ふわふわで愛らしい見た目が魅力のポメラニアンなのに、意外にやんちゃで噛み癖がひどいと悩む飼い主さんは少なくないはず。
犬はもともと噛むという行為が習性ですが、あまりにも噛み癖がひどいとそのうちケガをしてしまうのではないか、他の犬や飼い主さんに迷惑をかけてしまうのではないかと不安になりますよね。
今回のコラムでは、ポメラニアンの愛犬の噛み癖に悩む飼い主さんに向けて、そもそもの原因と解決に向けた安心のしつけ策をカンタン解説!
忠誠心が高く甘え上手なポメラニアンならではの美点を伸ばすために、噛み癖に関する情報をぜひ最後までチェックしてください!
また、ウチのドッグスクールでも実際にお客様にお伝えしている情報になりますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
ポメラニアンという犬種の理解
ふわふわな見た目で愛らしく、芸達者で従順なイメージを抱くポメラニアンという犬種。
実は業界内、プロのドッグトレーナーの間では通説ですがポメラニアンという犬種は「自我が強い」「繊細」「攻撃性が高い」犬種のひとつでもあります。
トレーニングの覚えはバツグンで、訓練試験や訓練競技会ではよくみかける、頭はとてもいい犬種ですが上記のような性格的な気質をもって生まれてくる場合があるので、人間側の前提理解も必要な犬種です。
ポメラニアンの噛み癖が治らない…その原因は○○○!
飼い主さんの手指や家の中の大切なモノまで嚙み、そのクセがなかなか治らない愛犬のポメラニアン。
噛み癖の原因を早めに知っておくことも、愛犬のポメラニアンに対するしつけの方向性や解決のアイディアが浮かぶきっかけになります。
ここではポメラニアンの噛み癖がなぜよくならない原因をお伝えしていきます!
ストレスやイヤなことへの意思表示
犬の本能的な習性でもある”噛む”という行為ですが、ネガティブな意味に受け取れるケースがいくつかあるんです。
ポメラニアンの噛み癖で注意しておきたいのが、ストレスやイヤなことを相手に伝えている意思表示だということ。
たとえば、
ポイント
- 構ってほしくない時に触る、遊ぼうとする
- ブラッシングや歯磨きに慣れていないのに無理にしようとする
- 嫌いな人、犬が近づいてきた
- 体の触られたくない部位に触れられる
などなど、相手に対して何らかのストレスをポメラニアンが受けると、自身が嫌悪感を感じることに対して”噛む”という行為でイヤだと意思表示をしている場合があります。
自身が嫌悪感を感じることに対して、”噛む”のはある意味正常な行動といえますが、人間側の正しい理解としつけのアプローチが理想的です。
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歯の生え代わりで口内がむず痒いから
子犬のポメラニアンを迎え入れて噛み癖が頻繁だと気づいた場合は、歯の生え代わりが出て口の中がむず痒い状態なのかもしれません。
ポメラニアンをはじめどんな犬種でも生後3ヶ月~半年程度で歯が生え代わる時期を迎えます。
犬にとっての歯の生え代わりは口の中がムズムズ、痒い違和感を生じやすくなり、このストレスを解消しようとありとあらゆるものを噛んで発散しているのです。
これは子犬のポメラニアンちゃんにいえることです。
成犬の噛みつきであればまた違った意味合いがある可能性があります。
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構ってほしいの意思表示
飼い主さんに甘えたり、遊んでもらうことが特別に大好きなポメラニアン。
こういった心理表現の時におきる噛みつきが「じゃれ噛み」とわれる甘え噛みです。(要求噛みともいわれます。)
甘えの噛み癖がなかなか治らないのは、
ポイント
- 遊び足りない
- 飼い主さんにもっと抱っこしてほしい、褒めてほしい
- ご飯が足りない
- 今のおもちゃやおやつに飽きている
- 甘やかし
- コミュニケーション不足
などなど、構ってもらって欲求を満たしたいという心理表現、その他何かに不満を持ってそれを変えてほしいという意思表示をしているという場合が多くあります。
特にポメラニアンの愛犬が子犬の場合は、何よりも飼い主さんとの触れ合い・思いっきりカラダを動かすお散歩や遊びが楽しいため、それが満足でないと感じると手当たり次第にモノを噛んで、不満を伝えようとしていることがあります。
ポメラニアンに「相手を攻撃してやる!」という攻撃の意識はありませんが、この行動が常態化してしまうと二次的な問題が起こる可能性があるので注意が必要です。
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ポメラニアンの噛み癖はこうして解決!原因に合わせたしつけまとめ
ポメラニアンの噛み癖がなかなか治らないと悩む飼い主さんに向けて、前コンテンツでお伝えした原因に応じたしつけ策をまとめてみました。
ポメラニアンの内面を理解し寄り添える、噛み癖対策のしつけをぜひ今日から始めてみてくださいね。
ストレスやイヤなことへの噛みつきのしつけ対処法
相手からうけるストレスで噛みついてしまう場合のしつけ対処は大きく分けて三つあります。
「刺激に慣らしていくこと」「人間が興奮をコマンドでコントロールすること」「噛みつきがおきないような環境や接し方を心がける」です。
刺激に慣らしていくしつけ
このしつけ対処法に関しては、ポメラニアンが噛む原因として「嫌悪感」「恐怖」「緊張」などネガティヴな感情が起因になって噛んでいることがほとんどです。
なので、このネガティブな感情を取り除いてあげるような慣らしのしつけが重要になってきます。
具体的には、おやつやおもちゃを使ってプラスの感情をあたえてあげるしつけ対処法です。
緊張の噛みつきがでる前の距離感、状況でおやつやおもちゃをあげるしつけ手法が有効な場合があります。
このしつけ手法をとることで嫌悪感がしだいに薄れてきて、いままで嫌悪感を抱いていた刺激でもしだいに慣れてきます。
しつけのポイントは「噛みつきが出る前の状況でおやつやおもちゃをあげること」がとても大切で、噛みつきがでてからおやつやおもちゃをあげてしまうと噛みついたことが報酬になってしまうことがあるので逆効果になります。
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人間が興奮をコマンドでコントロールすること
このしつけは人間が「おすわり」「まて」「ふせ」「ついて」などのコマンドを使ってポメラニアンの興奮をコントロールしていくしつけ手法になります。
しつけの中には基本コマンドと言われる課目があり、このコマンドを人間がポメラニアンに正しくつたえてあげることで、噛みつきの興奮がコントロールできるようになります。
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噛みつきがおきないような環境や接し方を心がける
これが最も手軽に改善できる可能性があるしつけ対処法になります。
そもそも飼い主さん自身が愛犬のポメラニアンにあった環境と接し方をしていない場合があります。
具体的には
ポイント
- 嫌悪感を抱かないようなだっこをしてあげる
- ブラッシングは高台での作業をする
- 嫌悪感を感じる作業はやらない
- たくさんの運動のあとで作業をする
などポメラニアンが噛みつかなくてもいいような「環境」「接し方」「習慣」はとても大切です。
遊びやお散歩時間、内容の見直し改善
運動能力とエネルギー値が高い犬種のポメラニアンなので、動物としての運動欲求を十分に満たしてあげることで改善される可能性もあります。
犬の唯一の娯楽は「運動発散」といわれているくらい我々人間が思っている以上に運動発散はとても重要です。
実際にウチのお客様でも「噛みつき」「吠え」などのお悩みがあるポメラニアンでも運動発散を十分にとることで改善された事例も多くみてきました。
飼い主さんが手が離せない場合はお庭での運動、思いっきり噛んで自由に遊べるおもちゃを与えるなどの対策も有効。
またひとつの遊びよりも、引っ張りあいっこやモノを投げて持ってこさせるなど、遊び内容のバリエーションをいくつも持っておくことも、ポメラニアンの噛み癖の原因となるストレスのケアに役立ちます。
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「痛い」と一言はっきり伝える
噛まれた時の「痛い」というきっぱりとした伝え方は、ポメラニアンにいけないことをしていると伝わることもあります。
決して繰り返しネチネチ怒ったりせず、「痛い!」とひとことぴしりと伝え、後は構い過ぎず様子を見ながら距離を置くようにすることも、噛み癖解決にアプローチできます。
この時は「低いトーン」「短く伝えること」が大切です。
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おわりに
ポメラニアンの噛み癖は早めにしつけで対処しておかないと、大きなケガや誤飲による病気など、深刻なトラブルの原因になってしまいます。
ポメラニアンはもともと人への忠誠心が高く、甘えん坊でしつけがしやすい犬種。
今日からはポメラニアンの良さを引き出すしつけを心がけて、噛み癖の悩みを時短で解決していきましょうね!