子犬と触れ合うたびに甘噛みがあると気づいても、
「子犬だからじゃれてるだけ」
「大人になればそのうち治るでしょう」
と感じている飼い主さんも多いように感じます。
子犬の甘噛みにたいして人間側の理解と対処をしておかないと、問題行動の原因になってしまったり、犬の性格が歪んでしまうひとつの原因になります。
今回は子犬の甘噛みに気づいたらできるだけ早いうちにしておいてほしい、正しい理解と基本のしつけと注意点をプロトレーナーがかんたん詳しく解説します!
子犬の甘噛みについて、原因や必要なしつけをぜひ最後までチェックしてくださいね◎
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目次
子犬が甘噛みをするのはこんな原因があった!?
飼い主さんから見た子犬の甘噛みは、「攻撃的」「凶暴」など攻撃的で粗暴な姿にみえることがあると思います。
ですが実は子犬の甘噛みには、「攻撃的」な姿ではなく、下記のような意味もふくまれています。
子犬が頻繁に甘噛みをするのは、
ポイント
- 犬本来の習性によるもの
- 歯の生え代わりで口の中がかゆい、むずむずすると感じている
- ヒマつぶし
- 嬉しい、楽しいという興奮や喜びによるもの
- 遊びの行動
- コミュニケーションの行動
- 愛情表現の行動
- 学習の行動
- 構ってほしいという寂しさ
などの子犬の心理要因があり、決して悪い行動だけでなく、子犬の成長になくてはならない「自然な行動」「良い意味」もふくまれています。
甘噛みをすることで「相手はコレくらいの強さで噛んだらイヤがるんだ!」という子犬自身の学習の場であり、「好き好き!遊んでー!」という愛情表現の行動になります。
子犬が歯をあててきたら、頭ごなしに叱る、怒る、叩くという対処をしていると子犬が「ボク(ワタシ)の愛情を突き放された…。」と理解して性格がゆがんだ犬になってしまう可能性もあります。
なので人間側も頭ごなしに叱るだけでなく、正しい理解と正しいしつけと対処が必要になってきます!
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子犬が甘噛みをしたら…!すぐに始めるべきしつけ策
子犬をはじめて迎え入れた方などは、子犬に触れようと思ったら甘噛みをされた、そんな経験は子犬を迎え入れた飼い主さんにとって、驚きやショックにつながることもあるでしょう。
ここでは子犬が甘噛みをしてきたときにすぐにしておきたい、実際のしつけと注意点を詳しくご紹介します。
噛んでも問題がない物以外は噛ませない工夫と環境を
子犬は成犬に比べると好奇心が旺盛で、見るもの興味を持ったものは何でもニオイを嗅いだり舐めたり、口に入れてそれが何なのかを知ろうとする本能的な性質があります。
そして子犬は
「どれが噛んでいいもの」
「どれが噛んではダメなもの」
という判断もまだできません。
子犬の甘噛みは、噛んでも問題がないものや事故やトラブル、ケガにつながるものを排除して、子犬の住環境の整理と整備をしていくのは前提の環境としてとても大切です!
さまざまなものを知るために、子犬の時期は何でも口に入れてそれがどのようなものなのか判断する気持ちが強くなっています。
子犬がこの時期に甘噛みをしたものによっては、「健康的なリスク」や「成長しても同じような噛み癖が出る心配」があるため、まずは室内の整頓、子犬の住環境の整備をして噛んでも問題がないもの以外は噛ませない環境整備や工夫をやってみましょう。
運動発散を十分にとらせてあげること
身も蓋もない結論ですが、「子犬に運動発散を十分にとらせてあげること」が甘噛みの対処法として一番手軽にして本質的な最強の対処法です。
「ストレス」や「フラストレーション」が溜まっていると、そのエネルギーをどこかで発散しようとするのが生き物の摂理としてあります。
その溜まったストレスやフラストレーションが「過剰な強さの甘噛み」になってしまうことは往々にしてあります。
なので子犬に十分な運動発散をとらせてあげることは、本質的な甘噛みの改善対処法になります。
実際スクールのお客様でも子犬が甘噛みをしてきたときに運動発散を十分にとらせてあげることで、甘噛みの軽減につながる事例を多くみてきました。
具体的な運動発散のやり方としては
ポイント
- お庭や広場などで十分に走らせる
- ボール投げをしてあげる
- おもちゃの引っ張りっこをする
- 遊べるわんちゃんと遊ばせること
などがあります。
運動発散による適度な疲労感は子犬の性格の安定化につながり、日常の落ち着きをうながす重要な対処法になります。
みなさまもできる範囲で取り組まれてみてください!
一時的にサークルなどに入れる、その場からいなくなる
子犬に甘噛みをされると、痛みを感じたりびっくりすることがあるので、
ポイント
- 「痛い!」
- 「どうして噛むの?痛いでしょう!」
- 「ダメだよ!」
- 「きゃー!」
と大きな声でリアクションをしてしまった経験はありませんか?
子犬に噛まれた時に人間が高いキーでオーバーなリアクションをしてしまうと、
ポイント
- 「飼い主さんが喜んで遊んでもらえている」
- 「おもしろいー!」
- 「やったー!受け入れてもらえたー!」
と子犬自身が「ひとにかまってもらえた!」と勘違いしてしまっていることがよくあります。
なのであまりにも子犬の甘噛みがひどい時には、「子犬を一時的にサークルに入れる」「人間がその場からいなくなる」という対処をしてあげることも効果的です。
この対処法は落ちつく環境を子犬に提供してあげることで、「物理的に甘噛みがおこらない環境」を作りだすことができます。
それとともに子犬の自制心や落ち着きを促すひとりの時間をつくることができます。
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噛むおもちゃ、おやつを上手に活用する
子犬は100%甘噛みをする性質があると言われているため、無理に治そうとすると子犬自身にストレスが溜まって逆効果になることがあります。
子犬の甘噛みは本能によるもので、噛んでも問題がないものを噛むのであれば、子犬のさみしさやストレスを解消できるメリットがあります。
言い換えると「子犬の甘噛みはでて自然の行動」といえます。
また、噛むおもちゃやおやつは、子犬の噛む欲求を満たしてあげることができるため、甘噛みの軽減や噛むつよさの緩和に効果があるため、安心して噛めるおもちゃやおやつを用意してあげることも子犬の甘噛みには本質的なしつけ対処法といえます!
おやつやおもちゃ選びの注意点としては、
ポイント
- 誤食がおこらないもの
- 適度な固さがあるもの
- 子犬の好みにあわせた素材
- 適度に時間がつぶせるもの
などに配慮して選ぶことが大切です!
噛むおもちゃやおやつで子犬が十分に遊び、満足できると、その後は適度な疲労があるので、ぐっすりすやすやと眠り、心身の健康にもアプローチできます!
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誤飲注意!噛んではいけないものは、すぐにストップをかけること
飼い主さんが「これは噛まないだろう」と思っているものでも、子犬にとっては噛みたい欲求が強く出るものがいくつかあります。
もし、噛んではいけないものを子犬が噛んでいたら、誤飲や口腔内や腸内のケガを未然に予防するためにもすぐにストップをかけましょう。
この場合も決して大きな声を出さないよう注意しながら、
「これと交換しようね!」とお気に入りのおもちゃやおやつを鼻先に持っていって、子犬が噛んでいるものを離すまで繰り返すと、子犬の興味がおもちゃ・おやつに向き、誤飲噛み癖による事故やケガの未然予防につながります!
叱ることや罰を与えるのってどうなの?プロのぶっちゃけ
子犬が甘噛みをしてきたときにずっと叱り続けたり、叩いたりして罰を与えるような方法でしつけをしていくのもひとつの方法にはなります。
叱ったり罰を与えたりする方法がときには適している場合もあり、一瞬で犬の行動をいい方向に変えることもできる強力な方法であることも事実です。
ただ反面、罰や叱ったりする方法には「リスク」もひそんでいます。
プロの訓練士やトレーナーさんのように、犬に対する経験や知見がある方が適切な「タイミング」「強弱」で伝えられるのあれば、非常に有効な手法になり得ますが、慣れていない方がまちがったやり方でやってしまった時に子犬の性格が壊れてしまうことがあります。
具体的には
ポイント
- 子犬が攻撃的で反抗的な性格になる
- 子犬が過度に萎縮した性格になる
などのように性格が不安定になってしまうことです。
なので叱ったり罰を与える方法は注意が必要です!
成犬になると甘噛みは落ちつく?現場の声
「子犬から成犬になると自然と甘噛みは落ちついてくるの?」
とスクールでもお客様からこういったご質問をいただく事も多くありますがお答えいたします。
結論からいうと「多くの子犬は成犬になるにつれて、甘噛みは落ち着いてきます!」です。
子犬の月齢の増加にともなって「性格の安定化」「落ち着き」「正しい社会性」が身につくことにより、9割以上の多くの子犬は過剰な甘噛みというものは無くなってきます。
そう、自然となくなってくるんです。
なので叱ったり、罰を与えたりして子犬との関係性を悪化させるよりも正しい理解をもって、正しくしつけ対処してあげることは「とても大切だよ!」というおはなしです!
まとめ
いかがでしたか?子犬の甘噛みのしつけは、人間側の正しい理解と正しいしつけ対処法がとても大切です。
子犬の時期からの甘噛みの正しいしつけ対処は、子犬の成長と健康と安心を守れることにつながるため、迎え入れたら早い段階で甘噛みのしつけと理解をしてみてくださいー!