犬のしつけは何から始める?失敗しにくい順番と家庭での進め方完全ガイド

犬のしつけ
しつけの順番を解説する東京DOGS動画のサムネイル

犬しつけ専門家(犬の教育者)、ドッグトレーナーの松尾邑仁(マツオユウト)です!

「犬を迎えたら、最初におすわりを教えればいいですか?」

「トイレ、甘噛み、吠え、散歩……困り事が多くて、何から始めればいいのかわかりません」

「順番を間違えると、しつけがうまくいかないと聞いて不安です」

こんな相談は、とても多いです。

トイプードルを抱き、屋外で飼い主の相談について説明する松尾邑仁

犬と暮らし始めると、やることが一気に増えますよね。

名前を覚えてもらう。

トイレを教える。

首輪やハーネスに慣れてもらう。

留守番、散歩、お手入れ、来客対応もあります。

全部を早く覚えさせようとすると、飼い主さんも犬も疲れてしまいます。

そこで最初にお伝えしたいのが、犬のしつけは「技を何個覚えたか」だけで考えないということです。

おすわりも、待ても、呼び戻しも大切です。

ただし、それらは犬とコミュニケーションを取るための手段です。

人と犬が安心して同じ暮らしをつくれること。

犬が人からの働きかけを受け取り、人も犬の反応を見ながら伝え方を変えられること。

この土台があると、個別の練習へ進みやすくなります。

「何から教えるか」と聞かれた時、僕は技の一覧より先に、その犬の24時間を確認します。

眠れているか。

食事と排泄に急な変化はないか。

人の手や装具を避けずにいられるか。

一日の中に、自分から休める場所があるか。

ここが崩れている犬へ合図だけを増やしても、学ぶ余裕は戻りません。

犬のしつけを始める順番を、安全・生活・やり取り・個別練習の順に、家庭で再現できる形へ分けてお伝えします。

子犬だけでなく、成犬、保護犬、途中から困り事が出てきた犬にも使える考え方です。

今の愛犬がどの段階にいるかを確認し、必要なら一つ前へ戻ります。

しつけの順番を組む時、僕が最初に確認するのはコマンドの数ではなく、二十四時間の睡眠・排泄・食事・安全な休息が回っているかです。

生活が崩れたまま「待て」を増やしても、家庭で使える落ち着きにはつながりません。

目次

松尾 ゆうと

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結論|犬のしつけは、この5つの順番から始めます

トイプードルを抱き、犬のしつけの順番をテーマに解説する松尾邑仁

何から始めるか迷った時は、次の順番へ戻ってください。

  1. 誤飲や脱走を防ぎ、体調と睡眠を確認する
  2. 犬の普段の表情や動きを観察する
  3. 名前、遊び、お世話を通して人とのやり取りをつくる
  4. トイレ、首輪、散歩、留守番など生活に必要な練習を小さく始める
  5. 吠え、噛み、引っ張りなど個別の困り事を原因別に考える

「おすわりがまだできない」よりも、安心して眠れるか、人の手を怖がっていないか、排泄や食事に異変がないかを先に見ます。

土台が整うほど、合図の練習は伝わりやすくなります。

途中で難しくなったら、一つ前へ戻って大丈夫です。

早く先へ進むより、犬が落ち着いて成功できる条件を先にそろえます。

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1.犬のしつけでいう「順番」とは何でしょうか

トイプードルを抱き、犬との違いを楽しむ考え方を話す松尾邑仁

全ての犬へ同じカリキュラムを当てはめる話ではありません

犬種、年齢、健康状態、これまでの経験、暮らす場所は一頭ずつ違います。

同じ月齢でも、すぐに外へ出られる犬もいれば、玄関の音から慎重に慣れる必要がある犬もいます。

ですから、「一日目はおすわり、二日目は待て」と固定することが順番ではありません。

今の犬が安心して学べる条件を整え、次の課題へ進める状態をつくることが順番です。

土台が不安定なまま、難しい課題を重ねないための考え方です

眠れていない。

体に痛みがある。

家の中でも人を怖がっている。

名前を呼ばれるたびに叱られている。

松尾 ゆうと

こうした状態で、外の犬を無視して歩く練習だけを重ねても、うまくいきにくいですよね。

まず生活と安全を整え、人とのやり取りをつくり、その上で必要な行動を教えます。

戻ってやり直すことは、失敗ではありません

昨日できたことが、今日はできない日もあります。

場所が変われば難しくなるのも普通です。

一段階戻ることは後退ではなく、犬が成功できる所を探し直す作業です。

2.最初に整えるのは、しつけより安全と健康です

急な行動変化は、体の不調も考えます

急に触られることを嫌がる。

それまでできていたトイレを失敗する。

散歩を嫌がる。

夜に落ち着かない。

松尾 ゆうと

こうした変化を全て「わがまま」「反抗」と決めつけないでください。

痛み、かゆみ、排泄の不調、視力や聴力の変化などが隠れている場合があります。

気になる変化がある時は、練習を強くする前に獣医師へ相談します。

誤飲、脱走、転倒を防ぐ環境を先につくります

犬に「食べないで」と教えることは大切です。

でも、危険物を床へ置いたまま、毎回我慢だけを求める必要はありません。

薬、電池、ひも、食べ物、ごみ箱を届かない場所へ移す。

玄関や窓の開閉ルールを決める。

滑りやすい床を見直す。

首輪、ハーネス、リードの傷みを確認する。

環境管理は、しつけを諦めることではなく、事故を起こさず学べる時間をつくる方法です。

睡眠と休息も、学習の条件です

子犬がずっと動き続けていると、「元気だからもっと遊ばせよう」と思うかもしれません。

しかし、疲れすぎて興奮し、噛む、走り回る、眠れないという流れもあります。

落ち着いて休める場所を用意し、家族が構わない時間もつくってください。

3.最初の土台は、犬とのコミュニケーションです

トイプードルを抱き、順番を誤ると関係が壊れる意味を説明する松尾邑仁

関係づくりは「犬を従わせること」ではありません

犬との関係を、上下関係や力関係だけで考える必要はありません。

人のそばにいると安全だと感じられる。

人の合図を聞くと、何をすればよいか分かる。

嫌な時の小さなサインも、人が見落とさない。

こうしたやり取りの積み重ねが、家庭で必要な関係です。

犬は日常の細かな行動を見ています

ごはんを用意する。

トイレを片づける。

散歩へ行く。

遊びに誘う。

眠っている時は邪魔をしない。

特別な訓練の時間だけでなく、毎日の接し方が関係をつくります。

一緒に暮らしているだけで完成するわけでもありません

家族としての結びつきがあっても、合図が伝わりにくかったり、困り事が続いたりすることはあります。

愛情が足りないと責める必要はありません。

愛情に加えて、犬が理解できる伝え方と、成功できる環境を整えていきます。

4.犬のボディランゲージを観察する順番

トイプードルを抱き、犬をよく観察する大切さを話す松尾邑仁

一つのしぐさだけで気持ちを決めません

尻尾を振っているから、必ず喜んでいる。

あくびをしたから、必ず眠い。

目をそらしたから、必ず反抗している。

このように一つの動きだけで決めると、犬の状態を誤解することがあります。

耳、目、口、体の硬さ、重心、呼吸、動く方向をまとめて見ます。

その犬の普段と比べます

口を開けていることが多い犬が、急に口を閉じる。

いつも近づいてくる犬が、今日は距離を取る。

普段より食べる速度が遅い。

小さな変化が、次の対応を考える材料になります。

行動の前後を見ます

犬が吠えた場面だけを見るのではなく、その前に何が起きたか、その後に何が変わったかを確認します。

インターホンが鳴った。

家族が玄関へ走った。

犬が吠えた。

扉が開き、人が入ってきた。

この流れが分かると、吠えた後に叱る以外の工夫が見えてきます。

5.名前を、安心して振り向ける合図にします

名前は叱る前触れにしません

名前を呼ぶたびに、嫌なことが始まる。

名前のあとに、長く叱られる。

それが続けば、犬が振り向きにくくなるのは自然です。

普段から、名前を一度呼び、こちらを見たら優しく褒める練習をします。

反応できる距離と環境から始めます

松尾 ゆうと

静かな室内で振り向けない犬に、公園でほかの犬を見ながら振り向くことを求めても難しいですよね。

まず一歩ほどの距離で始めます。

成功したら、立つ場所、家族、部屋、外という順に少しずつ条件を変えます。

連呼する前に、難しさを下げます

松尾 ゆうと

反応しない時に、名前を十回呼び続けないでください。

距離を近づける。

刺激から離れる。

小さく動いて注意を引く。

犬が成功できる状態へ戻してから、一度だけ伝えます。

6.遊びを通して「人と一緒に動く」を教えます

遊びは、ただ興奮させる時間ではありません

引っ張りっこ、ボール、追いかけ遊び、宝探し。

犬が楽しめる遊びの中には、人を見る、待つ、始める、やめる、戻るというやり取りがあります。

遊びを通じて、人の働きかけへ反応する経験を増やします。

犬が好きな遊びを探します

全ての犬がボールを追うわけではありません。

食べ物を探す方が好きな犬も、布のおもちゃを持って歩く方が好きな犬もいます。

飼い主さんが決めた遊びを押しつけず、愛犬が自分から参加しやすいものを探してください。

終わり方までが遊びです

興奮が頂点のまま急に取り上げると、もっと欲しくて飛びついたり、守ったりすることがあります。

短い休憩を入れる。

別の食べ物やおもちゃと交換する。

終わった後に水を飲み、休める場所へ移る。

始まりと終わりを人と共有します。

【プロ解説】犬のハウスのしつけはどうやる?必要性とトレーニングの流れを解説!

7.お世話を「毎日の関係づくり」に変えます

ごはんは、我慢比べにしません

落ち着いて待つ練習はできます。

ただし、長時間じらし続けたり、器を何度も奪ったりする必要はありません。

短く成功できる待ち時間をつくり、合図で食べ始められるようにします。

トイレの片づけも、犬は見ています

排泄を失敗した時に大声を出すと、人の前で排泄すること自体を避ける犬もいます。

失敗は静かに片づけ、成功しやすい時間と場所へ案内します。

松尾 ゆうと

叱るより、成功を先回りして増やしてください。

触る前に、犬の同意を確認します

かわいいからと、眠っている犬を突然抱き上げる。

逃げても追いかけて触る。

この積み重ねは、人の手を避けるきっかけになります。

近づく、手を見せる、短く触る、いったん離すという小さな段階をつくります。

8.基本の合図は、目的ではなく会話の道具です

トイプードルを抱き、おすわりや待ては道具だと説明する松尾邑仁

おすわりは、犬を支配するための形ではありません

玄関で飛び出さず待つ。

道路を渡る前に止まる。

人へ飛びつく代わりに座る。

おすわりが生活の中で役立つ場面をつくります。

形だけを何十回も繰り返すより、「この場面では座ると次へ進める」と分かる方が実用的です。

待ては、少しずつ三つの難しさを変えます

待つ時間。

人との距離。

周囲の刺激。

三つを同時に難しくしないでください。

最初は一秒、人が目の前にいて、静かな場所から始めます。

呼び戻しは、安全のために早く始めます

名前を呼ぶ。

犬が人の方へ向く。

近づく。

首輪やハーネスへ手を添える。

褒めて、また自由になる。

呼ばれたら毎回遊びが終わるのではなく、戻るとよいことがある経験を増やします。

9.家庭のルールは、犬に求める前に人が決めます

ソファへ上がってよいかは、家族でそろえます

上がること自体が正しい、間違いという話ではありません。

昨日は許され、今日は叱られる状態が続くと、犬は何を選べばよいか分かりにくくなります。

上がってよい場所、降りる合図、休む場所を家族で共有します。

飛びつきへの反応もそろえます

一人は抱きしめる。

一人は叱る。

一人は笑って食べ物を渡す。

これでは、飛びついた時に何が起きるかが毎回変わります。

四本の足が床にある時に近づく、座れたら挨拶するなど、簡単な共通ルールを決めます。

完璧な統一より、最低限の安全ルールを優先します

家族全員が同じ声や姿勢になる必要はありません。

玄関を開ける前にリードをつける。

子どもだけで散歩へ行かない。

食べ物を守っている時に手を出さない。

まず事故を防ぐ所からそろえます。

10.トイレトレーニングを始める順番

トイプードルを抱き、日々のトイレ掃除を例に関係づくりを話す松尾邑仁

成功しやすい時間を把握します

起床後、食後、遊んだ後、水を飲んだ後、昼寝から起きた時。

排泄しやすいタイミングを記録します。

松尾 ゆうと

失敗した時刻だけでなく、成功した時刻も残してください。

排泄場所へ間に合う環境をつくります

トイレまで遠すぎる。

扉が閉まっている。

滑る床を通らなければならない。

落ち着いて排泄できない。

犬が失敗する条件を減らします。

成功の直後を褒めます

排泄が終わった直後に、静かに褒めます。

部屋へ戻って数分後では、何を褒められたか分かりにくくなります。

失敗を見つけても、時間がたってから叱らないでください。

11.社会化は「犬同士で遊ばせること」だけではありません

トイプードルを抱き、インターホンへ過剰反応させない工夫を話す松尾邑仁

人、音、場所、足元、道具へ少しずつ慣れます

帽子をかぶった人。

自転車、車、インターホン、掃除機。

病院、車内、階段、金属の床。

犬が暮らす中で出会う刺激はたくさんあります。

遠くから見ても食べられる、遊べる、離れられる強さから始めます。

無理に近づけることは、社会化ではありません

怖がっている犬を抱き、知らない人へ差し出す。

逃げ場のない場所で犬同士を近づける。

大きな音の中で我慢させ続ける。

これでは「刺激は避けられない」と学ぶことがあります。

松尾 ゆうと

犬が選べる距離と退路をつくってください。

子犬期を過ぎても、慣れる練習はできます

成犬は子犬と同じ速さで進められないことがあります。

それでも、刺激の強さを下げ、小さな成功を重ねることはできます。

年齢だけで諦めず、今の犬が受け取れる情報量へ調整します。

12.首輪・ハーネス・お手入れへ慣れる順番

まず見せる、近づける、触れるを分けます

ハーネスを見せる。

犬が自分から近づく。

体へ短く触れる。

頭や足を通す。

留め具を閉じる。

装着して一歩動く。

一回で最後まで進めず、嫌がり始める前に終えます。

ブラシや爪切りも、道具を見せる所から始めます

爪を切る日だけ爪切りが現れると、道具を見るだけで逃げる犬もいます。

普段から道具を見せ、落ち着いていられたら褒める。

足に触れる。

爪へ道具を当てる。

一本だけ切る。

必要なケアを小さく分けます。

急に嫌がる時は痛みを疑います

以前は平気だった場所を触ると怒る。

片側だけ避ける。

歩き方が変わる。

松尾 ゆうと

練習だけで押し切らず、獣医師へ相談してください。

13.散歩は、外へ出る前から始まっています

トイプードルを抱き、おすわりや引っ張り対策を話す松尾邑仁

リードを見た瞬間の興奮を観察します

リードを持つ。

犬が走り回る。

人が追いかけて装着する。

玄関へ急ぐ。

この時点で興奮が高ければ、外へ出た直後から引っ張りやすくなります。

リードを静かに見せ、近づけたら装着し、玄関前で一呼吸置きます。

外で人へ意識を戻せるか確認します

静かな場所で名前を呼ぶ。

見たら褒める。

数歩一緒に歩く。

匂いを嗅ぐ時間を渡す。

合図と自由時間を行き来できる散歩をつくります。

距離を取ることも、正しい対応です

ほかの犬、自転車、子どもへ強く反応する時、近くで我慢させることだけが練習ではありません。

犬が考えられる距離へ離れ、落ち着きを取り戻す経験を増やします。

【要注意】絶対にやらないでほしい犬の間違った褒め方。今すぐやめるべき理由と正しい褒め方を伝授

14.留守番は「いきなり長時間」にしません

人が家にいる時から、一人で休む時間をつくります

常に人の膝や足元にいる犬へ、ある日突然八時間の留守番を求めるのは大きな変化です。

同じ部屋で少し離れて休む。

柵の向こうで食べ物を探す。

人が数秒だけ視界から消える。

短い段階から始めます。

外出の合図へ慣らします

鍵、バッグ、上着、照明。

外出前に必ず起きる合図だけで不安が高くなる犬もいます。

鍵を持って座る、上着を着て脱ぐなど、外出しない場面にも取り入れます。

留守番中の様子を確認します

帰宅時に物が壊れていないから平気とは限りません。

安全な範囲でカメラを使い、鳴き続ける、歩き回る、よだれ、排泄、扉を傷つけるなどがないか確認します。

強い不安が続く時は、無理に時間を伸ばさず専門家へ相談します。

15.吠え・噛み・引っ張りは、土台の後に原因を分けます

トイプードルを抱き、行動の原因が複数ある可能性を話す松尾邑仁

同じ吠えでも、理由は一つではありません

怖い。

近づきたい。

離れてほしい。

要求を伝えたい。

音へ反応している。

理由によって、距離を取るのか、別の行動を教えるのか、生活を見直すのかが変わります。

噛んだ瞬間だけで判断しません

触られることを何度も避けていた。

食べ物を守っていた。

遊びが激しくなっていた。

眠っている所へ手が伸びた。

噛む前の小さなサインと状況を確認します。

人や動物へ傷害の危険がある場合は、自己流で再現せず、安全管理をした上で対面の専門家へ相談してください。

引っ張りは、歩行技術だけでなく興奮と目的を見ます

前へ進みたい犬が、引っ張るたびに目的地へ着けている。

怖い音から早く離れたい。

運動や探索の機会が足りない。

犬が前へ出る理由を分け、リードが緩んだ時に進める経験を増やします。

16.子犬のしつけで優先したい順番

トイプードルを抱き、これから犬を迎える人へ話す松尾邑仁

一番目は、安全に眠り、食べ、排泄できることです

新しい家は、子犬にとって知らない匂いと音ばかりです。

最初から多くの人へ会わせ、長く遊ばせ、たくさんの合図を教える必要はありません。

安心して休める場所、食事、水、排泄の流れを整えます。

二番目は、人の手と声が安心につながることです

名前を呼び、見たら褒める。

自分から近づいたら優しく応える。

食べ物やおもちゃを奪わず交換する。

日常の小さなやり取りを積み重ねます。

三番目は、生活で必要な刺激への慣れです

足を拭く、抱き上げる、ハーネスをつける、車へ乗る、病院へ行く。

将来必要になる行動を、短く楽な段階で経験させます。

おすわりや待ては、この三つと並行して遊びの中へ入れていきます。

17.成犬・保護犬は、最初の段階へ戻って大丈夫です

トイプードルを抱き、初対面の犬との接し方について話す松尾邑仁

過去を推測だけで決めつけません

怖がるから虐待されていたに違いない。

言うことを聞かないから、前の家で何も教わっていなかった。

松尾 ゆうと

背景が確認できない時は、断定しないでください。

今どの距離なら食べられるか、どの触れ方なら避けないか、どの場所で休めるかを見ます。

すでに覚えた行動も、新しい家では出ないことがあります

環境、人、音、床が変われば、同じ合図でも難しくなります。

知っているはずと繰り返すより、もう一度簡単な条件で教えます。

関係を急いで深めません

早く家族になりたい気持ちは、とても自然です。

でも、抱きしめる、顔を近づける、寝床へ手を入れることを犬が望んでいるとは限りません。

犬が自分から近づき、離れられる関係から始めます。

18.しつけがうまくいかない時の戻り方

トイプードルを抱き、しつけがうまくいかない例を紹介する松尾邑仁

合図を増やす前に、環境を簡単にします

「おすわり、待て、だめ、こっち、見て」と言葉を増やすほど、犬が混乱することがあります。

刺激から離れる。

距離を短くする。

時間を一秒に戻す。

犬が成功した経験のある条件へ戻ります。

褒めるタイミングを確認します

望む行動が終わってから数秒たっていないか。

犬が別の行動を始めた後に食べ物を出していないか。

成功した瞬間へ短い言葉を添え、その後に報酬を渡します。

一回の練習を短くします

できるまで何十分も続けるより、一分以内で成功して終える方が次につながることがあります。

一日の中で短い練習を数回つくり、犬の集中が切れる前に休みます。

専門家へ相談する基準を持ちます

人や犬へ噛みつく危険がある。

散歩で人が転倒する。

強い恐怖や留守番不安が続く。

急な行動変化がある。

松尾 ゆうと

家庭だけで抱え込まず、獣医師や対面で行動を見られる専門家へつないでください。

19.七日間で始める、犬のしつけ順番チェック

トイプードルを抱き、早速始める練習について話す松尾邑仁

1日目|安全と生活を確認します

犬が眠る場所、危険物、玄関、犬具、食事、排泄の流れを見直します。

直す場所が多くても、一度に全部変えず、事故につながる所から始めます。

2日目|犬の普段を観察します

耳、目、口、呼吸、体の硬さ、動く方向を記録します。

うまくいかなかった時だけでなく、落ち着いていた場面も書きます。

3日目|名前と視線の練習をします

静かな室内で名前を一度呼び、見たら褒めます。

三回ほど成功したら終えます。

4日目|犬が好きな遊びを探します

ボール、引っ張りっこ、匂い探しなどを短く試します。

興奮させて終わらず、休憩へ戻る所まで行います。

5日目|生活で必要な合図を一つ選びます

おすわり、待て、呼び戻しの中から、今の暮らしで安全につながるものを一つだけ練習します。

難しい場所へ広げず、家で成功を重ねます。

6日目|家族のルールを一つそろえます

玄関、ソファ、飛びつき、食事の中から、対応がばらばらな場面を一つ選びます。

全員が再現できる短いルールにします。

7日目|できたことを数えます

失敗回数だけを見ないでください。

振り向くまでが早くなった。

休める時間が増えた。

触る前に待てるようになった。

小さな変化を確認し、次の一週間で続けることを一つ決めます。

20.犬のしつけを始める順番でよくある質問

トイプードルを抱き、よくある質問へ答える松尾邑仁

Q.犬を迎えた初日は、何を教えればいいですか?

トイプードルを抱き、犬を迎える前の飼い主へ話す松尾邑仁

初日は、新しい環境で安全に休めることを優先してください。

家中を一度に見せたり、家族や友人が次々に抱いたり、何種類もの合図を練習したりする必要はありません。

水、食事、排泄場所、寝床を案内し、犬が自分から周囲を確認できる時間をつくります。

名前を優しく呼び、こちらを見たら褒める程度の短いやり取りからで十分です。

初日に静かだった犬が、数日後に活発になることもあります。

性格が急に変わったのではなく、少し安心して本来の行動を出せるようになった可能性があります。

Q.ワクチンが終わるまで、社会化は何もしない方がよいですか?

感染症のリスク管理は、地域や犬の健康状態によって変わります。

松尾 ゆうと

外を歩かせる時期や場所は、かかりつけの獣医師へ確認してください。

その上で、抱っこや安全な場所から外の音を聞く、家の中でさまざまな足触りを経験する、帽子や傘を遠くから見るなど、地面を歩かなくてもできる経験はあります。

安全か社会化かの二択にせず、獣医師の助言を受けながら無理のない経験を選びます。

Q.おやつを使うと、おやつがない時に言うことを聞かなくなりませんか?

最初は、犬へ正解を分かりやすく伝える報酬として食べ物を使えます。

大切なのは、食べ物をずっと見せて犬を動かすことと、できた後に報酬を渡すことを分けることです。

行動が分かってきたら、毎回ではなく回数を変えたり、遊び、匂いを嗅ぐ、前へ進む、声で褒めるなど別の報酬も組み合わせます。

松尾 ゆうと

食事量とのバランスも確認し、一口を小さくしてください。

Q.一日に何分くらい練習すればいいですか?

長時間続けるより、数十秒から数分の練習を生活の中へ分ける方が取り組みやすいです。

ごはんの前におすわりを一回。

玄関でリードが緩むのを一回待つ。

散歩中に名前を呼び、見たら一回褒める。

犬がまだ参加したい所で終えると、次の練習へつながります。

集中が切れた、食べられない、体が硬くなった時は、時間を延ばさず条件を簡単にします。

Q.合図は日本語と英語、どちらがよいですか?

犬にとっては言語そのものより、同じ音の後に求められる行動と結果が大きく変わらないことが手がかりになります。

「おすわり」「シット」のどちらでも教えられます。

家族が使いやすく、毎回同じように伝えられる言葉を選んでください。

言葉だけでなく、手の動きや人の姿勢も合図になっています。

家族によって言葉を変える場合は、犬がそれぞれを覚えられるよう、簡単な環境で一つずつ教えます。

Q.失敗したら「だめ」と言ってはいけませんか?

トイプードルを抱き、よくある誤解を訂正する松尾邑仁

危険を止めるために、短く中断する必要がある場面はあります。

ただ、「だめ」を何度も言うだけでは、犬は代わりに何をすればよいか分かりません。

飛びつくなら四本の足を床へつける。

物を噛むなら噛んでよいおもちゃへ移る。

玄関へ走るなら少し離れた場所で待つ。

松尾 ゆうと

止めた後に選んでほしい行動を教え、できた瞬間を褒めてください。

Q.家族の一人だけ、犬が言うことを聞きません

松尾 ゆうと

犬がその人を嫌っている、下に見ているとすぐに決めないでください。

合図の言い方、立つ位置、褒めるタイミング、散歩の速さ、犬との距離が違うことがあります。

まず、うまくいく人が何をしているかを具体的に見ます。

声の大きさではなく、犬が成功する前の準備を家族で共有してください。

難しい人は、静かな室内で名前を呼んで褒める、食事を用意する、短く遊ぶ所から関係をつくります。

Q.しつけ教室へ行くのは、困り事が出てからでよいですか?

困り事が大きくなる前に、犬の見方や家庭での練習方法を確認する使い方もできます。

子犬を迎える前、迎えた直後、散歩を始める前、お手入れを嫌がり始めた時など、早い段階で相談すると環境を整えやすくなります。

一方で、人や犬への噛みつき、転倒を伴う引っ張り、強い留守番不安がある場合は、一般的なグループ教室だけでなく、安全を確保して個別に見られる専門家を選んでください。

相談する時は、いつ、どこで、何の前後に起きるかを伝えると状況を整理しやすくなります。

21.まとめ|正しい順番は、愛犬を見ながら組み直せます

トイプードルを抱き、しつけの順番を間違える影響を話す松尾邑仁

犬のしつけは、合図をたくさん覚えさせる競争ではありません。

まず安全と健康を整える。

犬の様子を観察する。

日常のお世話や遊びを通して、コミュニケーションをつくる。

名前、呼び戻し、おすわり、待てなどを会話の道具として教える。

トイレ、社会化、お手入れ、散歩、留守番という生活練習へ広げる。

その上で、吠え、噛み、引っ張りなどの原因を分けて対応する。

この流れを基本にすると、「今は何を優先すればいいのか」が見えやすくなります。

ただし、順番は一度決めたら変えられないものではありません。

体調が変われば安全と健康へ戻る。

外で難しくなれば、静かな室内へ戻る。

人を避けるようになれば、名前や触れ方の練習へ戻る。

戻れる場所があることが、長く続けられるしつけの強さです。

今日、全てを始めなくて大丈夫です。

愛犬の安全を一つ整える。

名前を呼んで、振り向いた瞬間を一回褒める。

一緒に短く遊び、気持ちよく終える。

そこから始めてください。

トイプードルを抱き、解説をまとめる松尾邑仁

犬のしつけは何から始める?失敗しにくい順番と家庭での進め方完全ガイドを動画で見る

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