犬のしつけコマンド一覧|警察犬ドッグトレーナーが意味と使い方を解説

犬のしつけ
マテの教え方を紹介する東京DOGS公式動画のサムネイル

犬のコマンドは、「こちらへ来て」「そこで待って」など、してほしい行動を伝える合図です。

おいでは人の近くへ来る、おすわりは腰を下ろす、マテはその場にとどまる、ヨシは待つ状態を終える合図として使います。

合図を知っていることと、どこでもその行動ができることは別です。

家では座れる犬も、玄関や散歩先では周りが気になって動いてしまうことがあります。

周りが気になって動いてしまう時は、声を強くする前に、静かな場所や近い距離へ戻します。

痛がる、近づくと身構える、物を守って唸る場合は、同じ練習を続けず、獣医師や犬の行動に詳しい専門家へ相談してください。

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犬の基本コマンド一覧と使う場面

家庭で使う6つの合図を、伝える行動と使う場面で分けて紹介します。「ヨシ」は、待つ状態を終えてよいと伝える言葉として使う例です。

コマンド 伝える行動 使う場面の例
おいで 人の近くへ来る 家の中で呼ぶ、囲いのある場所で呼び戻す
おすわり 腰を下ろす リードを付ける前、散歩の途中で立ち止まる時
マテ その場にとどまる ハーネスの装着中、扉を開ける前に待つ時
ヨシ 待つ状態を終える マテの練習を終えて動いてよいと伝える時

表が収まらない場合は、横にスクロールしてご覧ください。

「おすわり」と「マテ」は役割が違います。

腰を下ろした後も待ってほしいなら、その時間を別に教えます。

散歩へ出る前なら、おすわりで立ち止まり、マテでその場にとどまる練習ができます。

玄関で練習する場合は、扉を閉めた状態から始め、飛び出せないようリードなどの安全管理も続けてください。

おいでの目的とコマンドの出し方

おいでは、犬を人の近くへ呼び戻す合図です。

最初からドッグランの端と端で呼ぶのではなく、家の中の近い距離で、人へ向かって動く練習から始めます。

犬の好きなおやつやおもちゃを用意し、人がゆっくり後ろへ下がりながら呼びます。

来たらその場で褒め、用意したごほうびを渡します。

近くまで来る練習が続けてできるようになってから、少しずつ距離や場所を変えていきます。

来ない時に「おいで」を何度も言い続けるより、近づいて呼べる距離へ戻してください。

呼んで来た直後に叱ったり、犬が嫌がるお手入れを始めたりすると、人のところへ行くのをためらうようになることがあります。

屋外ではリードを使い、周りの人や犬にも気を配って練習します。

家での練習から急に同じ距離へ広げず、人や犬が近づかない場所と、手元に戻ってこられる距離を選んでください。

呼び戻しができるようになっても、公道でリードを外したり、合図だけに飛び出し防止を任せたりはできません。

おすわりの目的とコマンドの出し方

おすわりは、犬に腰を下ろしてもらう合図です。

リードを付ける前など、立ち止まってほしい場面で使えます。

ただ、座っていても周囲を気にしたり、すぐ立ち上がろうとしたりする犬もいます。

座った姿だけで「気持ちも落ち着いた」と決めず、その後の動きまで見てください。

教える時は、おやつを持った手を犬の鼻先へ近づけ、そのまま頭の上へ小さく動かします。

犬が手を追って腰を下ろしたら、座ったところで褒めておやつを渡します。

松尾 ゆうと

手の誘導で座れるようになったら、おやつを持たない手でも同じ動きを試し、座った後で別に用意したごほうびを渡します。

動きが安定してきたら、「おすわり」と一度言ってから手の合図を出します。

手を高く上げすぎて犬が飛びつくなら、鼻先に近い位置へ戻します。

座らないからといって、お尻を押し下げる練習はしません。

嫌がる、体を触ると痛がるといった様子があれば、練習を止めて獣医師に相談してください。

マテとヨシの目的とコマンドのやり方

マテは、その場にとどまってほしい時の合図です。

ヨシは、待つ状態を終えてよいと伝える合図として使います。

練習の始めは犬のそばに立ち、おすわりなど、犬が取りやすい姿勢で短く待つところから始めます。

短く姿勢を保てたら、その場にいる犬へごほうびを渡します。無理なく繰り返せるようになったら、待つ前に「マテ」と一度伝えます。

待っている間のごほうびと、待つ状態を終えるヨシは分けて教えます。

ヨシを言ってからだけ褒めるのではなく、「その場にいられた」という行動を褒めてください。

近くで待てるようになったら、人が少し離れてから戻り、犬のそばで褒めます。

距離を広げる日には時間を短くするなど、一度に難しくしすぎないよう調整します。

松尾 ゆうと

待っている間は、穏やかに褒めます。強く撫でると立ち上がるきっかけになることがあるため、姿勢を保てているか見ながら褒めてください。

動いてしまった時は叱って同じ練習を続けず、待つ時間を短くするか、人が近くへ戻ります。

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ハウスとちょうだいは日常のどこで使うか

休む場所へ移動してもらう合図と、口にくわえた物を放してもらう合図も、家庭で使う機会があります。

おすわりやマテをすべて覚え終わるまで待つ必要はなく、その犬の生活で必要な練習から始められます。

コマンド 伝える行動 使う場面の例
ハウス 決めたクレートや休む場所へ入る 来客前に、慣れている休む場所へ移動する時
ちょうだい くわえている物を放す おもちゃ遊びを終える、別のおもちゃと交換する時

表が収まらない場合は、横にスクロールしてご覧ください。

ハウスの目的とコマンドの出し方

ハウスは、決めたクレートや休む場所へ入る合図です。

入れた後すぐ扉を閉めるのではなく、中へ入ることと、中で過ごすことを分けて練習します。

クレートなら扉を開いたまま固定し、犬が自分で出入りできるようにします。

入口の近くへおやつを置き、犬がためらわず入れる範囲から、少しずつ中へ置く場所を移します。

松尾 ゆうと

中へ入る動きに慣れたら、入る前に「ハウス」と伝え、中でもごほうびを渡します。

入ってもすぐ出ようとする犬を押し込んだり、扉で閉じ込めたりはしません。

扉を閉める練習は、開いたままでも無理なく中で過ごせるようになってからです。

来客の時だけ急に入れるのではなく、普段の静かな時間にも、入ってよいことがある経験を重ねます。

ちょうだいの目的とコマンドの出し方

ちょうだいは、犬がくわえている物を放す合図です。

危険な物を持った時に初めて教えるのではなく、普段のおもちゃ遊びで練習しておきます。

物を守る反応がなく、人が近くにいても身構えず遊べる犬だけで練習します。

犬が飲み込めない大きさの、壊れていない犬用おもちゃと、交換に使うおやつや別のおもちゃを用意してください。

強く守るお気に入りは使わず、子どもやほかの動物は、おもちゃを渡す前から別の場所へ分けます。

別のおもちゃやおやつへ、犬が自分から向き直るのを待ちます。落ち着いておもちゃを放せるようになってから、その動きに「ちょうだい」の合図を合わせていきます。

放したら褒め、交換する物を渡します。

最初は、放したおもちゃをすぐ取り上げず、放す練習から始めてください。

犬が離したおもちゃを拾い直そうとする、手の動きを追う、体を硬くする時は、回収せず練習をやめます。

安全に離れられる範囲で距離を取り、首輪をつかんだり抱えたりして取り上げないでください。返して遊ぶ場合も、壊れたり飲み込めたりするものは使いません。

唸る、体が固まる、手へ噛みつこうとする時は、物を取りに手を伸ばさず練習を止めてください。

その状態で合図を繰り返したり、追い詰めたりはせず、獣医師や犬の行動に詳しい専門家に状況を伝えます。休憩したりおやつを変えたりしただけで、同じ練習を再開しないでください。

この練習は、誤飲した時の処置ではありません。

危険な物を口にした、飲み込んだ疑いがある、何を口にしたか分からない時は、練習を続けず、すぐ動物病院へ連絡してください。

元気そうに見えても症状を待たずに相談し、自己判断で取り出そうとせず、獣医師の指示を受けてください。

合図が通じない時は練習する条件を戻す

コマンドを覚えた後も、場所が変わったり、人や犬が近づいたりすると反応が変わります。

家の中でできたら、次は静かな別の場所で、短い練習を試します。

人との距離を広げること、待つ時間を延ばすこと、周りの刺激を増やすことは、一度に進めません。

周りが気になって反応できない時は、合図を強く繰り返さず、犬が反応できていた距離や場所へ戻ります。ただし、痛がる、身構える、物を守る様子があれば、条件を戻すだけで再開せず、練習をやめて専門家へ相談してください。

松尾 ゆうと

どの言葉を使うかだけでなく、「その合図で何をしてほしいのか」「どの場面ならできたのか」を家族でもそろえておくと、練習を続けやすくなります。

日本語と英語の使い分けで迷う時は、合図の言葉をそろえる方法も確認してみてください。

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