犬のコマンドの教え方|警察犬ドッグトレーナーが手順を解説

犬のしつけ
犬のフセを教える東京DOGS公式動画のサムネイル

犬のコマンドは、言葉を繰り返すだけではなく、してほしい動きを教え、できた直後にごほうびを渡して覚えてもらいます。

「おすわり」と言っても、立ったまま動かない。家の中ではできたのに、外では振り向いてくれない。

そんな時は、言うことを聞かないと決める前に、合図を知っているか、手の動きを追えるか、その場所で練習できるかを見直します。

手の誘導を使う練習は、東京DOGSのフセの解説動画で確認できます。

フセの教え方をYouTubeで見る

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コマンドを教える時の基本ルール

コマンドとは、「おすわり」などの言葉や手の動きで、犬にしてほしい行動を伝える合図です。

言葉を先に何度も聞かせるより、犬がその動きをできる状態を作ります。

おやつを持った手について来られるか、落ち着いて人の方を向けるか。

手を追えない時は、おやつの位置を近づけたり、静かな部屋へ移ったりしてみましょう。眠い時や疲れている時は、休ませてからにします。

犬が動きを覚える前は、同じ言葉を何度も繰り返す必要はありません。手の誘導で動けるようになったら、おやつを持たない手でも試し、その後に言葉を添えます。

動きを導くために見せるおやつと、できた後に渡すごほうびは分けて考えます。

まだ動きが安定していない段階で、両方を一度にやめる必要はありません。

松尾 ゆうと

同じ場所でできるようになってから、距離や周囲の様子を少しずつ変えていきます。場所が変われば、また近い距離の簡単な練習から始めてかまいません。

日本語でも英語でも、家族で合図をそろえる

「おすわり」でも「Sit」でも構いません。

家族が使いやすく、同じ行動に対して同じ合図を出せる言葉を選びます。

たとえば一人が「おいで」、別の人が「こっち」、さらに別の人が「Come」と呼ぶと、教える合図が増えます。

練習を始める時は、言葉と手の動きを家族でそろえておくと進めやすくなります。

英語を選んだだけで、覚えるのが早くなるわけではありません。

「おすわり」が長いと感じるなら「スワレ」にしてもよく、日本語か英語かより、決めた合図を毎回同じように使えるかを見てください。

日本語と英語の合図の選び方

犬のしつけは何から始める?警察犬ドッグトレーナーが家庭での進め方を解説

日常生活で使う合図から選ぶ

教える合図は、犬との暮らしで使う場面から選びます。

リードを着ける時に座ってほしい、扉を開ける間はその場にいてほしい、呼んだらそばへ来てほしい。

何をしてもらうかが決まると、練習する行動もはっきりします。

どの合図を教えるか迷う時は、犬のしつけコマンド一覧で、目的と使う場面を比べてみてください。

犬のしつけコマンド一覧|警察犬ドッグトレーナーが意味と使い方を解説

家庭でよく使う基本のコマンドと、犬にしてほしい動きは次のとおりです。

合図 教える動き
おすわり お尻を床につけて座る
マテ 解除の合図まで、その場にとどまる
フセ 胸とお腹を床につける姿勢をとる
おいで 呼んだ人のそばへ来る
ついて 人のそばを一緒に歩く

表が収まらない場合は、横にスクロールしてご覧ください。

「おすわり」ができても、座ったまま吠えることはあります。

コマンドを覚えることと、苦手な人や犬に慣れることは別の練習です。

吠えや興奮が強い場面で、合図だけで解決しようとはしないでください。

できた瞬間に褒め、ごほうびを渡す

松尾 ゆうと

犬が合図に応じたら、できた動きが続いている間に褒め、ごほうびを渡します。

「おすわり」なら、お尻が床についている時です。

立ち上がってから渡すと、何がよかったのかを伝えにくくなります。

ごほうびは、おやつやおもちゃ、遊びなど、その犬がその時に喜ぶものを選びます。

おやつは普段の食事量に含めて考えます。食事制限がある犬は、使える物を獣医師に確認してください。

撫でたら顔をそむけたり離れたりするなら、その場では触ることを褒め方にしなくて構いません。

褒めるのが遅れないように、短い言葉とごほうびで、どの動きがよかったのかを伝えます。

おやつを持った手でしか動けない時は、手の誘導をいきなり全部なくさないでください。

見せるおやつを減らしても同じ動きができるか、ひとつずつ確かめます。

できた後のごほうびまでなくす話とは別です。

覚えない時は、練習の条件を見直す

合図に反応しない時は、声を大きくする前に条件を見直します。

静かな部屋ではできるのに窓のそばではできないなら、外の音や動きが少ない場所へ戻してみてください。

おやつが鼻先から遠すぎたり、手を動かすのが速すぎたりして、ついて行けない場合もあります。

繰り返すうちに手を追わなくなる、顔をそむける、その場から離れるといった様子が出たら、練習を区切ります。

決まった分数を続けるより、犬が取り組めているうちに終えます。

反応しない時に叱ったり、体を押さえて無理に姿勢を取らせたりしないでください。

距離を短くする、周囲の刺激を減らすなど、できていた条件に戻します。

以前はできていたおすわりやフセを急に嫌がる、動きにくそうにする、触ると痛がる様子がある場合は、練習を中断して獣医師へ相談してください。

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基本のコマンドを教える手順

アイコンタクト・マテ・おすわりは、静かで滑りにくい場所から始めます。

ごほうびを手の届くところへ用意して、犬ができた直後に渡せるようにしておきます。

名前を呼んで、こちらへ注意を向ける練習

犬がこちらへ注意を向ける練習です。

最初から長く目を合わせることは求めません。

  1. 落ち着いている時に、近くから名前を呼びます。
  2. こちらを向いたり目が合ったりしたら、すぐに褒めてごほうびを渡します。
  3. 同じ距離で何度か応じられるようになってから、少し離れた位置でも試します。

名前を呼んでも向かない時は、連呼するのではなく、おやつを持った手でこちらへ注意を引いてみます。

食べ物を見ている時は、顔を見させようと迫らず、一度手を動かさずに待ってみます。顔や耳がこちらへ向いた小さな反応も褒めてください。

目をそらしたり離れたりする時は、長く見つめ合うことを求めません。犬との距離や体の向きを変え、無理のないところから始めます。

ただし、目が合えばそれだけで他の合図を理解できるわけではありません。

「おすわり」など、してほしい動きはそれぞれ教えていきます。

マテは、短く待てるところから

マテは、その場にとどまる合図です。

終わりも分かるように「ヨシ」などの解除の言葉を決めておきます。

  1. 犬が無理なく保てる姿勢で、人はすぐ近くに立ちます。
  2. 短く姿勢を保てたら、その場にいる犬へごほうびを渡します。これを無理なく繰り返せるようになったら、待つ前に「マテ」と一度伝えます。
  3. 「ヨシ」と伝えて、待つ練習を終えます。

待つ時間と、人が離れる距離を同時に伸ばさないでください。

近くで待てるようになってから時間を少し延ばし、距離を変える時は待つ時間を短く戻します。

松尾 ゆうと

人が離れる練習では、犬のそばへ戻り、待っている姿勢のままごほうびを渡してから解除します。

途中で動いたら、次は人が近くにいる状態や、もっと短く待てるところからやり直します。

失敗した分を取り返そうと長く待たせる必要はありません。

マテができても、道路や開いた玄関で飛び出さない保証にはなりません。

練習中も日常も、リードや扉などの安全対策は別に行います。

おすわりは、手の誘導から始める

おやつを鼻先へ近づけて、犬がその手について動けるかを見ます。

  1. おやつを持った手を、犬が跳びつかずに追える高さに置きます。
  2. 鼻先から少し上、頭の方へゆっくり動かします。
  3. お尻が床についたら、座っている間に褒めてごほうびを渡します。

手が高すぎると跳びつき、遠すぎると立って追いかけることがあります。

座らない時はお尻を押すのではなく、手の高さや動かす速さを見直してください。

手の誘導で座れるようになったら、おやつを持たない手でも同じ動きを試します。

座れたら、別に用意したごほうびを渡してください。動きが安定してきたら、「おすわり」と一度言ってから手の合図を出します。

松尾 ゆうと

言葉を聞いて座れるようになってから、手の動きを少しずつ小さくします。難しくなったら、一つ前の練習へ戻してください。

座れたことと、気持ちまで落ち着いたことは同じではありません。

周囲をじっと見たり吠え続けたりしている時は、その場で何度も座らせるより、気になるものから距離を取ります。

まとめ|一つの合図を、無理なく伝える

合図に応じられない時は、犬が覚えた場所、手の動き、ごほうびを渡すタイミングを振り返ってください。

家ではできて外ではできないなら、屋外でも同じようにできるとは考えず、刺激の少ない条件から教え直します。

一度できた動きを何度も確かめたくなりますが、疲れるまで繰り返す必要はありません。

できたところで区切り、次の練習でも同じ条件から始めてみてください。

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