他人や犬、屋外の環境や室内のモノ・音などなど、人間社会のさまざまな刺激に慣れさせていくしつけや遊びのことを、子犬の社会化期と言います。
愛らしい子犬を飼い始めると、しつけよりも可愛がる触れ合いが頻繁になってしまいますが、人間社会に慣れさせるための子犬の社会化期は、子犬と飼い主さんが楽しく健康的に暮らすために必要な時期となります。
今回は子犬の社会化期について、意味や必要性、しつけやおすすめの遊び方を詳しくお伝えしてみたいと思います。
この社会化期に対する考えは、ウチのスクールでもお客様にお伝えしている重要な内容になるのでぜひ参考にしてみてください!
目次
子犬の社会化期とは?必要性を合わせてチェック!
飼い主さんが頻繁に見聞きすることが多い「子犬の社会化期」というフレーズでも、まだまだ未知の部分があるのではないでしょうか?
ここでは子犬の社会化期の意味、必要性をさっそく見ていきましょう。
子犬の社会化期の意味
子犬の社会化期には、生まれてから3~12週程度の期間のことを言い、この期間にどれだけ良質の社会体験をしたかが、成犬になってからの社会性にかかわってくるといわれています。
また明確に生後3~12週のみの期間で終わりではなく、「徐々にはじまって、徐々におわる」といわれているようにグラデーションしているといわれています。
(人によっては生後6ヶ月、長いと生後1歳前後まで続いているという人もいます。)
社会化期は子犬の性格や固体によって差があるものの、洋犬(ヨーロッパの犬)よりもどちらかというと柴犬や秋田犬のような和の犬種の方が社会化期のしつけの重要性があるといわれています。(言いかえると社会化期にしつけをしたほうがいいといえます。)
実際ウチのスクールでも洋犬よりも、和犬の子のほうが成犬になってからのさまざまな社会化しつけはむずかしいと感じます。
また大型犬の場合の社会化期は、他の小型犬種よりも社会化期が長いと言われ、生後16週の期間まであるといわれています。
「いま頑張ればあとが楽になる。」の精神で積極的に正しい社会化をしてあげましょう!
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子犬の社会化が必要な理由
子犬の社会化期が必要なのは、子犬はこの期間にメンタル面強化やさまざまな刺激へのストレス耐性をつけるためです。
社会化期に刺激を受けたこと・学んだこと・他人や他犬とのコミュニケーションの経験が、子犬の柔軟な判断や正しいコミュニケーションのとり方や利口さ・従順さにつながっていきます。
そのため子犬の社会化期は、コミュニケーション能力を育て、良質な経験を与えることが必要不可欠です。
逆に子犬の社会化期のしつけ、コミュニケーションが不足していると、
ポイント
- 刺激に対して過剰に反応する
- 初めての環境でパニックになる
- 他人、他犬とのコミュニケーションのとり方がわからない
- 過剰に攻撃的になる
- 過剰に萎縮する
- ストレスへの耐性がよわい
- 刺激や物音に敏感になる
といった心配なリスクがあるのです。
子犬に良質な経験を与えてあげましょう!
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子犬の社会化期に飼い主さんがしておきたいこと!
子犬を迎え入れてから、できるだけ早く人間社会に慣れさせて柔軟性を育てていくために子犬の社会化期に飼い主さんがしておきたいことをまとめてみました。
飼い主さん以外の人との触れ合いを増やす
子犬の頃から飼い主さん以外の人(他人)と触れ合う機会を増やしておくことは、子犬の社会化期トレーニングの基本になります。
子犬のうちからの早い段階でさまざまなタイプの人と触れ合わせておくと、成長してからも人が大好きで懐っこい、まわりに愛される愛犬に育てることができます。
具体的な方法としては、他人にハグをしてもらう、優しく撫でてもらうといったご家族以外の第三者からの愛情をうけることが大切です。
”やさしく”というのがポイントで過剰に、オーバーな刺激にならないように子犬が緊張せず受け止められる範囲の刺激してあげるとなお良しです!
また正しい社会化は人に対して攻撃的になったり、逆に恐怖で怯えて触れ合いを嫌がるといった、慎重で繊細過ぎる性格の改善・予防にもアプローチできます。
室内、屋外両方の環境に慣れさせておく
子犬を迎え入れてからは、室内・屋外、家のまわりの環境すべてが、愛犬の成長のベースとなります。
ある程度の長期間この環境で子犬と暮らしていくことになるため、早めに室内・屋外のモノや音、環境に慣れさせるようにしましょう。
室内ではたとえば、
ポイント
- 掃除機の音
- テレビの音
- 飼い主さんが家事をする際の音
- 家具、家電製品
などなど、音を聞かせる・モノを見せて触れさせるしつけをしておくと子犬は普段の生活をストレス少なく過ごすことができます。
屋外の例では、
ポイント
- 車やバイクの音
- 工事現場の音
- 他犬、他人の姿や声
- 小動物
などを毎回の散歩で見聞きさせておくと、愛犬は屋外の環境を認識し、成長してからも不安や恐怖の対象にはならなくなります。
反面、ワクチンプログラムが終わっていない子犬はお散歩に行くのは病気罹患のリスクより、お散歩にいくのはむずかいしいと思います。
ですが抱っこ散歩なら病気の罹患リスクも最小にお散歩慣らし(社会化)をしてあげることができます。
具体的にはご自宅のまわりを抱っこしたままお散歩することです。
最初は少ない時間でもかまいませんので、少しずつ慣らしてあげると社会化期をより良質な時間として過ごしていけます!
飼い主様もできる範囲で取り組みましょう!
子犬の社会化期におすすめ!愛犬が喜ぶ遊び方
子犬の社会化期は、犬本来が持つ好奇心旺盛な部分と、飼い主さんの言いつけを守る従順さを育てる、おすすめの遊び方がいくつかあります。
遊び感覚で子犬のしつけもできる、社会化期におすすめの遊び方をさっそく実践してくださいね
おもちゃを投げて持ってこさせる遊び
おもちゃを遠くに投げて愛犬に持ってこさせる遊びは、
ポイント
- 子犬が持つ運動欲求、狩猟欲求が満たされる
- 運動不足を解消できる
- おもちゃを持ってきたときに褒める、撫でる対応が愛犬の健康に良い
- おもちゃに対するいい欲求、集中力を養える
というメリットがあり、飼い主さんは動き回る負担がないので忙しいときにも続けやすいです。
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ひも状のおもちゃの引っ張りっこ
ひも状のおもちゃを飼い主さんと愛犬の口もとで引っ張り合う遊びは、
ポイント
- 口腔内、顎の筋肉の強化につながる
- お互いの距離が近いためコミュニケーションが取りやすい
- 衝動コントロールにつながる
- 物に対する集中力をつけることができる
- 今後のしつけの幅が広がる
- 運動と発散ができる
などのメリットがあり、子犬の噛みたい欲求をコントロールできるメリットもあります。
プロトレーナーのぶっちゃけ
「社会化期の良質な経験体験は、犬の一生を左右するくらい重要なものです。
こう書くと大げさに聞こえますが、誇大に書いているのではなく僕はわりと本気で思ってます。
もちろん犬にはいろんな性格、それぞれの犬種の特徴、いわゆる個体差があるので、一概にはいえませんが、社会化期の慣らしのしつけはとても大切ということはいえます。
特に強い気質をもって生まれてきやすい和犬の子(柴犬、秋田犬等)たちにはより重要なしつけになってくることはたしかです。(実際現場で見ていても和犬の子たちが成犬になってからの問題行動修正のしつけはまあまあ大変です…!)
社会化期のしつけをしたからといって、「絶対に将来大丈夫!」とまではいえませんが、子犬が正しい社会化期をおくることで成長していく上での問題行動の発生を未然に防げること、万が一問題がおこってしまっても行動修正を容易にできる可能性は十分あります。
おわりに
子犬の社会化期はいろいろなことが刺激になって、しつけがしやすい・覚えてもらいやすい最適な期間でもあります。
子犬を迎え入れたらさっそくの社会化期トレーニングを行い、まわりの飼い主さん・犬からも愛される愛犬を目指してくださいね。