犬のしつけは英語?日本語?コマンド一覧|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬のしつけ
人に注意を向ける犬

犬のしつけは、英語でも日本語でも教えられます。

すでに伝わっている言葉なら、英語へ変えるためだけに教え直す必要はありません。

これから選ぶ場合は、家族が短く言いやすい言葉にそろえましょう。

「Sit」と「おすわり」を人によって使い分けるなら、どちらも同じ動作を指す合図として教えます。

先に決めたいのは英語か日本語かではなく、「どの言葉で、どの行動を求め、何を合図に終えるか」です。

日英の対応表で使う言葉を選び、家族で声の合図・手の動き・褒める基準をそろえましょう。

覚えた合図を変えるときの手順も、後半で紹介します。

この記事の目次
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英語と日本語は、家族が使いやすい方を選ぶ

玄関で待ってほしい時や、近くへ呼びたい時に、自然に出る言葉を選んでください。

家族で使う言葉が違う場合は、まず一つの動作について言い方をそろえます。

家庭犬の合図は、英語か日本語かで優劣を決めるより、飼い主がとっさに短く伝えられ、家族全員が同じ意味で使える方を選びます。

家庭の状況 選び方 先に確認すること
日本語が自然に出る 「おすわり」「ふせ」「おいで」などで統一 文章の中へ合図を埋もれさせない
すでに英語で覚えている Sit、Down、Comeをそのまま使う 生活で困っていなければ無理に変えない
家族で言葉が混在している 一つの行動につき主合図を一つ決める 成功の形と解除の言葉もそろえる
多言語の家庭 最初は一つを主合図にして教える 二つ目を追加する順番を家族で共有する
これから子犬へ教える 生活と安全に使う言葉から選ぶ 言葉だけを先に繰り返さない

たとえば、散歩へ出る前に玄関で待ってもらう場面なら、家族が普段使う「まて」の方が言いやすいことがあります。

日常会話の「待って」と区別したい家庭では、StayやWaitを選ぶ方法もあります。

道路や扉の前では、合図に応じるかどうかに安全を任せず、リードや扉で飛び出しを防いでください。

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犬は言葉と行動をどう結びつけて覚える?

「おすわり」もSitも、犬にとって最初から座る意味を持つ言葉ではありません。

音のあとに座り、褒められる経験が重なることで、合図として働くようになります。

まずは、おすわりなどの動きを覚えてもらいます。その動きをする直前に短い合図を添え、できたところで褒めると、音と行動を結びつけて教えられます。

英語と日本語のメリット・注意点を比べる

英語でも日本語でも教えられます。

「英語なら聞き取れる」「日本語だと伝わらない」と決めず、家族が普段使いやすく、同じように伝えられる言葉を選んでください。

英語は短い合図を作りやすく、日常会話と分けやすい

英語はSit、Down、Comeのように短い一語を選びやすく、日本語の日常会話へ紛れにくい点が使いやすさにつながります。

  • 練習用の合図と日常会話を分けやすい
  • すでに英語で覚えた犬の合図を引き継ぎやすい
  • 教室やドッグスポーツで使う言葉へ合わせやすい場合がある

ただし、短いだけで伝わるわけではありません。

Sit、Stay、Standを早口で続ける、同じDownを「ふせ」と「降りて」の両方に使う、家族ごとに成功の基準が違う。

この状態では英語を選ぶ利点が薄れます。

日本語は生活の中ですぐ使え、家族へ共有しやすい

日本語は、子どもや高齢の家族を含めて意味を共有しやすく、散歩や来客時にもとっさに出やすいことが利点です。

注意したいのは、言い方が増えやすいことです。

「おいで」「こっち来て」「早く来なさい」が同じ場面で入れ替わると、どこからが合図なのか分かりにくくなります。

練習では名前で注意を向け、決めた合図だけを短く伝えます。

英語コマンド一覧|訳ではなく、家庭での動作まで決める

英語コマンドに世界共通の細かな完成形があるわけではありません。単語と日本語訳だけでなく、犬にどこまでしてほしいかを決めます。

日本語の例 英語の例 家庭で決める動作 混同しやすい点
おすわり Sit お尻を床につける 座り続けるところまで含めるか
ふせ Down 胸やお腹を床へ近づける ソファから降りる意味と分ける
おいで Come 飼い主の手元まで来る 来た直後に叱ったり捕まえたりしない
まて Stay 姿勢や場所を解除まで保つ 解除の言葉も一緒に決める
少し待って Wait 一時的に前進を止める Stayとの区別は家庭で統一する
ついて Heel 決めた側の足元で歩く 左右と許容する位置を決める
はなして Drop / Give 口にある物を離す Leave itとの違いを決める
触らない Leave it 対象から口や視線を外す 口に入れた物を離す合図と分ける
決めた場所へ Place マットやベッドへ移動する 閉じ込めや罰に結びつけない
おしまい Free / Okay 直前の合図から解放する 日常会話で多用する語は避ける

言葉を決めても、犬がその動きをまだ覚えていなければ応じられません。

表の単語を一度に増やさず、家で使いたい合図を一つ選んでください。

教えたい動きから合図を選ぶときは、生活で使うコマンドの一覧もご覧ください。

犬のしつけコマンド一覧|警察犬ドッグトレーナーが意味と使い方を解説

StayとWaitの違いは、犬ではなく人が決めて教える

一般的には、Stayを「今の姿勢や場所を解除まで保つ」、Waitを「一時的に前へ進まず次の案内を待つ」と分けることがあります。

ただし、この区別を犬が最初から知っているわけではありません。

家庭や競技によって運用も変わります。

二つを使い分けるなら、言葉の訳ではなく、姿勢、距離、終わり方を書き分けます。

確認項目 Stayの例 Waitの例
犬に求めること 座った場所と姿勢を保つ 玄関から前へ出ない
人の動き 犬から離れて戻る 扉を開け、次の案内を出す
終わり方 Freeで解除する 行こう、で前へ進む

意味を分ける時は、同じ練習の中で交互に連呼しません。

まず一方だけを短い距離・短い時間で練習し、完成形が安定してからもう一方を教えます。

家族で使う言葉と褒めるタイミングをそろえる

松尾 ゆうと

同じ行動には、家族で同じ言葉を使いましょう。

「おすわり」「座って」「Sit」を人によって使い分けるより、まず一つにそろえると教え方を共有しやすくなります。

手の合図を使う場合も、動きを見せ合って確認してください。

褒めるタイミングも大切です。

お尻が床についたら褒める人と、座ったまま待つことまで求める人がいると、犬への伝わり方が変わります。

座る動作と、その姿勢で待つ練習は分けて教えましょう。

世話を頼む時も、使う言葉と合図の終わり方を伝えておくと安心です。

日本語と英語を混ぜる時、合図を変える時の順番

今の合図で動けることを静かな場所で確認してから、新しい言葉を追加します。

まだ動作を覚えていない場合は、先にその練習を進めてください。

一つの行動に複数の合図を教える場合も、教え始めから「おすわり、Sit」のように二語を毎回ひと続きにすると、どちらが必要な合図なのか分かりにくくなります。

新しい合図へ変える時は、新しい言葉を先に、短い間を置いて、犬が知っている古い合図を一度だけ伝えます。

  1. 静かな場所で、新しい合図「Sit」を一度言う
  2. 短く間を置く
  3. 犬が知っている「おすわり」を一度言う
  4. 座れたら、すぐに褒める
  5. 新しい合図だけで動く機会が増えたら、古い合図を減らす
松尾 ゆうと

「Come」を「おいで」へ変える場合も同じです。

ただし、呼ばれて行くと遊びが終わる、爪切りが始まる、叱られる、といった経験が続いているなら、言葉の変更だけでは戻らないことがあります。

来た後に何をするかも見直してください。

多言語の家庭でも、一人一言語に固定する必要はない

家族の一人が英語、別の人が日本語を使う場合も、同じ動作をしてほしいなら褒める基準をそろえます。

まず一つの合図を覚えてもらい、もう一つは前の手順で追加してください。

子どもが英語、大人が日本語を使う家庭でも、同じ動作を求めているかを家族で確認しましょう。

「Sit/おすわり」はお尻を床につける、「Free/よし」は動いてよい、というように、言葉と動作の対応をそろえます。

合図へ反応しない時は、言葉以外の条件も見る

家ではおすわりできるのに、公園ではできない。

英語なら反応するのに、日本語では反応しない。

この違いだけで、犬が英語を好んでいるとは判断できません。

合図を聞ける距離、周囲の刺激、飼い主の立ち位置、練習回数、直後に起きることまで並べて確認します。

  • 犬、人、音、匂いへ注意が向いていないか
  • 飼い主が正面に立つ時だけ反応していないか
  • 声より手の動きを見ていないか
  • 合図を言う前に犬がすでに動いていないか
  • できた後に遊びや散歩が終わる経験が続いていないか

今までできていた姿勢を急に避ける、名前や生活音への反応も変わった、立ち上がりや階段をためらう場合は、言葉の問題だけと考えません。

痛み、聞こえ方、見え方、体調の変化が疑われる時は練習を中断し、動物病院へ相談してください。

よくある失敗は、言語より使い方にある

英語と日本語の選択より、合図を出すタイミング、成功の基準、犬が応じた後の結果がぶれる方が、反応を不安定にします。

よくある失敗 起こりやすいこと 見直し方
合図を何度も繰り返す 一回目を聞き流す経験が増える 一度伝え、難しければ刺激の少ない場所や短い距離に戻る
家族ごとに言葉が違う 人によって反応が変わる 使う合図と、犬に求める動作を家族でそろえる
同じ言葉を別の行動にも使う どちらを選ぶか迷う DownとOffなど役割を分ける
応じた後に叱る 呼ばれること自体を避ける 合図へ応じた直後は良い結果につなげる
室内で教えてすぐ屋外で試す 刺激が強く行動が出ない 部屋、玄関前、静かな屋外と段階を刻む
失敗を反抗と決める 練習や人の声を避ける 理解度、環境、体調を先に確認する

合図を教える時に避けたいこと

合図を覚えさせるために、怒鳴る、体を押さえつける、痛みや恐怖を使う必要はありません。

  • 反応するまで同じ言葉を大声で連呼する
  • 座らせるために腰を強く押す
  • 伏せない犬の前足を無理に引く
  • 呼び戻した直後に叱る
  • できていない合図を、事故につながる屋外でリードなしに試す
  • 痛みや聴力の変化を「わがまま」と決めつける

犬のしつけを英語で教える時のよくある質問

言葉を変える場合も、求める行動と褒める基準は家族でそろえてください。

日本語で覚えた犬を、英語へ変えても大丈夫ですか?

変更できます。

新しい英語の合図を先に一度言い、短く間を置いて、犬が知っている日本語の合図を伝えます。

新しい合図だけで動ける回数が増えてから、古い合図を減らしてください。

散歩中より、静かな室内の短い距離から始めます。

家族の一人だけ英語を使っても覚えますか?

複数の合図を覚えることはできます。

ただし、教え始めは主合図を一つにすると、成功と失敗の条件を確認しやすくなります。

二つ目を足す時は、新しい合図、古い合図、行動、褒める、という順番を共有します。

英語はカタカナ発音でもよいですか?

家庭内で再現でき、犬が他の合図と区別できていれば使えます。

ネイティブに近い発音であることより、人によって音が大きく変わらないこと、同じ行動を求めることを確認してください。

「No」や「ダメ」もコマンドに入りますか?

止める言葉だけでは、代わりに何をすればよいかが伝わりません。

拾わないならLeave it、口にある物を離すならDrop、マットへ移動するならPlaceのように、次の行動を教えると家庭で使いやすくなります。

危険を止める管理と、代わりの行動を教える練習は分けます。

食べ物や物を守って唸る犬に、手を伸ばして合図を試すことは避けてください。

咬傷の危険があるときは、練習より先に安全を確保し、対面の専門家に相談してください。

子犬には何個の英語コマンドから教えればよいですか?

数を目標にせず、名前への反応、おいで、おすわり、まて、ハウスなど、生活と安全に使うものから選びます。

同時に増やして反応が曖昧になったら、使う言葉を減らし、一つが安定するまで待ちます。

英語だけ反応するのは、英語の方が優れているからですか?

それだけでは判断できません。

英語の方を多く練習していた可能性のほか、手の動きや立ち位置が合図になっている場合もあります。

同じ場所・同じ姿勢で、声と手の動きを分けて確認すると、何に反応しているかを見直せます。

今の英語で困っていなければ、無理に変える必要はありません。

家族で使う言葉と褒める基準をそろえる

犬のしつけで使う言葉は、英語でも日本語でも構いません。一つの行動に使う合図を決め、家族でそろえます。犬がその行動をできたところで褒める、という練習を続けてください。

英語は短い合図を選びやすく、日本語は生活の中でとっさに使いやすい傾向があります。

どちらを選んでも、言い方、手の動き、求める動作、解除が毎回変われば反応は安定しません。

まずは、声や手の合図、できた時に褒める動作、自由に動いてよいと伝える合図が、家族でそろっているか確認しましょう。

途中で変える時は、新しい合図、古い合図、行動、褒める、の順につなぎ直します。

何から練習するか迷うときは、迎えた犬との暮らしと練習の進め方を確認してください。

犬のしつけの順番と最初にすること|警察犬ドッグトレーナーが解説

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