犬が「おいで」で来ない原因と対処法|警察犬ドッグトレーナーが解説

犬のしつけ
こちらに向かって歩く犬

「おいで」と呼んでも顔を向けるだけ。

近くまでは来るのに、手を伸ばすと離れてしまう。

そんな時は、声を大きくする前に、どこで犬の動きが止まるかを見てください。

まだ合図の意味を覚えていないのか、周りが気になっているのか、近づいた後の対応を嫌がっているのかで、見直すところは変わります。

来ないことだけを理由に、反抗や信頼不足と決めつける必要はありません。

この記事では、呼んでも来ない時の原因の確かめ方と、短い距離から練習し直す方法を説明します。

いつもと違って急に動かなくなった場合は、体調の確認を先にしてください。

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呼んだ時、どこまで反応しているかを見る

「来なかった」で終わらせず、顔を向けたか、こちらへ歩き始めたか、途中で止まったかを分けて観察します。

同じ犬でも、場所や距離、呼んだ後に起きることで反応は変わります。

犬の様子見直すこと
声をかけてもこちらを見ない合図を教えている途中か、周りの音やにおいが気になっていないか。静かな場所で距離を短くする。
家では来るが、外では来ない人や犬、においなど周りの刺激。同じ距離でも外では難しくなるため、近い距離へ戻す。
途中まで来て止まる足元、途中の物、人の姿勢、到着後の対応。犬へ詰め寄らず、止まる条件を確かめる。
手を伸ばした瞬間に離れるつかまれることや、その後の手入れを避けていないか。触れる練習は呼び戻しと分ける。
急に来なくなり、動きや元気も違う練習を中止し、獣医師へ相談する。しつけだけの問題と判断しない。

原因を一度で特定しようとして、何度も呼んで試す必要はありません。

場所、距離、犬が見ていた物、戻った後にしたことを短く残しておくと、次に変える条件が分かりやすくなります。

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「おいで」の後に、苦手なことが続いていないか

呼ぶたびに手入れや叱責につながっている

呼ばれて近づいたら爪切りが始まる。

戻った途端に叱られる。

こうした経験が続くと、近づくことをためらう場合があります。

必要な手入れでも、犬が嫌がるまま呼び寄せて押さえ込む方法は見直してください。

爪切りや歯磨きへの慣らし方は、別に練習します。

呼び戻しでは、犬が無理なく近づける場所で呼び、来たことを褒める経験を作りましょう。

遅れて来た時も、到着した瞬間に叱らないようにします。

戻ると、いつも遊びや散歩が終わる

帰宅する時だけ「おいで」を使っていると、犬にとっては楽しい時間が終わる合図になることがあります。

安全な場面では、近くへ戻る、褒められる、また遊ぶという流れも取り入れてください。

危険な物へ近づいていた時まで、同じ行動へ戻す必要はありません。

生活の中では終了が必要な場面もあるため、呼び戻しを使う時が帰宅や手入れだけになっていないかを確かめます。

何度も呼ぶより、来られる距離へ戻す

松尾 ゆうと

来ない犬へ「おいで、おいで」と声を重ねても、距離や周囲の状況は変わりません。

犬がこちらに気づけないなら、同じ場所で呼び続けず、一度練習を区切ります。

次は、静かな室内など、犬が落ち着ける場所で始めます。

合図は家族でそろえ、数歩で届く近さにします。

名前を呼んで顔を向けることと、人の手元へ来ることも、同じ動きではありません。

まず何をしてほしいかを家族で共有してください。

犬を試すために離れ続けたり、来なかった分だけ練習回数を増やしたりする必要はありません。

反応できた条件を残し、そこから少しずつ進めます。

短い距離から、呼び戻しを練習し直す

  1. 扉を閉め、滑りにくい床の静かな場所を用意する。犬が無理なく食べられるごほうびを準備する。
  2. 犬が自分からこちらへ近づく動きを褒める。呼び戻しの合図を知らない場合は、その動きに家族で決めた言葉を添えていく。
  3. 合図と動きが結びついてきたら、すぐ届く距離から呼ぶ。こちらへ来たら、その場で褒めてごほうびを渡す。
  4. 無理なく来られるうちは、同じ短い距離で確認する。距離や場所を変える時は、一度に難しくしない。

おやつは犬の体調や食事制限に合う物を使い、食事量との兼ね合いも考えます。

撫でられるのが苦手な犬を、大きく抱えたり頭を撫で回したりして褒める必要はありません。

初めはごほうびを見せて動きを伝える方法もありますが、毎回見せないと来ないなら、近い距離へ戻します。

分かってきた動きは、合図で来た後にごほうびを出す形へ少しずつ変えてください。

来られないまま食べ物だけを隠し、何度も試す方法にはしません。

リードを使う場合も、引っ張って連れてくるためではありません。

体に合う装具を使い、家具や足に絡まないように見守ります。

装着したまま放置せず、人が安全に扱える範囲で練習してください。

手前で止まる・手を避ける時は、急につかまえない

犬が近づくたびに手を伸ばしてつかもうとすると、手の届く直前で離れるやり取りを繰り返すことがあります。

おやつで近づけた直後に押さえ込むことも避けましょう。

まずは触れずに、安心して近くへ来られるかを見ます。

首輪やハーネスに触れる練習は別に設け、手の小さな動きから始めます。

体を固くする、顔をそらす、下がる様子があれば、触るところまで進めません。

唸る、噛もうとする場合は、確認のために手を出さず、安全な距離を取って専門家へ相談してください。

急に首や体を触られるのを嫌がるようになった場合は、獣医師にも相談します。

外だけ来ない時は、屋外の条件を下げる

室内でできる呼び戻しも、外のにおい、人や犬の動きが加わると難しくなります。

犬が反応できる静かな場所を選び、家より近い距離から始めてください。

外での具体的な進め方は、関連記事の屋外練習で説明しています。

いきなり長いリードをいっぱいに伸ばしたり、公共の場所でリードを外して試したりしないようにしましょう。

呼び戻しは安全を支える練習ですが、事故や迷子を必ず防げるものではありません。

リード、装具、扉、柵の確認を続け、自治体や施設のルールも守ります。

急な変化や強い不安がある時は、練習を続けない

呼んでも立ち上がりにくい、歩き方が違う、元気や食欲も落ちている時は、まず体調を確認してください。

声への反応が変わったことを、わがままや加齢だけで片づけないようにします。

人が近づくと逃げ続ける、屋外で動けなくなる、つかまえようとすると噛む危険がある場合も、ご家庭だけで繰り返さず相談しましょう。

安全に撮れた普段の動画や、来られる条件・来られない条件の記録があれば、状況を伝える助けになります。

撮影のために怖がる場面を再現する必要はありません。

来ない理由を確かめて、次の一回を簡単にする

松尾 ゆうと

呼び戻しがうまくいかない時は、声の強さより、犬が来られる条件を見直します。

呼んだ後に嫌なことが続いていないか、距離は長すぎないか、手を伸ばす動きが負担になっていないかを確かめてください。

次の練習は、落ち着ける場所の短い距離から。

来た行動を褒め、難しければ条件を戻します。

急な体調変化がある時は練習を休み、安全管理を続けながら相談しましょう。

室内ではできるのに、外で難しくなる場合の進め方

叱らずに、してほしい行動を伝える方法

家族で合図の意味をそろえる時に

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