愛犬に言葉に出して「ふせ」と伝えたわけではないのに、気づくといつもこの体勢をしていて、
「何か意味があるのかな?」
「もしかして体調が悪いのかな…?」
と疑問・不安になってしまった経験はありませんか?
愛犬にコマンドや言葉をかけずともふせをするのは、飼い主さんに”ある伝えたいこと”があるサインの場合があります。
今回は犬がふせをする意味と、シチュエーション別に見るふせの目的を合わせて解説していきたいと思います。
また、この記事の内容はプロトレーナーのぼくが実際にウチのしつけ教室を利用していただいているお客様にもお伝えしている有益な情報となっておりますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
犬がふせをするのはこんな意味があった!
犬がふせを頻繁にするのは、飼い主さんがよく思うリラックス以外にも、気にかけておきたいサインを発している意味があるんです。
ここでは愛犬に特別に指示していないのにふせをするのはナゼなのか、さまざまな意味について一緒に学んでみましょう。
カーミングシグナルによるもの
愛犬と散歩中にしつけや指示をせずともふせをするのは、他の飼い主さん・犬に恐怖や不安を抱き、自分の気持ちを落ち着かせるための目的がある場合があります。
犬はカーミングシグナルと呼ばれる緊張の身体表現をする場合があります。
お散歩中のふせは、この緊張表現であるカーミングシグナルである場合があります。
お散歩中に出会った飼い主さんや他の犬に対して「緊張や不安」「ケンカや攻撃をするつもりがない」ことをアピールしている場合があり、まわりを気遣う意識が芽生えているサインと受け取ってみましょう。
下手(したて)に出ている服従の表現
人間がふせの指示を出していないにもかかわらず、犬がふせているのは「服従の表現」「下手にでている表現」の場合があります。
犬自身の頭を下げて相手よりも、低い体勢から相手のご機嫌を伺うような表現をとる服従のふせの表現。
この表現が出ているときの犬の心理表現は「謝罪」「下手」「服従」「ご機嫌とり」といった意味合いがふくまれています。
この時にふせをしている犬にプレッシャーをかけ続けてしまうと、強いストレスや緊張を与え続けることになるので注意が必要です。
犬の身体表現と心理表現を人間側がくみ取ってあげて適切に対処してあげましょう!
犬初心者の方は、なかなか犬の身体表現から心理表現をくみ取るのがむずかしい場合もありますが、犬の行動の意味を正しく理解してあげることでその時々に適切な対処をすることができます!
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興奮や喜びを自分なりに落ち着かせようとしている
しつけやコマンドを出すタイミングではないのに愛犬が頻繁にふせをしている…。
そんな状況は、愛犬が自分なりに喜びや興奮を落ち着かせようとした行動でもある場合があります。
犬は本来、楽しいこと・嬉しいことがあると尻尾をぶんぶんと振って頭と体をさげて動きながら落ち着かない動きを繰り返す場合があります。
愛犬にとって楽しい、喜ぶべきシチュエーションの際にふせをするのは、愛犬なりに平常心を保とうしている表現になります。
遊び内容やおやつ、おもちゃに物足りなさを感じている
飼い主さんから見ると愛犬のふせの体勢は、とてもリラックスしていて尚且つ飼い主さんに服従している前向きなサインに取れることでしょう。
ですが犬がふせをするのは、ポジティブな意味もあれば遊び内容やおやつ、おもちゃに物足りなさを感じているといったマイナスのサインも考えられるんです。
たとえば飼い主さんが愛犬と触れ合いたくておもちゃやおやつでの遊び、お散歩を一時的に中断することが頻繁にある時は、愛犬はもっと遊んでいたかったのにと不満を抱き、ふせをすることで不満を落ち着かせようとしている場合も。
犬によっては飽きやすい性質を持つ犬もいるため、おもちゃやおやつ、遊びの内容、お散歩や運動の時間はその犬にあった内容にしていく必要があります。
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飼い主さんからの指示を待っている
愛犬が頻繁にふせの体勢を取るのは、飼い主さんの指示を待っている誇るべきサインの場合があります。
犬がとるふせの姿勢は、身をかがめてすぐ次の行動にうつりやすい体制になります。
つまり、愛犬にとってこの姿勢は、「飼い主さんの指示をまっている、忠誠を誓う」というポジティブな信頼関係の証です。
プレイバウ(遊びに誘っている)
犬がお尻を上げたまま、頭をさげて左右前後に動く動作でプレイバウといわれる行動があります。
ひとことでいうと「相手を遊びに誘っている表現」です。
当スクールのサービスで「犬の幼稚園」というサービスがあり、他のワンちゃんたちとじゃれあいながら、遊ぶような時間がありますが、プレイバウの表現はいたるところでみられます。
これは相手とのコミュニケーションの一環でもあり、友好的な表現になりプラスの表現であるといえます。
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犬にふせのしつけを教える意味って何?
愛犬がしつけ以外のシーンにふせをする意味とは逆に、しつけでふせを教える意味も早めに押さえておきたいポイントになります。
しつけで愛犬にふせを教える、大切な意味や目的を一緒に見ていきましょう。
子犬のうちから教えて人との上下関係をはっきりさせる
子犬のうちは人間社会に適応するために、正しいこと・してはいけないことのしつけを早めに教える必要があります。
犬にふせのしつけを教えるのは、
ポイント
- 子犬ならではの問題行動をなくす
- 早い段階で飼い主さんとの上下関係を確立していく
- 若く学習スピードが高いうちだと効率よく覚える
- 子犬のうちから正しく教えて人との正しい関係性の構築を学ばせる
- 適応能力の高い子犬のうちから教えることで様々な環境下でも指示を聞けるようにする
といった意味があり、子犬のうちからふせのしつけがおろそかになってしまうと、
注意ポイント
- 良いこととしてはいけないことの区別がつかない
- 問題行動が成犬になっても続く
- 自分勝手でワガママな性格に変わってしまう
- 万が一興奮があがった時の抑制がきかない
- パワーがついてきて物理的に対処するのが難しくなる場合がある
- 学習スピードの低下
- 自我が出てきてコントロールがむずかしくなる
などなど心配な影響が出やすくなるのです。
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他のしつけへの移行がスムーズになる
愛犬がリラックスした状態のふせは、そこからおすわりやマテといったしつけを教えるのに移行しやすいというメリットがあります。
なぜならフセの体勢は犬の基本姿勢と言われているくらい重要なしつけコマンド動作になります。
犬を迎え入れてからは教えるべきしつけが数えきれないほどありますが、おすわりやマテ、カラダのお手入れと同様に犬にとってはなくてはならない姿勢(体勢)と意味合いをもっています。
そのためふせのしつけを教えるのは、愛犬との正しい関係性の構築、健康状態を常に確認・把握できたり、その他の必要なしつけにステップアップする重要な目的があります。
プロトレーナーのぶっちゃけ
ここまでご覧いただいた方は「フセ」のコマンドの意味と重要性をご理解頂けたはず!
つらつらとフセを教えることの大切さを解説してきましたが、それと同じくらいにフセをしている時の犬の心理表現(内面部分)や意識を人間側が理解してあげることも重要です。
一般の方は
ポイント
犬が「フセ」をしているか。
という"形"にのみ意識がいきがちですが、フセをしている時の犬の「心理状態」や「意識」まで人間が理解できるようになると、より深く愛犬の行動や心理が理解できるようになり、より本質的な正しい関係性を築くことができます!
また、犬にフセのしつけコマンドを教えるのはさほど難しくなく(特異な上級者向けのコマンドは別ですが…)一般の方でも正しく時間と労力をかけてあげれば必ずできるようになりますので、ぜひ挑戦されてみてください!
おわりに
コマンドやしつけてはいないシチュエーションでも、愛犬が頻繁にふせをするのは、飼い主さんが嬉しく安心に、誇らしく感じるサインや自我の表れとプラスに受け取ることができます。
愛犬が頻繁にふせをしたら「落ち着こうとしてえらいね、いい子だね」と思いっきり褒めて、これまで以上の信頼関係を築き維持していきましょう!