子犬を迎えた初日から1週間|警察犬ドッグトレーナーが家族の準備と接し方を解説

子犬を迎えたら、名前、トイレ、おすわり、留守番。
教えたいことはたくさんあります。
ただ、新しい家へ着いた日から課題を並べても、子犬には休む場所や水の場所さえ、まだわかりません。
最初の一週間は、食べる・排泄する・眠るという生活を、家族が支えられるようにする時間です。
一週間で何個の合図を覚えたかより、毎日の世話ができ、子犬が休めることを優先しましょう。
日数だけで次の練習へ進める必要はありません。

家へ来た日は、家族みんなで順番に抱っこするより、静かに休める時間を作ってください。
近づいてきたら穏やかに関わり、離れたら追わない。
そのやり取りから始めて大丈夫です。
初日を迎える前の、用品と生活範囲の準備を紹介しています。
道具は、愛犬の体と家の使い方に合う物を選びましょう。
公式動画|犬を迎える前に用意したい物サムネイルをタップしてYouTubeで見る
到着前に、最初に過ごす部屋を整える
まず、家族が様子を見られ、安全に過ごせる範囲を決めます。
家全体を片づけたつもりでも、低い棚、家具の裏、床へ垂れたコードは、子犬の口に届くことがあります。
薬、洗剤、小さな玩具なども、その範囲から取り除きます。
玄関や階段へ出ない仕切りは、閉じた状態だけでなく、人が開ける時も考えます。
掃除機を取り出す、荷物を運ぶ、来客を迎える。
その間どこで過ごしてもらうかを決めておくと、毎回抱いて押さえるだけの対応を減らせます。
柵の隙間や、上る足場になる家具も見ます。
子犬を入れて脱出するか試すのではなく、人が設備と配置を先に点検してください。
家族で「この扉を開ける前に、子犬がどこにいるかを見る」という動きをそろえます。
寝床・水・トイレは、使い分けられる配置に
寝床までトイレシートで覆うのではなく、休む場所と排泄する場所を分けます。
水へ行くために家具の間をすり抜ける、トイレへ行く道で家族に抱き上げられる、といった配置や関わりも避けましょう。
器を置いたから使えるとは限りません。
家へ来た後は、子犬が自分で近づけるか、器が動いて驚かないか、寝床へ戻れるかを見ます。
用品を増やす前に、その用品へ行ける道があることを確かめてください。
食事と体調の情報は、迎え元から引き継ぐ
フードの製品名、量、食事の回数、最近の食欲や便、診療・予防の情報を引き継ぎます。
袋や容器を受け取っただけで終えず、今まで何をどう出していたかを聞いておきます。
家族の都合だけで、初日から製品や回数をすべて替えないようにしましょう。
かかりつけ候補には、月齢や迎え元からの情報を伝え、これからの診療や外の経験について相談します。
わからない予防歴などは、推測で補わず確認してください。

かかりつけ候補と、時間外の相談先も、到着前に調べておきます。
具合が悪くなってから探し始めず、月齢や予防歴を伝えて相談できるようにしてください。

家へ着いたら、探索より先に休める余地を残す
到着した子犬へ、家族が次々に手を伸ばす必要はありません。
用意した安全な範囲で動けるようにし、人が追って全ての用品へ案内し続けないようにします。
自分から近づいてきたら穏やかに関わり、離れたら休む方へ戻れるようにします。
動き回る姿だけで、疲れていないとは判断できません。
撮影や来客を続けず、人が関わらない時間を用意します。
寝床へ入った子犬を、家族への挨拶のためにまた呼び出すことも避けましょう。

抱っこを一律に禁止する必要はありませんが、離れたがる反応を無視して続けません。
必要な移動は体を安全に支え、子どもだけで抱き上げないようにします。
逃げる子犬を追いかけてつかまえる場面が続くなら、動ける範囲と人の位置を見直してください。
抱かれる練習を一度で完成させることより、今日必要な世話を危険なく行える方法を相談します。
最初の食事と排泄では、できたかより使えるかを見る
食事を出したら、実際に食べたかを見ます。
食器を置いた、家族の誰かが出したはず、だけで引き継ぎを終えないようにしてください。
食べ残した場合も、迎えたばかりだから緊張しているだけ、と決めつけません。
子犬が食べない、ぐったりする、吐く、呼吸が苦しそうな場合は、一週間の様子見をせず動物病院へ連絡してください。
水の飲み方や便・尿などの変化も伝えます。
食べさせ方の練習や家に慣れる日程より、体調への対応を優先します。

トイレは、寝起きなど排泄しやすい時に行きやすい配置にします。
できたら穏やかに褒め、失敗は静かに片づけてください。
叱る前に、距離が遠くないか、通り道がふさがっていないかを見直しましょう。
失敗した場所へ鼻を近づけたり、叱ってトイレへ運んだりしません。
寝床からトイレまでの距離、通り道、起きた後に遊びへ誘っていなかったかを見ます。
できるだけ同じ配置で世話をし、変えるなら何が使いにくいのかを家族で共有します。
トイレの配置と教える手順は、子犬のトイレトレーニングの記事で詳しく扱っています。
最初の夜に鳴いたら、必要な世話から考える
夜に鳴く声を、すべて要求と決めて放置しないでください。
排泄、水、暑さや寒さ、体調、寝床の安全を確かめます。
一方で、鳴くたびに照明をつけて遊び始めると、休む時間がなくなります。
その時に必要な世話を済ませ、再び静かに過ごせる条件へ戻します。
家族が何人も代わる代わる見に行く場合は、誰が何をしたかが曖昧になりがちです。
「食事は出して食べた」「排泄を済ませ、寝床へ戻った」など、世話の結果を次の担当へ伝えます。
同じ用事で何度も起こしたり、誰も対応していなかったりするのを防ぎましょう。
休めない時は、家族の足音が続く通路、寝床への光、他の動物が近づく配置も見直します。
疲れさせれば眠るだろうと、日中の運動を増やし続ける方法にはしません。
体調や世話に不安があれば、時間外の相談先も使ってください。

翌日からは、子犬が届く場所と家族の動きを見直す
初日は近づかなかった棚へ行く、椅子の脚を足場にする。
動く範囲が広がると、必要な対策も変わります。
安全に過ごせているからと、扉を全て開けて家中を自由にする必要はありません。
範囲を広げる時は、家族が見ていられ、コードや小物へ口が届かず、水や休息の場所へ戻れる所から考えます。
追いかけて止める場面が増えるなら、子犬の理解が足りないと叱る前に、今の範囲が広すぎないかを見直しましょう。

家族が近づくたびに起きてしまうなら、寝床の周りを静かにします。
トイレへ行く前に遊び始めてしまうなら、移動を邪魔する物を減らします。
子犬を叱って覚えさせる前に、家の中で変えられることを探しましょう。
名前や身近な合図を教える時も、食事や睡眠を削って繰り返しません。
月齢や予防歴に応じた外への出かけ方は、獣医師へ相談します。
社会化のためと、多くの人や犬との接触を一度に増やす必要はありません。
生後二ヶ月の子犬に向けた練習の入口は、こちらの記事で紹介しています。
対象月齢と愛犬の状態を踏まえ、今行うものを選んでください。
迎えたばかりで落ち着かない子犬を、長時間の留守番で慣らそうとしないでください。
食事や排泄など必要な世話を担う人を先に決め、一人で過ごす準備は、家で休める様子を見ながら別に進めます。
一週間の終わりは、次に直す一場面を選ぶ
食べる、排泄する、休む。
そのどこに家族の手助けが必要だったでしょうか。
トイレへ行く途中で遊び始めるなら人の関わりを、眠るたびに起きるなら寝床の周りを、というように生活の場面から選びます。
おすわり、歯磨き、留守番まで、全て完成させる必要はありません。

一度に課題を増やさず、困っている場面から一つずつ。
トイレが遠いなら配置を、休めないなら寝床の周りを変えます。
安全に対応できない時は、慣れを待ち続けず相談してください。
この記事は、子犬を迎えた最初の生活と夜の世話を中心に扱いました。
成犬や保護犬も含めた、迎えた後の世話の全体像は、こちらの記事で紹介しています。
初日を迎える前の、用品と生活範囲の準備を紹介しています。
道具は、愛犬の体と家の使い方に合う物を選びましょう。
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