると強く鳴く、留守番で物を壊す、排泄してしまう場合は、要求吠えだけで説明しません。クレートに入れたり「待て」を教えたりすれば不安が治ると考えず、獣医師や行動に詳しい専門家と確認してください。

「人を呼んでいる」ように見えても、ひとりになることへの強い不安は、望みをかなえたい要求と同じ手順では扱いません。

家族が離れると鳴き続ける場合は、留守番中の吠え・破壊・排泄の見方も確認してください。不安が強い子犬を、見分けるために一人にし続けることはしません。

犬の留守番で確認すること|警察犬ドッグトレーナーが吠え・破壊・排泄を解説

獣医師やトレーナーへ相談したい目安

次の状態がある場合は、要求吠えの練習だけで様子を見続けません。

  • 急に声が増え、食欲、排泄、睡眠、歩き方にも変化がある
  • 触ると鳴く、身体をかばう、嘔吐や下痢がある
  • ケージや柵へ身体をぶつけ、けがの危険がある
  • 人が離れると、よだれ、破壊、排泄、長い呼吸の乱れが出る
  • 吠えから噛みへ変わり、子どもや高齢者の安全を保てない
  • 家族が睡眠を取れず、対応を続けられない
  • 近隣から指摘があり、長く鳴かせる練習ができない

痛みや体調変化が疑われる場合は獣医師へ相談します。生活と学習の整理が必要な場合は、報酬を使い、実際の住環境と子犬の身体反応を確認できる専門家へ相談してください。

相談時は、普段の前後の様子と、食事・排泄・睡眠の記録を伝えてください。

動画を残す場合も、撮影のために鳴かせる、離れて不安を強めるといった再現はしません。安全な世話を優先し、撮れない場面はメモだけで構いません。

よくある質問

Q.子犬が吠えたら、鳴きやむまで待ちますか?

必要な世話や不安の確認をせず、鳴きやむまで待つことはしません。練習では、吠えていない時にも静かな行動を褒め、難しい場面は始める前の準備を変えます。声が止まったことだけを落ち着いた証拠にしないでください。

Q.トイレへ連れて行くと、吠えを褒めることになりませんか?

排泄は必要な世話です。声掛けや遊びを増やさず、静かに排泄場所へ連れて行き、終わったら休む場所へ戻します。排泄間隔を記録し、吠える前に連れて行ける予定を作ります。

Q.おすわりをさせれば要求吠えは止まりますか?

おすわりは代わりの行動の一つです。座っていても吠え続ける、身体が硬い、食べられない場合は、状況が難しすぎます。マット、人を見る、四本の足を床につけるなど、その子犬ができる行動を選びます。

形だけ座らせるより、身体が落ち着き、次の行動へ移れるかを確認します。

Q.放っておけば、そのうち疲れて寝ますか?

疲れて声が止まる子犬もいますが、必要な世話、不安、体調を見落とす可能性があります。鳴かせ続けることを前提にせず、食事・排泄・休息が足りているか、寝床で落ち着けるかを見直します。

Q.食事や散歩の時刻を毎日変えた方がよいですか?

大きく変える必要はありません。子犬の体調と生活に合う予定を保ち、食事の準備場所や待つ場所を整えます。

Q.何日で要求吠えが減りますか?

月齢、迎えてからの日数、健康、生活環境、これまでの学習で変わり、共通の期限はありません。吠える回数や長さだけでなく、その後に食事や休息へ戻れているか、吠えずに待てる場面が増えたかも見てください。

まとめ|子犬の生活を整え、吠えていない時にも応える

子犬の要求吠えでは、声を止める前に、排泄、食事、水分、睡眠、痛み、不安を確認します。遊びや食事の準備を見直し、吠える前にできている行動へ応えます。

対応の中心は、無視ではなく、必要な世話を見分け、静かな行動へ応えることです。

今日は、最近吠えた場面を一つ振り返り、排泄や休息を先に用意できないか見てください。静かにそばへ来る、四本の足を床につけるといった普段の行動も褒めましょう。

吠えないことだけを目標にせず、子犬が安全に休み、必要を別の行動で伝えられる時間を増やすことが、家庭で続けられる要求吠え対策になります。

プロのトレーナーに無料で相談

店舗見学・初回カウンセリング無料

お気軽にご相談ください

店舗見学、お問い合わせ無料!
プロトレーナーが正しく、
的確にお答えいたします。