愛犬と楽しく触れ合ってコミュニケーションを取りたい時や、危険を回避する目的で「おいで」と声をかけているのに、反応が鈍く来ないことがたびたびあると悩んでいませんか?
犬は体格の大小、犬種や性格にかかわらず「おいで」という声がけ(コマンド)で「人のもとに喜んで来る」ようにしつけておくことが、さまざまなリスク回避や日常のコミュニケーションをとる上でとても大切です。
また、基本的には喜んで声をかけた飼い主さんのもとに駆け寄ってくる性質を持つ子が多いため、「うちの子はなぜ来ないのか…?」とショックを感じたり不安を抱くこともあるでしょう。
今回は愛犬に「おいで」と声をかけても来ない原因や、呼び戻しのしつけ方法と必要性について解説してみたいと思います。
目次
愛犬に「おいで」と言っても来ない…その原因とは?
「おいで」という声がけで、いつもは飼い主さんのところに真っ先に来た愛犬なのに、ここ最近この声がけに対する反応が鈍いと悩んでいませんか?
愛犬に「おいで」と言っても来ないのは、飼い主さんがイメージできないような深い原因が隠されているのかもしれません…。
「おいで」の声がけから苦手なことをされたため
愛犬に「おいで」と言っても来ないのは、この声がけの後に、
ポイント
- 歯磨き
- 爪切り
- ブラッシング
- シャワー
- 耳そうじ
など、日常で必要なお手入れをしたことが原因かもしれません。
「おいで」の声掛けで愛犬は「遊んでもらえる!」「おもちゃをもらえる!」と、楽しいことを予想していたのに、じっと我慢する必要がある苦手な日常のお手入れをされてしまうと、苦手意識が強くなって「おいでの後はガマンのお手入れだ」とイメージしてしまい、声がけに反応しなくなった可能性があるのです。
「おいで」の声がけを、愛犬にとって楽しく安心するものだと認識させるため、声がけの次にする行動を見直す必要があります!
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叱られるのではないかとビクビクしている
愛犬がいたずらをした時、「おいで」の声掛けと一緒にキツイ言葉や態度で叱ってしまった経験はありませんか?
犬は飼い主さんが思う以上にいろいろなことを覚えていて、叱られたことに対しては深いトラウマを抱いてしまいます。
「おいで」といった時に愛犬をキツく叱ってしまうと、愛犬は「おいで=叱られる」とインプットしてしまい、恐怖心や緊張から「おいで」の声がけに反応しなくなってしまうのです。
日常を通して愛犬を叱らないのが理想的ですが、万が一叱らなければいけない場面でも、決して「おいで」の声がけ(コマンド)の後に叱らないことが大切です。
「おいで」の声掛けのたびに叱っては、ますますこの言葉に愛犬が嫌悪感を抱いてしまい、反応しなくなるため、日常の接し方を見直していくのも重要です!
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「おいで」からのやり取りが中途半端
愛犬にかける「おいで」の言葉は、基本的に飼い主さんのところに呼び戻して、コミュニケーションを取ったりおもちゃやおやつをあげるといった目的がありますが、
ポイント
- 飼い主さんのところに来ようとする過程で違う方へ行ってしまった
- 飼い主さんのところに行っても良い経験をすることがなく(褒められる等)それで終わりになることが多い
などの行動が見られると、「おいで」の呼び戻しの目的が最後まで達成できていない状態になります。
言いかえると「言うことを聞かなくてもいいしつけ」になってしまうこともあります。
さらに、愛犬は「飼い主さんのところに行っても何か良いことがあるわけではない」とつまらなく、物足りなさを感じてしまうと「おいで」の言葉に反応しなくなってきてしまいます。
飼い主さんは愛犬に「おいで」と声をかけたら、決してそのままにせず、飼い主さんのところに来た際に「よくできたね、いい子いい子!」と思いっきり褒め、スキンシップを取ってあげると、愛犬は「おいで」の言葉を聞くと一目散に喜んで飼い主様のもとに駆けよって来るようになります。
「おいで」と言っても来ない愛犬に…呼び戻しのしつけと必要性!
愛犬と楽しく癒しの時間を過ごしたり、人間社会の中でのさまざまな危険から愛犬を守るために、呼び戻しのしつけを愛犬に教えておくことはとても大切です。
ここでは早めにマスターしておきたい呼び戻しのしつけポイントと必要性をご紹介します。
呼び戻しトレーニングの流れとコツ
ポイント
- 愛犬のお気にいりのおもちゃ、おやつを持って愛犬から離れるように2、3歩歩く
- 愛犬の顔の高さに、おもちゃやおやつを持った手を差し出す
- 愛犬がおもちゃ、おやつに反応してこちら側に向かってきそうになったら「おいで」と声をかける
- 愛犬が飼い主さんのところに到着したら思いっきり褒めたり撫ででおもちゃ、おやつをあげる
- ここまでの流れを何度か繰り返し、少しずつ距離を広げて成功体験を増やしていく
上記の流れをリードをつけた状態で行うことも非常に有効です。
リードや首輪をつけた状態で行うことで「コントロールできる状態」が作りやすいからです。
なのでお家の中でもしつけやトレーニングの際にはリードや首輪をつけて行うこともやってみてください!
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愛犬の呼び戻しトレーニングの必要性!
「おいで」の声がけひとつで愛犬を飼い主さんのところに呼び寄せるしつけは、
ポイント
- お散歩中に万が一飛び出した際の事故やケガを防ぐ
- 脱走や迷子になってしまうのを未然に予防する
- 他の犬や飼い主さんとのトラブルを防ぎ、基本的なマナーやルールをしつける
- ドッグランでの呼び戻しに有効
- 首輪、ハーネスが抜けてしまった時のリスク回避
という大切な目的・必要性があります。
また愛犬が「おいで」の一言にすぐに反応できるようになると、触れ合いの時間が増えて信頼関係が深まったり、愛犬の心身の変化にもすぐに気づいて対処できるでしょう。
おわりに
「おいで」の愛犬への声がけは、毎日いろいろなシチュエーションでかけることが頻繁にあると言えます。
飼い主さんの「おいで」の一言が、愛犬にとって嬉しさやメリット、安心感を感じてもらうことができるよう、本来の目的と呼び戻しのしつけ法、必要性を早めに押さえておきましょう!