飼い主さんなりに一生懸命、愛情を持って愛犬をしつけているつもりなのに、おすわりやお手などの基本的なしつけ、マテやおいでなどの応用的な面もなぜか上手くいかない…。
ワンちゃんのしつけをやる上でこういったお悩みは尽きないものです。。
今回はそういったお悩みを持たれている方に、しつけがうまくいかない原因と解決策を、わかりやすくコラム形式でまとめてます!
実際の店舗のお客様にもお伝えしている有益な内容なのでぜひ参考にしてみてください!
目次
愛犬のしつけがうまくいかない…気づけていない原因とは?
愛犬へのしつけは犬を飼い始めて知識もノウハウもない状態で行うため、何が正しくて何が間違っているのか、判断が難しいと感じることもあるでしょう。
根気と試行錯誤が必要な愛犬のしつけですが、以下のようなNG点が飼い主さんにあると、繰り返ししつけても覚えが悪くなったり、他にも良くない影響が出る心配があるのです…。
しつけを継続していない
うちの店舗でも実際のお客様にもお伝えしていますが、愛犬のしつけは、どんな内容や成功体験の回数にかかわらずに、長いスパンで継続していく必要があります。
なぜなら、犬のしつけの性質上かんぺきに習得するとなるとある程度の「時間や労力がかかる」からです。
我々人でもそうですが、始めたばかりのスポーツをいきなりプロレベルでかんぺきにこなす事って難しいですよね?
それと一緒の原理で短期間でかんぺきを求めるのではなく、「犬のしつけは時間がかかるもの」と割り切って取り組むべきものでもあります。
また、愛犬も年齢を重ねるとともに肉体的・精神面両方に変化が出て、これまでできていたしつけが急にできなくなることもあるため。
完璧にマスターできていると感じたしつけでも、愛犬のコンディションによっては急にできなくなることもあるため、しつけを継続して繰り返し教える習慣を持つこともたいせつです!
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感情的すぎるしつけをしている
愛犬にしつけを教える際は、
ポイント
- コマンドを言葉を統一する
- 短くわかりやすい単語で伝えること
というポイントが成功の秘訣になります。
なぜなら犬という動物は非常に優れた知性を持っていますが、人間のように文章で何かを認識することは比較的むずかしいからです。
そして愛犬がしつけをなかなか覚えられないと、人間の心情的についイライラ・ムカムカして感情的になってしまう経験もあるかと思います。
感情的になると人間のマイナスな感情が伝わり、自然に声のトーンもばらつきが出ること、そしてコマンドが統一されずにバラバラの指示を出すように変わってしまいます。
すると愛犬は今どんなしつけを教えてもらっているのか混乱したり、飼い主さんの感情的な様子に怯えるという認識をし、いつまでも正しいしつけが身につかなくなってしまうのです。
いつでも冷静に余裕のある態度に犬は人を信頼してついてくるようになります。
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愛犬に対して十分に褒めていない
東京DOGSにてアップされているコラムでは、褒めるしつけが基本・重要であることを繰り返しお伝えしていますが、褒め方が十分でないと、愛犬はしつけを覚えても何もいいことがないと拗ねたり、ひねくれた性格に変わってしまうことがあります。
そう、犬って実は利己的な生き物でもあるんです。。
我々人もそうですが何かをした時に「何も報酬がない」とおそらく何もしなくなるはずです。
想像してみてください。1日10時間働いた対価が何もなし。
どうですか?やる気なくなりますよね。。
なので、犬が何かいい行動をしたのに、少ししか褒めてもらえないだと、そのいい行動は次第になくなっていく。ということです。
犬にとって飼い主さんに褒め言葉をかけてもらうことを最高のご褒美(報酬)として、接してあげるとしつけもスムーズにいくようになります。
最初は褒めることに対して多少の抵抗感(まわりの目が気になる)もある方もいるかと思いますが、どんなにクールなタイプの飼い主さんでも、愛犬がしつけを覚えて成功体験を積み重ねたら、少しオーバーだと思うくらい思いっきり褒めて撫でたり抱きしめたりしてあげましょう。
この繰り返しで犬が持つ従順さが育ち、飼い主さんとの良い信頼関係、上下関係の確立ができます。
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おやつやおもちゃの使い方が間違っている
愛犬をしつける時にマストなアイテムとなるおやつやしつけですが、
ポイント
- あげるタイミングが不適切
- おやつやおもちゃにばかり頼ったしつけ
- 成功していないのにおもちゃやおやつをあげて甘やかす、言うことをきかせようとする
というNGポイントがあると、愛犬はしつけではなく単純に好きなおもちゃやおやつで遊べるからという間違った認識を抱いて失敗しやすくなります。
おもちゃやおやつは、
ポイント
- しつけができた際のご褒美としてあげるもの
- 飼い主さんの方に誘導する際のアイテム
- おもちゃやおやつ以外に、アイコンタクトやコマンドのみのしつけに慣れさせる
という目的・必要性があるため、何でもかんでもおもちゃやおやつでしつけをしないように注意しましょう。
注意ポイント
おやつを使用することはとても有効です。
ただおやつのみが報酬になってしまうと「おやつがないと動かなくなる」場合があります。
この状況は言い換えると「人ではなくおやつと関係性を築いている」ということです。
理想は「おやつをもらうこと」ではなく「人から褒めて認めてもらうこと」を喜びにした犬を育てるのがベストです。
なので、ただおやつをあげるだけではなく「褒めるのとセット」でおやつを使ってみてください!
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諭す・怒るの区別がついていない
愛犬のしつけが上手くいかないのは、諭す・怒るの区別がつけていないことも原因のひとつと言えるかもしれません。
そもそも諭すとは、ダメなことをダメと教えながらも、正しい方向へ誘導していく接し方のこと。
そして怒るとは、頭ごなしにしつけが覚えられない愛犬を攻撃して感情的になってしまうことを言います。
一見同じような意味に受け取りがちな諭すと叱るでも、ふたつには根本的な違いがあるため、愛犬の成長や学びをサポートする諭す接し方を心がけていきましょう!
また、これは犬のしつけの現場でも実際に体験することですが、犬のしつけにおいて「怒らなくてもいい環境」を人間側があらかじめ設定してあげることも非常にたいせつです。というかすべてです。
具体的にはイタズラをしたら叱る。のではなく「イタズラが起きないような環境を作る」ということです。
無理に犬を変えようとするのではなく、人間側が犬に対しての理解を示してあげることも非常にたいせつです。
おわりに
愛犬のしつけがうまくいかないと、飼い主さんの不安やフラストレーションが溜まることはもちろん、愛犬の心配な問題行動が増えてしまいます。
日々の正しいしつけは愛犬の美点を引き出し、健やかな成長をサポートする重要な要素になるため、今回のコラムをきっかけにこれまでのしつけ方法・内容を見直し改善してみてくださいね◎