犬の飛びつき癖はなぜ直らない?|原因別に「飛ぶ前」を整える実演しつけ

犬しつけ専門家(犬の教育者)、ドッグトレーナーの松尾邑仁(マツオユウト)です!
「帰宅した瞬間、胸まで飛びついてくる」
「ダメと言って下ろしても、すぐにまたジャンプする」
「家族には飛びつかないのに、お客さんを見ると止められない」
犬の飛びつきで悩む飼い主さんは、本当に多いです。
しかも厄介なのは、飛びついた後だけを何度注意しても、なかなか変わらないことです。
なぜなら、犬にとって飛びつきは、単なる行儀の悪さとは限らないからです。
うれしさを表したい。
人の顔へ近づきたい。
触ってほしい。
声をかけてほしい。
あるいは、跳ぶこと自体で気持ちを発散している。
同じジャンプに見えても、その前後にある理由は違います。
そして、犬が空中へ跳び上がった時には、その行動がすでに成立している場合があります。
そこで大切になるのが、「飛びついた後にどう止めるか」よりも、「飛びつく直前に何を教えるか」です。
この記事では、飛びつきが起きる原因を分け、家庭のルールを決め、犬がまだ四本の足を床につけている瞬間から練習する方法を、順番にお話しします。
目次
- 結論|飛びつきは「空中」で直すより「床にいる時」を育てる
- まず決める|家庭では飛びつきをどこまで許すのか
- 原因1|うれしさや愛情表現で顔へ近づきたい
- 原因2|飛びつくと人が反応してくれる
- 原因3|跳ぶこと自体が気持ちいい
- 原因4|緊張・警戒・距離を取りたい反応
- 小型犬でも大型犬でも「事故の形」が違う
- 飛びつきの直前30秒を観察する
- 最重要|飛びつきそのものを起こさない準備
- お座りは「飛びつけない姿勢」を分かりやすくする
- 合図は興奮が上がる前に一度だけ伝える
- 褒め方はゆっくり|興奮をもう一度上げない
- 家庭練習1|帰宅の飛びつきを小さく再現する
- 家庭練習2|来客を「近づける報酬」にする
- 家庭練習3|散歩中は挨拶を断ってもいい
- 実演の身体操作を家庭で力任せにまねしない
- 「無視すれば直る」がうまくいかない理由
- うまくいかない時の原因別チェック
- よくある質問|飛びつき癖の迷いやすい判断
- まとめ|うれしさを責めず、飛ぶ前の一秒を変える
動画でも詳しく解説しています。
YouTubeで解説動画を見る
結論|飛びつきは「空中」で直すより「床にいる時」を育てる

飛びつきを減らしたい時、先に覚えておいてほしい結論があります。
犬が跳んでから大声で止めるより、跳ぶ前の落ち着いた姿勢を見つけて、その姿勢を繰り返し選べるようにする。
これが練習の中心です。
跳んだ後だけに注目すると間に合わない
犬が人へ向かって走り、前足を浮かせ、胸や脚へ触れる。
この一連の動きはとても速いです。
前足が人へ届いた後に「ダメ」と言っても、犬はすでに近づきたい相手へ近づき、体を動かし、声をかけてもらっています。
犬から見れば、飛びつきによって欲しい反応が得られた可能性があります。
床にいる瞬間は必ずあります
人を見つけた直後。
こちらへ歩き出す前。
近くまで来たけれど、まだ前足が床にある時。
一度止まり、こちらを見上げた時。
この短い瞬間が、教えやすい時間です。
その時に落ち着いて声をかけ、お座りなど犬が分かる行動へつなぎ、ゆっくり褒めます。
目標は気持ちを消すことではない
飛びつく犬の多くは、人に会えたことがうれしかったり、関わりたい気持ちが強かったりします。
その気持ち自体を悪者にする必要はありません。
うれしくても四本の足を床につける。
近づきたくても、いったん待つ。
落ち着いた姿勢なら、人に触ってもらえる。
気持ちの表し方を、安全な行動へ置き換えていきます。
まず決める|家庭では飛びつきをどこまで許すのか

飛びつきの練習を始める前に、家族で決めてほしいことがあります。
それは、「うちでは、どの場面まで飛びつきを許すのか」です。
全面NGという選択
誰に対しても、どの時間でも飛びつかない。
このルールは犬にとって分かりやすいです。
体の大きい犬、興奮すると止まりにくい犬、小さな子どもや高齢者と暮らす家庭、不特定の来客が多い家庭では、安全面から全面NGにする考え方があります。
家族だけ許すという選択
飼い主さんが合図した時だけ、短い抱擁のような飛びつきを許す。
それ以外は四本足で挨拶する。
こうしたハイブリッドのルールもあります。
ただし、「今はいい」「今はダメ」を犬が区別でき、家族全員が同じ合図を使えることが前提です。
ルールが毎日変わるのがいちばん難しい
休日は笑って受け止める。
仕事着の日は叱る。
お父さんは許すけれど、お母さんは禁止する。
来客の一人は喜び、別の人は怖がる。
これでは犬から見た基準が変わり続けます。
ハイブリッド運用が難しい犬や家庭では、まず全面NGの分かりやすいルールから始めたほうが安全です。
原因1|うれしさや愛情表現で顔へ近づきたい

飛びつきには、犬が人の顔や口元へ近づきたいという背景があると考えられることがあります。
子犬が母犬の口元へ近づくような行動や、親しい相手の顔をなめる行動とつながって見える場合もあります。
好意があっても安全とは限らない
犬に悪意がなくても、勢いがあれば人は転びます。
爪が腕や顔へ当たることもあります。
小型犬なら受け止められると感じても、犬自身が繰り返し着地することで膝や腰へ負担がかかる可能性もあります。
「うれしいだけだから大丈夫」と、気持ちと安全を同じにしないことが大切です。
愛情表現の出口を変える
顔へ跳び上がる代わりに、お座りで見上げる。
四本の足を床につけたまま、胸や首の横をゆっくり触ってもらう。
飼い主さんの手へ鼻先を近づける。
犬が関わりたい気持ちを満たしながら、事故になりにくい表し方へ変えます。
触る位置も意識する
犬の頭上で手をひらひら動かすと、上を向き、前足が浮きやすくなることがあります。
褒める時は、犬が床にいられる低さへ手を持っていきます。
人の動きがジャンプを誘っていないかも見直してください。
原因2|飛びつくと人が反応してくれる

犬が飛びついた時、人は反射的に反応します。
「こら」と言う。
胸を押す。
前足を持つ。
笑いながら名前を呼ぶ。
抱きしめる。
犬にとっては、どれも人とのやり取りになり得ます。
注意も注目になることがある
人は叱っているつもりでも、犬は「飛びつくとこちらを見てくれた」と覚える場合があります。
特に、普段は人が忙しく、飛びついた時だけ濃い反応が返ってくる家庭では、その行動が続きやすくなります。
押し返す動きが遊びになることもある
胸を押す。
犬がまた前へ出る。
もう一度押す。
この往復が、犬には体を使った遊びのように感じられることがあります。
力で押し勝とうとせず、犬が跳び始める前に距離や動線を管理します。
平常時の反応を増やす
飛びついた時だけ注目を集める状態を変えるには、何もしていない時を見つけます。
床で立っている。
座って待っている。
自分のベッドで休んでいる。
そうした時間に静かに声をかけ、短く触れ、必要に応じて食べ物を渡します。
原因3|跳ぶこと自体が気持ちいい

行動は、必ずしも人から食べ物や声をもらう時だけ強くなるわけではありません。
走ること、吠えること、穴を掘ること、体を大きく動かすこと。
その動き自体が発散になり、繰り返しやすくなる犬もいます。
空中へ跳んだ時点で成立している
このタイプでは、飛びついた後に人が無視しても、跳ぶ動きそのものが終わっています。
「無視しているのに直らない」と感じる時は、人の反応以外の報酬がないかを考えます。
跳ぶ前に行動を分ける必要があります。
興奮を限界まで上げない
散歩から帰ってきてさらに激しく遊ぶ。
甲高い声で何度も名前を呼ぶ。
おもちゃを頭より高く振る。
その直後に来客が入る。
犬がすでに高い興奮状態なら、知っているお座りも届きにくくなります。
練習前は刺激を減らし、犬が人の声や手の動きを受け取れる状態から始めます。
発散と落ち着きを両方作る
活動が足りない犬へ、ただ「動くな」と求めても難しいです。
一方で、疲れ切るまで運動させれば必ず落ち着くとも限りません。
犬に合う散歩、におい嗅ぎ、遊びを行い、その後に水分、排泄、休息へつなげます。
原因4|緊張・警戒・距離を取りたい反応

多くの飛びつきは、うれしさや期待から起きます。
ただし、すべてを「喜んでいる」と決めつけないでください。
まれに、緊張や警戒が強く、人を遠ざけたい気持ちと一緒に前へ出ることがあります。
体全体を見る
体が硬い。
口が閉じている。
視線が固定される。
低くうなる。
歯を見せる。
人が離れても追う。
こうした様子がある時は、喜びの飛びつきと同じ挨拶練習をしません。
知らない人を練習相手にしない
不安や警戒がある犬へ、知らない人から手を伸ばしてもらうと、距離が近すぎる場合があります。
まず人と犬の距離を広げ、柵やリードで接触を防ぎます。
唸り、噛みつき、突進がある時は、家庭だけで無理に確認せず、対面で状態を見られる専門家へ相談してください。
急な変化は体調も確認する
以前は落ち着いていた犬が急に触られることを嫌がる。
着地後に足を浮かせる。
動きたがらない。
痛がる、呼吸が苦しそう、元気や食欲が落ちているなどの変化があれば、しつけだけの問題にせず獣医師へ相談します。
小型犬でも大型犬でも「事故の形」が違う
小型犬の飛びつきは、かわいらしく見えることがあります。
大型犬ほど人を倒す力はなくても、問題がないとは限りません。
小型犬は犬自身の着地も見る
床が滑る。
ソファの上り下りと飛びつきを何度も繰り返す。
高い位置からひねって着地する。
こうした動きでは、膝や腰などへ負担がかかる可能性があります。
歩き方の変化、片足を浮かせる、触ると嫌がるなどがあれば受診してください。
大型犬は人側の安全を先に作る
子ども、高齢者、妊娠中の方、杖を使う方、犬が苦手な方へ飛びつけば、転倒につながる可能性があります。
練習の最初から、その人たちに受け止めてもらわないでください。
丈夫な柵、適切なリード、十分な距離、犬を安全に保持できる大人を用意します。
玄関は特に二重管理
飛びつきを避けようと人が後ろへ下がった時、玄関扉が開いていると脱走へつながります。
犬の待機場所と玄関の間にゲートを設ける。
来客が入る前に犬を別の安全な区画へ移す。
挨拶練習より先に、逃走を防ぐ仕組みを作ります。
飛びつきの直前30秒を観察する

飛びついた瞬間だけを見ると、「突然始まった」と感じます。
でも、多くの場合、その前に小さな変化があります。
最初のスイッチを探す
鍵の音。
玄関の開く音。
家族の「ただいま」という声。
人がしゃがむ動き。
手が頭上へ出る。
リードを外す音。
おもちゃが見える。
犬がどの刺激で速度を上げるかを見ます。
体の予告を見る
耳の向きが変わる。
重心が前へ移る。
呼吸が速くなる。
しっぽの動きが大きくなる。
人の顔を見上げ、前足が軽くなる。
その段階なら、距離を取り、お座りへ誘導し、成功を作りやすくなります。
記録は短くていい
「18時、帰宅時、鍵の音で玄関へ走った」
「来客が目を合わせた時に跳んだ」
「散歩後、おもちゃを出した直後に跳んだ」
時間、直前の出来事、飛びついた相手、その後に得たものを一行で残します。
三日ほど見れば、練習を始めるべき場面が見えやすくなります。
最重要|飛びつきそのものを起こさない準備

飛びつきを減らすうえで、いちばん大切なのはタイミングです。
犬が何度も跳んでいる最中に練習を始めると、人の合図は届きにくくなります。
距離を味方にする
来客のすぐ足元まで犬を連れていかない。
まず数歩離れた位置で止まる。
犬が相手を見ても四本足でいられる距離を探す。
そこでお座りを伝え、落ち着きを褒めます。
一歩近づいて崩れるなら、また一歩戻ります。
リードは罰ではなく事故防止
室内でリードを使う場合は、犬が引っかからないよう大人が見守り、短い練習中だけ使います。
首へ強い衝撃を与えたり、無理に吊り上げたりしません。
犬が跳ぶ勢いを人の腕力だけで受け止めるのではなく、距離と動線を整えるために使います。
人側の動きを小さくする
大きな声。
広げた腕。
素早くしゃがむ動き。
顔を近づける動き。
これらが犬の期待を上げることがあります。
最初は体を少し横へ向け、静かな声で、ゆっくり近づきます。
お座りは「飛びつけない姿勢」を分かりやすくする

実演で中心になるのが、お座りと待てです。
座って落ち着いていれば、同時に人の胸へ飛びつくことは難しくなります。
先に静かな場所で確認する
来客の前でいきなりお座りを完成させようとしません。
家族一人。
静かな部屋。
犬が落ち着いている時間。
この条件で、合図を一度伝え、座れたらすぐ褒めます。
長い待てより短い成功
最初は一秒座れれば十分です。
人が一歩近づき、犬が座っていられたら、すぐに静かな挨拶をします。
十秒、三十秒と我慢させた後に爆発するより、短く成功して終えるほうが分かりやすいです。
お座りが難しい犬には四本足でもよい
体のつくり、年齢、床の滑り、健康状態によっては、すぐ座りにくい犬もいます。
その場合は「四本の足が床についている」を最初の正解にします。
伏せ、マットへ行く、飼い主さんの横に立つなど、その犬が無理なく選べる代替行動でも構いません。
合図は興奮が上がる前に一度だけ伝える

同じ「お座り」でも、伝えるタイミングで難しさが変わります。
犬がすでに何度も跳び、呼吸が速く、人の声を聞けない状態になってからでは遅いことがあります。
人を見つけた瞬間に準備する
犬が来客へ気づく。
まだ前足は床にある。
飼い主さんが名前を一度呼ぶ。
視線が戻ったら、お座りを一度伝える。
座れたらすぐ褒める。
この順番を狙います。
連呼しない
「お座り、お座り、お座り」と何度も言うと、犬は何回目が合図なのか分かりにくくなります。
一度伝えて反応がないなら、犬が反抗していると決めつけず、距離が近すぎないか、興奮が高すぎないかを見ます。
難易度を一つだけ変える
相手との距離を近づける。
相手が動く。
声を出す。
手を伸ばす。
これらを同時に行うと、一気に難しくなります。
一回の練習では一つだけ変え、できた条件を確認してください。
褒め方はゆっくり|興奮をもう一度上げない

犬がお座りできた時、うれしくなって大きな声で褒めたくなります。
でも、飛びつきやすい犬では、褒め方そのものが次のジャンプの合図になることがあります。
声を低く、動きを小さく
「いい子」と短く伝える。
手を低い位置から近づける。
胸元や体の横をゆっくり触る。
犬が立ち上がりそうなら、触り続けず一度止めます。
落ち着いた状態が続いたら、また関わります。
人へ近づけることも報酬になる
食べ物だけがご褒美ではありません。
犬が会いたい人へ一歩近づける。
短く触ってもらえる。
名前を呼んでもらえる。
これらも報酬になります。
四本足でいれば近づける、飛びつこうとすれば距離が止まるという流れを、穏やかに作ります。
食べ物を使う位置
食べ物を犬の頭上へ高く見せると、前足が浮きやすくなります。
犬の鼻先から少し下、床へ意識が向く位置で渡します。
指ごとかじるほど興奮している時は、無理に手渡しせず、距離や刺激を下げてください。
家庭練習1|帰宅の飛びつきを小さく再現する

本当に仕事から帰った時は、荷物があり、玄関が開き、犬も一日分の期待を持っています。
そこで最初の練習をすると難しすぎます。
玄関を開けない練習から
室内で家族が数歩離れる。
戻ってくる。
犬の四本足が床にあれば、静かに褒める。
跳びそうなら、人は前進を止める。
まず、この小さな往復を練習します。
次にドアの動きを加える
室内の別のドアを開ける。
一度外へ出て、すぐ戻る。
鍵や荷物の音を一つ加える。
犬が落ち着ける範囲で、実際の帰宅に少しずつ近づけます。
本番では完璧を求めない
犬が一度跳びそうになっても、慌てて大声を出さず、安全を確保します。
距離を戻し、四本足になった瞬間からやり直します。
一回の帰宅で直そうとせず、毎日の最初の十秒を同じ流れにすることが大切です。
家庭練習2|来客を「近づける報酬」にする

来客時は、犬にとって刺激が重なります。
チャイム、玄関、知らないにおい、人の声、荷物、家族の動き。
まず全部を一度に練習しないようにします。
協力者へ先に伝える
「犬が座っている時だけ近づいてください」
「跳びそうなら止まってください」
「頭上へ手を出さず、静かに待ってください」
練習相手には、この三つを先に共有します。
一歩ずつ近づく
犬が座る。
協力者が一歩近づく。
座っていられたら褒める。
前足が浮きそうなら、協力者は止まるか一歩離れる。
もう一度落ち着けたら再開します。
挨拶は数秒で終える
最初から長く触る必要はありません。
二秒、三秒触り、犬が落ち着いているうちに手を止めます。
短い成功を何度か作り、興奮が上がる前に休憩してください。
家庭練習3|散歩中は挨拶を断ってもいい

散歩中、犬好きの人が「かわいい」と近づいてくることがあります。
犬が喜ぶからと、毎回そのまま挨拶させる必要はありません。
相手を選ぶことも管理
犬が苦手な人。
走ってくる子ども。
大きな荷物を持つ人。
犬がすでに興奮している場面。
安全に練習できない時は、「今は練習中です」と断り、距離を取ります。
室内でできても屋外は別課題
屋外には、におい、車、自転車、他の犬、人の声があります。
家でお座りできる犬でも、外では一番やさしい距離からやり直します。
「家でできたから外でもできるはず」と急がないでください。
リードを短く固定しすぎない
事故を防げる長さは必要ですが、首輪やハーネスへ常に強い張りをかけると、犬も前へ力を入れやすくなります。
相手から距離を取り、犬が四本足でいられる位置を先に作ります。
実演の身体操作を家庭で力任せにまねしない

実演では、両手を犬の前へ出して壁のように見せたり、体の向きを変えて飛びつきをかわしたりする場面があります。
大切なのは、犬を強く押すことではなく、飛びつきが人へ届いて成功する流れを作らないことです。
顔と指を守る
犬が勢いよく跳ぶ時に手を出すと、顔、指、手首へ当たる可能性があります。
体の大きい犬、口が出る犬、興奮が高い犬に対し、自己流で正面から受け止めないでください。
首や体へ衝撃を与えない
リードを強く引く。
前足をつかんで落とす。
膝を犬の胸へ強く当てる。
犬を押し倒す。
こうした方法を家庭手順にはしません。
痛みや恐怖で一時的に動きが止まっても、人への不安や防御反応が強まる可能性があります。
まず道具と距離で成功させる
ゲート越しに人を見る。
適切なリードで数歩離れる。
犬が落ち着いたら一歩近づく。
難しければ人が離れる。
家庭では、力のぶつかり合いを避けられる設計を優先します。
「無視すれば直る」がうまくいかない理由

飛びついたら背を向ける、という助言を聞いたことがある方も多いと思います。
人の注目が目的なら、反応を減らすことが役立つ場合はあります。
ただ、無視だけですべての飛びつきが変わるわけではありません。
跳ぶこと自体が報酬なら残る
体を動かすこと自体が発散になっている犬は、人が目を合わせなくても跳び続けることがあります。
その場合は、飛ぶ前の環境管理と代替行動が必要です。
家族の一人が反応すれば続く
四人家族のうち三人が無視しても、一人が笑って抱きしめれば、犬はその人へ飛びつくことを続けます。
誰が、いつ、何をするかをそろえてください。
無視するだけでは正解が分からない
犬に「それは違う」と伝えるだけでなく、「こちらなら人と関われる」を教えます。
お座り、四本足、マットなどの状態で、実際に触ってもらう成功を作ります。
うまくいかない時の原因別チェック

練習しても飛びつきが続く時は、犬を責める前に条件を見直します。
合図が遅い
犬がすでに空中へ跳び、何度も着地してからお座りを伝えていないでしょうか。
鍵の音、人を見つけた瞬間、前へ走り出す前など、もっと早い地点へ戻ります。
距離が近すぎる
犬が相手へ触れられる位置から始めると、期待が大きくなります。
数歩、場合によっては部屋の端まで離れ、声が届く距離を探します。
一回が長すぎる
一度座れた後、長く触り続けると興奮が戻ることがあります。
最初は二秒の挨拶で終えて構いません。
成功のまま休憩します。
報酬の位置が高い
食べ物や手を犬の顔より高く掲げていないでしょうか。
四本の足が床へ向く低い位置で渡します。
生活の中で成功し続けている
練習は一日五分でも、残りの時間に何度も飛びついて人へ触れられていれば、飛びつきの経験が勝ちやすくなります。
帰宅、食事前、遊び、散歩準備など、日常の同じルールを確認してください。
家族で一枚の観察表を作る
難しく考えなくて大丈夫です。
紙やスマートフォンのメモへ、次の五つだけを残してください。
- いつ起きたか
- 誰に飛びついたか
- 直前に何があったか
- 人はどう反応したか
- 犬はその後に何を得たか
たとえば、「19時、父の帰宅。鍵の音で玄関へ走り、父が名前を呼んだ時に飛びついた。父が胸を押しながら笑った。その後すぐ遊びが始まった」と書きます。
この一行を見ると、練習地点は飛びついた後ではなく、鍵の音がした直後かもしれないと分かります。
父が入る前にゲートの内側でお座りする。
四本足でいられたら、父が一歩入る。
そこで落ち着けたら、静かに挨拶する。
実際の生活へ置き換えやすくなります。
成功の基準を小さく決める
「今日から一度も飛びつかない」を目標にすると、犬も家族も苦しくなります。
最初の目標は、もっと小さくします。
玄関で前足が浮くまでの時間が一秒伸びた。
一回目の合図でこちらを見た。
来客が一歩入っても四本足でいられた。
触られた後、自分から座り直せた。
こうした変化を成功として数えます。
回数だけでなく、興奮が戻るまでの時間、合図が届く距離、落ち着いて挨拶できた秒数も見てください。
朝・帰宅・夜で同じ入口を作る
飛びつきは特別な練習時間だけでなく、生活の節目で起きます。
朝に家族が起きてきた時。
散歩前にリードを持った時。
仕事から帰った時。
夜に遊びを始める時。
そのたびに、まず四本足、またはお座りを確認してから次の楽しいことを始めます。
座れば散歩へ行ける。
四本足ならドアが開く。
落ち着けばおもちゃが出る。
犬にとって一日の中で何度も同じ法則が起きると、特定の来客だけではなく、生活全体で落ち着いた入口を選びやすくなります。
崩れた日は条件を一段戻す
昨日できたのに、今日は飛びついた。
それだけで練習が失敗したとは限りません。
運動量、睡眠、来客の人数、時間帯、周囲の音などで、犬の反応は変わります。
難しい日は、相手との距離を広げる。
挨拶の時間を短くする。
ゲート越しに戻す。
家族一人の練習へ戻す。
犬が成功できる条件へ一段戻し、また積み上げます。
よくある質問|飛びつき癖の迷いやすい判断

Q.小型犬なら飛びつきを許しても大丈夫ですか?
家庭の価値観として許す選択はあります。
ただし、犬自身の膝や腰への負担、爪が人へ当たること、知らない人や子どもへの飛びつきも考えます。
許すなら、誰にでも自動的に跳ぶ状態ではなく、人の合図がある時だけに分けられるかを確認してください。
Q.お座りを知っているのに、来客時はできません
お座りを知らないのではなく、来客の刺激が強すぎる可能性があります。
来客から離れ、声が届く距離へ戻ります。
静かな家族相手の練習、ドアの音だけの練習、人が一歩入る練習と、条件を細かく分けてください。
Q.飛びついたら毎回叱るべきですか?
大声や力で止めることを繰り返すより、事故を防ぎ、飛ぶ前にお座りや四本足へ誘導するほうが伝わりやすいです。
飛びついた時だけでなく、落ち着いている時間へ十分な反応を返してください。
Q.何日で直りますか?
一律の日数は決められません。
犬の年齢、飛びつきが続いた期間、きっかけ、家族の対応、安全に練習できる回数によって変わります。
一回できたことより、場面を変えても繰り返せるかを見ます。
Q.いつ専門家へ相談すべきですか?
人が転倒した。
脱走につながった。
飛びつきと一緒に唸りや噛みつきがある。
大型犬を安全に保持できない。
犬や人がけがをする可能性が高い。
こうした場合は、家庭で試し続けず、対面で環境と犬の状態を確認できる専門家へ相談してください。
痛み、歩き方、呼吸、元気、食欲などの変化がある場合は、獣医師へ相談します。

まとめ|うれしさを責めず、飛ぶ前の一秒を変える
犬の飛びつきは、一つの理由だけで起きるわけではありません。
人の顔へ近づきたい。
触ってほしい。
過去に人が反応してくれた。
跳ぶこと自体が発散になる。
まれに、緊張や警戒が関係する。
まず、愛犬がどのタイプに近いかを見てください。
そして家庭では、全面NGにするのか、合図がある時だけ許すのか、家族で基準をそろえます。
練習の中心は、犬が空中へ跳んだ後ではありません。
人を見つけた。
まだ四本足が床にある。
そこで距離を保ち、お座りや待てを一度伝える。
できたら、静かな声と低い手の位置で褒める。
落ち着いていれば、人へ一歩近づける。
この短い流れを積み重ねます。
飛びつきを止める練習は、犬のうれしさを消す練習ではありません。安全に気持ちを伝える方法を、一緒に作る練習です。
今日から始めるなら、まず帰宅直後ではなく、静かな部屋で家族が二歩離れて戻るところから試してください。
犬が跳ばずに待てた一秒を見つけ、その一秒をゆっくり褒めましょう。

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